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色彩  作者: 初恋うちゅう
裏切り者は傍に。
6/10

第6話

登場人物紹介



リオン・フィール(F)…帝国の王女。忌まわしき黒髪の持ち主。剣の腕は立つ。


パロン・ヴェルデント(M)…帝国軍白薔薇隊に所属している新入り兵士。リオンに忠誠を誓う護衛ソシオとなっている。


カレン(F)…リオンお付きのメイド。


ツバキ(F)…黒髪の暗殺者。リオンを殺したいようだが?


ヴォルフ(M)…パロンの同期の兵士で同じ白薔薇隊に属している。チャラい。


ポール(M)…13歳の時に黒薔薇隊に選ばれたエリート少年(現在15歳)。常に口元をマスクで隠している。ヴォルフとパロンの友達であり、テトラの弟。


ポーシャ・フィール(F)…リオンの姉。黒髪であることを除けばリオンのことは好き。

頭脳派。



…………私が叫んでから、どれくらいの時間が経ったのだろうか。


とても長い時間が経ったようにも思えるし、ついさっきなような気もする。


ツバキさんは、もう…


「あーあ、悪いねゼルドさん。

あの時助けてくれたのは本当に感謝してるけど、もう終わったことだ。

私はカレンじゃない。あいつは殺した。

私は処女でいる誓いをしたんだ。だから、死ね。」


「っ!ツバキさん!」


生きてる!じゃあさっきの音は、ツバキさんが誰かを殺した音…


「ああ?うるせえなぁ姫様よ。

…っと、これが鍵か。」


ぎぃぃぃ…鉄格子の扉が開く。

「ほら出ろよ。

逃げたいんだろ?」


「……」


逃げたい。

早く、パロンくんに会いたい。


けど。


私は、カツラを外した。


「ごめんなさいツバキさん。

私は、黒髪の姫です。」


ごめん、ごめんなさい、カレン。

あなたは最後に私を守ってくれた。

でも、これ以上ツバキさんを騙してはいられないから。


「…そうか。

ほら、早く出ろよ。死体近くにいると臭くなっちまうぞ。」


そう言ってツバキは、出口に向かって歩いていった。


「えっ…?」

殺しに、来ると思った…


リオンもツバキの後を追って、鉄格子の外へ出た。


廊下には、数多の兵士たちの死体が転がっている。

きっとツバキが殺したのだろう。


…リオンが逃げられるように?


「開ける前に教えてください、ツバキさん。

なぜ、助けてくれたのですか?あなたは私を恨んでいたのでしょう?」


ツバキは鍵を外す作業をしながら一言


「さぁな。」


とだけ言った。


そして、扉が開く。

そこにはー


「リオン姫…?」


「っ?!

パロンくんっ!」


最も会いたかった人が、いた。



ーー林の中。


「いやぁ、びっくりしましたよ!

俺が裏口から回って、パロンが正面から入ろうと思ってたんですけど、まさかおいでになってくれるとは!

いやぁ無事で何よりですよォ、リオン姫様」


正確に言えば、このゾルドが率いる軍に来ていたのはパロンだけではなかった。


彼の同僚のヴォルフも来ていたのだ。


「2人はどうやってここを見つけたんだ?

今までどの国にも見つからなかったこの拠点をたった1ヶ月で見つけるなんて…」


2人は顔を見合わせる。


「意外と簡単でしたよ、ツバキさん。

僕達には手がかりがありましたから。」


パロンがそう言って説明を始めてくれた。



ーーー…といっても、最初から分かっていた訳ではないんです。

ポール達シュピオナージェが調査を進めてはいましたが、いかんせん何も分からない状態でしたので。


僕はたまたま、姫様が使っている剣を手入れしておこうと思って、無礼は承知の上でですが部屋に入らせて貰ったんです。


ですが剣はありませんでした。

えぇ、どこにもです。

城中を探し回りましたがなく、そうだ、カレンさんなら知っているんじゃないかと思いました。


そこで僕は思ってしまったんです。

ここ最近ずっと、彼女の姿を見ていないと。


あの舞踏会の夜に戦争に巻き込まれて死んでしまったのではないかと思い、我が白薔薇の騎士に頼んで死亡者リストを見せてもらったんです。


お察しの通り、名前はありませんでした。


今日は諦めて兵舎に戻ろうかと思った時でした。

どこからか、ベルの音が聞こえてきたんです。


1度、教会で聞いたあの、殺しのベルの音。


僕は導かれるようにして音が聞こえる方へ向かいました。


音は、姫様の部屋からでした。

けれど扉を開けると窓も空いておらず無人でした。

ただ、1つだけ変化があったんです。


ドレッサーの引き出しが空いていた。

中を見ると、髪ゴムやブラシに混ざって、1通の手紙がありました。


ああ姫様、あなたがそこに入れたんですか?

あんな忌々しい手紙、捨ててしまってもよかったのに…

でも僕達はアレが無ければここにはいない訳ですから、皮肉な話です。


さて、中身ですが姫様、あなたはご存知ですよね。

そうです


『裏切り者は傍に。』


その一言だけでした。


カレンさんしか居ないと思いました。

姫様の傍に居た人は、僕を除けば彼女ただ1人だけでしたから。


それから裏切り者が姫様の傍にいた事を踏まえると、あのピエロこそカレンでしょう。


言い忘れていましたが、手紙と共にタロットカードの『塔』が同封されていたんです。


…え、見ていない?そうなんですか姫様。

誰が後から入れたんでしょうか


まあともかく、そのカードは復讐を意味するカード。

カレンか或いはカレンを通じた別の何者かが、黒髪の姫に恨みを抱いていて、連れ去ったと思いました。


そうして調べて行く内に分かったんです。


国を持たない傭兵の集まり。

それらを束ねる男『ゼルド』。


あとは大軍師様とシュピオナージェと協力して、この場所ー帝国の自然の代表とも言える雑木林の向こうに

拠点の1つがあるとわかりました。


そしてここにたどり着くまで2日です。



「へぇー、素晴らしいね。」

心底感心したようにツバキは言う。


リオンはもう既に頭の中がぐるぐるだったが、なんとか

「あ、ありがとう…」


ぴょんっと、ツバキは太い枝の上に乗りながら言う。

「ほら、お前らガキは寝ろ。

明日帝国まで速攻で帰るんだろう?

まあ私は行かないから関係ないが、1晩の見張りくらいならしてやるから。」


「えっ、ツバキさん来ないんですか…?

私の客人とすればきっと…」


「嫌だね!

殺すべき皇帝は行方不明、その妻はぶっ倒れたとかつまんなすぎるんだよ!」


「なら!」

パロンが声を荒くして言う。


「国王代理を見ませんか?

リオン姫の姉、ポーシャです。」


「姉様がっ?!」


ツバキは少し考えてから言った。

「いいだろう。

殺す相手が1人増えた所でなにも変わりゃしないさ。」


ー明け方


パロンは尿意で目覚めた。


「ん、あれ。

姫様が寝てない…いない。」


「こっちにいるわよ、パロンくん。」


少し離れた所木が途切れている所に彼女はいた。


「ねえパロンくん。

私、帰っていいのかな。」


「いいに決まってるじゃないですか。

姫、なんですよ?堂々としていればいいんです。」


「ううん、そういうことじゃないの。」

パロンがあげたネックレスを握りしめながらリオンは言う。


「やっと帝国からは私という不穏分子がどんな形であれ居なくなった。私が生まれる前の、平和な国に。

この戦争だって、私の存在が起こしたようなものだし…

だから、戻る資格なんてないと思うの。」


「それは、ポーシャ様が決めることです。

でも家族ですから、信じていいと思います。

妹が戻ってきて嬉しくない姉なんて、いないでしょう?

今後のことは、ポーシャ様に会ってからでも遅くはないと思うのです。」


安心させてあげなくては。僕が。

カレンなき今、姫様の傍に居られるのは僕だけなのだから。

僕だけが姫様をー…


「そっか。

ありがとう、パロンくん。」


優しく微笑むリオン。


やっぱり、僕だけなんだーー



「じゃあほらツバキさん!このカツラ、被ってくださぁい♪」


早朝、帝国へ向かう準備中にヴォルフが言った。


「はぁ?!金髪ツインテールのカツラなんか誰が被るかよ!

ダサすぎだわ!」


「えっ、ださいって…」


カツラは今までリオンが使っていたもので、ヴォルフが黙って持ってきていたらしい。


「あ、ああ違うんだリオン。

ダサいって言うのは、私が被った場合であってだな…


渋々ながらも被ってくれたツバキさんは、本当は優しい人なのかもしれない。


1頭の馬に、パロンとリオン、

もう一方に、ヴォルフとツバキが乗る。


「さぁ、日没までには着くぞ!」


ヴォルフだけは、元気だった。


ー夕方


「ふぇー、疲れた…」


自分達が兵士だということを門番へ伝え、馬を降りて城内に入る。


「血の臭いやべえな。くせえよ。」


ツバキがそう言うように、辺り一面には処理が追いついていない死体があちらこちらに積み上げてあった。


「(1ヶ月で、こんなにも変わってしまうなんて…)」



「おいそこの者達。

黒髪の姫の集いか?」


1人の兵士がリオンに聞く。


「え、ええ。

私は第2王女、リオン・フィールです。」


ザッ…

どこからか30人程の兵士がリオンたち4人を取り囲んだ。

それぞれ、剣やら槍やらを構えて。


「こ、これはどういう事だ!

お前達、反逆罪だぞ!」


ヴォルフが剣を抜きながら叫ぶ。


そして兵士達はこう言った。


「これは、ポーシャ様からの命令です。」


遅くなり大変申し訳ございません!!


IOS11のバグに悩まされています!

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