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色彩  作者: 初恋うちゅう
裏切り者は傍に。
5/10

第5話

登場人物紹介



リオン・フィール(F)…帝国の王女。忌まわしき黒髪の持ち主。剣の腕は立つ。


パロン・ヴェルデント(M)…帝国軍白薔薇隊に所属している新入り兵士。リオンに忠誠を誓う護衛ソシオとなっている。


カレン(F)…リオンお付きのメイド。


ツバキ(F)…黒髪の暗殺者。リオンを殺したいようだが?


ヴォルフ(M)…パロンの同期の兵士で同じ白薔薇隊に属している。チャラい。


ポール(M)…13歳の時に黒薔薇隊に選ばれたエリート少年(現在15歳)。常に口元をマスクで隠している。ヴォルフとパロンの友達であり、テトラの弟。


アオイナ・Q・フィール(F)…帝国の王妃であり、ポーシャとリオンの母親。優しい。

「……」


薄暗いジメジメした廊下を歩く音がする。


「仕方ないわ。私はゼルドに命を救ってもらった身。逆らえやしない。姫様…」


ふと前を見ると、ナイフを振り回している女の姿が見える。


「や、ピエロ。ここでくらい仮面外せば?長期潜入がやっと終わったことなんだしさ。

あとの役目は私がゼルドから貰ったからもうあんたはいいわ。

あ、クソ姫様のあんたに裏切られた時の顔見てくる?それくらいは待っててあげる。」


「そうね。そうする。感謝するわ、ツバキ。」


マントの中に隠してある物を握りしめながら言う。仮面のおかげで表情は見えない。


ピエロの次の演目は、恩人を裏切ることなのかなと考えながら。


ー某所、地下牢屋


「ん、んー…ここは…」

リオンが目を覚まして1番に目に入ってきたのは、ピエロの仮面だった。


「ひっ、なんですのあなた!私を誘拐してなにをしようとしているのですか!」

精一杯喋るが、声が掠れて震えてしまっている。


このままじゃ、殺される…!


そうリオンは考えていた


「姫様、ごめんなさい。」

仮面の中から出てきた顔は、何度目をこすっても違うことのない、メイドのカレンだった。


「カ、カレン…やっぱりあなただったのね…手紙は当たっていた…」

俯きながらリオンは言った。


教会に行った日の晩にもらった手紙に書いてあった内容はただ一言。


『裏切り者は、傍に。』


パロンという可能性もチラついたが、長い期間傍にいる訳では無い。だからカレンが、というのがリオンの中で一番大きな仮説だった。


「あら、知っていたんですね。まぁ、今となってはどうでもいいことですけれど!

ねえ姫様、私ね、愛してる人がいるんです。

私を舞台に導いてくれた人。

私に名前をくれた人。

その名は…ゼルド。

姫様のことも好きだったけど、彼を裏切る訳には行かなかったんです。

でも…」

マントの中からカレンは取り出す。リオンのカツラを。


「姫様のことも好きだった。

せめて、私が間違えて金髪の王女を誘拐してきたとすれば、すぐには殺されないでしょう。」

カレンが慣れた手つきでカツラを被せる。


「……」

リオンはよく理解できていなかった。

カレンは裏切りの裏切りをしている。


「待っててください。きっと逃がしてあげ…」


「おっとカレン!今の発言は完全に裏切りだね!」


「がはっ…ツバキ…あんたいつから…」


「いや、今。

おっせーなと思って様子見に来たら『逃がしてあげる』とか言うのが聞こえたからつい。

でもカレンらしくないな、情が湧いたか?」


カレンの首から背中にかけて4本のナイフが刺さっている。

「カレン!!!」

リオンは叫ぶが、手首を壁に拘束されていて上手く前へ進めない。


「おっとー姫様お黙り。

次はあんたの番。」

ツバキはリオンの首筋にナイフを突きつけて言う。


「っては???

カレンお前間違えたのか?!

こいつ黒髪じゃなくて金髪じゃねえかよ!

私は金髪殺したってちょーっと帝国が困るだけで意味無いんだよ!

って死んでるし。」


「カ…レン?」

リオンは目の前で起こったことを上手く飲み込めず、言葉を失った。


「あなたは…?

なにか、花の匂いがする。」

とりあえず目の前の女に話しかけた。


「ああ私?

私はツバキ。

よろしくな、金髪の可哀想なお姫様」

ツバキは飄々と言うだけ言って牢屋から出ていってしまった。


残されたのは、裏切り者のメイドと嘘つきの姫。


「……カレン、ごめん。ありがとう。」


牢屋の見張り役の人達だろうか、死体を引きずって行った。


「さようなら、大好きなメイド。」



ー城内、医務室

「ひめさまっ!!」

ベッドの上で叫びながら起きたパロン。


「うるさいなぁ、3日ぶりに起きて言った言葉が姫様、かよ。

まあ無事で何よりだぜ、パロン」

傍でコーヒーを啜りながらヴォルフは迷惑そうだ。


そうか、あの舞踏会からもう3日も経っているのか。

3日も姫様は一人ぼっちで震えているかもしれないのか。

早く、早くしないと。僕が。


「ヴォルフ、姫様はどこにいるんだ?!

まだわからないのか?!

シュピオナージェはなにをしているんだ!

僕が守らなきゃ行けなかったのに!」


瞳孔が開かんばかりの瞳をヴォルフに向けながらパロンは一気にまくし立てる。


「わかった、分かったから落ち着け。

とりあえず移動しながら話すよ。

いつまでパジャマでいるつもりだ?」


ヴォルフが言っていることは最もなので、とりあえず着替える。


「…で、だが。

リオン姫はどこかに誘拐されたんだろう。

自力で逃げられる力はあの子にはないって、王妃様が判断された。

あと、リオン姫の部屋に『塔』のタロットカードが落ちていたらしい。」


「塔…復讐のカードか。

何故、姫様が…

恨まれるべきは我ら金髪の方だろうに。」


たまたま黒髪で生まれてきた姫様になんの罪もない。

我々金髪が今までずっと、間違いを冒してきたんだ。

これはきっと、そのツケだろうに。


「…そうだな。

俺らは白薔薇の兵士だ。

隊長に、指示をもらいに行こう。」


「いや、僕は行かない。」

パロンは明確な覚悟を持って言った。


「僕は姫様を探す。

どんな奴でも、姫様を傷つけるならば、許さない。」


姫様大好きだなぁと、ヴォルフは半ば呆れ、笑った。


「俺もそのつもりだぜ、パロン。

一緒に行くよ。

ポールにも声をかけよう。」


「ああ。」


ー城下町、時計塔


街全体に、歌声が広がる。

美しく、儚い歌声が。

それは聞いた者の眠気を誘い、体力を奪い、眠らせて…


「ふぅ、街にいる兵士達はこれで全てですか。赤薔薇の騎士よ。」


「はっ、左様です。王妃よ。」


「そうですか。

では彼らが目を覚ます前に、早く焼き尽くしてくださいませ。

そうね…100人いれば間に合うでしょう。」


仰せのままに、と下がった騎士を横目に王妃のアオイナは思い出す。

自分にはなかった、角を持った種族たちとの日々を。


「あぁ、久しぶりにこの力を使ったからかしら。

こんなことを思い出すなんて…っ」


次の瞬間、儚い王妃は地に倒れた。




それから、1ヶ月が経った。


リオンの元に、助けは来ていない。


「やっぱり…私はもう殺されるのかな。

ダニー王子との約束、守れなかった

パロンくんは元気かな

みんなに、会いたい」


だけど、分かっていた。


私はここまでだ…


「いやよ、やめろ!

この変態がっ」


扉の向こうで、ツバキさんの声が聞こえる。

何が起きているの?


「俺のカレンを殺したのはお前だろォ?

なら、その責任はとって貰わなくちゃあな。」


「は、離せってば!

私には誓いがあるんだっ、処女でいることの誓いが!

貴様、そのことを知っていながら!」


おそらく、ツバキさんは誰かに襲われているんだ。

助けないとって思っても手首が拘束されていたんだった。


やっぱり、私にはなにも…


ぐさり。


嫌な音が聞こえる。


「ツバキさんっ!」


更新遅くなり申し訳ありません。


文化祭やってました。

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