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色彩  作者: 初恋うちゅう
友達を見よう
9/10

巫女

「ほれ、ここがドラゴンを統べる女王がいる扉じゃ」


リオンは唾を飲んだ。

目の前にある重そうな扉の向こうには、女王様が…


楽しそうにブリタが扉を開ける。


「ブリタぁ!!!」

なんと、扉が開いた瞬間幼女が友達に抱き着いた。

だが幼女といっても、頭からは大きな角が生えており、それと一緒にに白い羽もちっと彼女の頭から姿を見せていた。

一見ショートパンツにTシャツ姿のラフな格好に見えるが、肩からは女王の正装と思われる真っ赤なコートを引っかけている。


「お、久しぶりじゃなシェイラ~!我も会いたかったぞ!!」


再開のハグを交わしている二人を見て、付いていけない三人。

「あ、あなたが、ここを支配する女王様?

ブリタちゃんと同じで、幼いのに凄いね…父様はいないの?」


拍子抜けしてしまったリオンは自分よりも幼い女王たちを見て聞いた。


「リオン、貴様王女だったくせになにも知らんのか。

なあシェイラ。無礼にも程があるよなあ。」

ブリタが頬を膨らませて言う。


「あ、あ、でも…仕方ないよ…人間の国はみんな男が王だから…」

耳を澄ませないと聞こえないくらいの音量でドラゴンの女王が答える。


「なあなんでもいいから座らせてくれよ幼女様~」

ツバキが間が持たないといった顔をして言った。



申し訳なさそうに幼女様が大きな部屋の中に案内してくれた。

部屋の内部は、一面に細かい装飾が施してあって、帝国の玉座にも匹敵するほどであった。



全員が腰を落ち着かせると、真っ赤なワンピースを着た眼帯をしている女性が緑色のお茶を置いてくれた。

「あなたも、アウリさんと同じ、巫女なの?」

リオンは青い女とこの赤い女に似た雰囲気を感じて聞いた。


すると一つしか見えない目をぱっと輝かせ、

「わあ!さすがですんねリオンさん!

ええ、私こそが四大巫女が1人、ニーナです!そしてそこで偉そうに座っている下品な服の女が」


「四大巫女が1人、アウリだ。自分のことくらい言うよ、ニーナ。」

おもむろにアウリが脱げかけていた服を直しながら言った。


「ニーナ、そんなことより早く食事を持ってこんか。我は腹が減った。」

ブリタが偉そうに言うとふわふわとどこかへ行った。


「あ、あの…巫女って一体何ですか?」


リオンの質問にアウリが答えた。

「…この世界には、四人の巫女と呼ばれる人間…魔法使いがいる。ドラゴン、エルフ、ヒューマン、そして私たちメーア。昔はヴァンパイアにもいたけど、環境が合わなくて死んじゃった。

主な仕事は女王の補佐だけど、巫女って呼ばれてるのはたぶん私たちが神に捧げる花を育ててるから…

それだけ。はあ…」


珍しくよく喋る自分の巫女をブリタは眺めていた。

嘘つき、と。


だが彼女のほかにアウリの事を凝視するパロンには、誰も気が付かなかった。



「お待たせしました~お夕飯ですよ~本日はこの地の郷土料理、ワイバーンの唐揚げです~!」


目の前に食べたことのない美味しそうな料理と、二本の棒が来た。


「あ、あの…ナイフとフォークが無いのですが…」

当たり前のようにパロンが聞く。


「ああパロンさん、」

ニーナが彼の傍で説明をする。

「この棒の使うんですよ。箸と言って…こう持つんです。ええそうですよ!一気にガブっと食べちゃってください!」


そして慌てて自分の席に戻り、食べ始めた。

彼女は耐えられなかったのだ。

彼の舌が。


「三人はどうしてここに?」

シェイラが今更のように聞く。


「母様が私に伝えたんです。あ、訳合って間接的なんですけど…ここに行ってと。」


人外4人は納得したようだった。


「アオイナがですか?!やだすっごく嬉しいです親友の私に娘を会わせてくれるなんて~!

リオンさん、アオイナと私って、親友なんですよ!だから彼女はそう伝えたんだと思います~!」

そして彼女は、懐かしむように語り出した。


あれは18歳の時、当時の帝国の王子様ーーあなたのお父さんーがここにお嫁さんを探しに来たんですよ。

ここの国民は人間をどうしても見たくて、みんなみんな、彼が通る道に押し寄せました。まるでパレードのように…

きっと誰もが彼をカッコいいと思ったんでしょうね、今でも国民たちはみんな王様大好きですから。

『あの!』

彼がドラゴンの城へと行く道に一人の少女が飛び出したのです。

それがアオイナでした。

彼女は続けた。

『私、アオイナって言います!家の事ならなんでもできます、一目惚れしました!

私をお嫁にしてください!』

って、本当にびっくりしました…


「それで夫婦になったんですか…私の両親は…なんだかおとぎ話みたい。」

あの母様がそんな大胆なことをするなんて考えられなかった。


「ごめんなさい、話は変わるけど、三人は世界が春になるまでここにいていいからね…寒いのは、嫌でしょう…ごめんなさい…」

シェイラが思い出したかのように言った。


礼を言った。

ツバキだけは、土下座をして喜んでいた。



食事を済ませて、黒髪二人は部屋へ行った。


「いやー、女子二人だけっていいねえ!今夜は恋バナでもしよーぜリオン!

あ、シャワー?私も行く!」



「あの、ツバキさん…この部屋、ベットがないんですけど…

それにこのザラザラしてる床、気持ち悪いです。シェイラが靴は脱いでって言ってたから脱ぎましたけど、やっぱり違うんでは…」

リオンが当たり前のことを言った。


二人でシャワーのついでにシェイラとニーナを探したが、見つけることは出来なかった。



ーー城内?

ニーナはあたり一面に咲く花たちに血を与えていた。

「この血、もうすぐ無くなりそうですね。でも、大天使の血ですし、もうすぐ咲きますよね…」

自分に言い聞かせるように、彼女は呟く。



「おい」


声を聴いたとたん、背中から凍るような風が吹いてきた。


「はい、なんでしょうか」

そこには、赤い目をした金髪の騎士がいた。


「…?!

パロンさん?ど、どうしてここに?鍵は閉まっていたはずですが」


彼女は考える。思い出す。今日見たパロンを。

彼は、青い目をしてはいなかっただろうか。


なら、目の前にいる瓜二つの少年は誰だ。


「巫女、貴様の主に伝えろ。

そこは、ヴァンパイアの地だとな。」


嫌な汗が止まらない。怖い。無い左目が痛い。まるで取れてしまいそうな…


「…わかりました。伝えます。だから、あなたの名前を教えてください。」


少年は、目を逸らしながら応えた。

「俺はきっと、パロンだ。」






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