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色彩  作者: 初恋うちゅう
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10/10

花と地下

ーー地下

「ルイス、ルイス起きて」


「ぁぁん?!って、姉貴かよ…んだよ」


「母さんがまた、血が足りないって。まだ昨日集めたばかりなのに。やっぱりあれが…あ」


「チッ、うるせえ。俺が集めてくる。」


これは、チャンスだ。



ーーー領地に来てから1ヵ月が過ぎていた。


女王というのは案外暇らしく、私は多くの時間をシェイラと過ごしていた。

その中の一つに、竜族の成り立ちの話が合った。



昔々、まだ世界が「世界」でなかったころ、体が欠けてしまっていた天使が地上に落ちてきました。

可哀そうなことに、彼女は襲ってきたドラゴンに食べられてしまいました。

ですがどうした事でしょう、次の瞬間ドラゴンのお腹が太陽のように光を放ち、その中から角と尾を持った少女が出てきたとさ。

そして竜族として発展していきました。

めでたしめでたし



では、巫女はどこから来たのでしょう


「リオン様、ボーっとしている見たいでしたがどうしましたか?

ニーナさんが庭の花畑を見せてくれるんですって。

行きましょう?」


我に返ってパロンに応える。


いけない、母様のことも不思議に感じてしまうところだったわ。



「うわあ、綺麗!!!これ、みんっな蕾なのね!」




「はい!外の雪と景色が合っていて絶景なんですよ、それをお見せしたかったんです~」


「いつ咲くんですか?」


「えっと、あと40年後くらい…ですかね、100年に一回、この国の天使様が地上に舞い降りて来ると咲くんです。」


40年後、私やパロン君が50歳ちょっとの時かあ。

その時はなにしているかしらね、私は…。


そう考えながら物思いにふけっている時だった。


突如リオンの足元に真っ黒な穴が開いたのだ。


「え、なに、この…きゃあ!」


「リオン様?!」


彼女の叫びを聞いて慌てて振り返ったパロンの伸ばした手は間に合わず、リオンは闇の中へ落ちて行った。



「たぶん、ヴァンパイアの仕業でしょう。でも、あの花畑は私の魔法がかかっているはずなのにどうして。」

数分後、王室でニーナが頭を抱えた。


「ヴァンパイア…確か地下の種族で、地上にはほとんど出てこない閉鎖的な種族と聞いていたが違うのか?」

ツバキが誰ともなく聞く。


「ええ、そうです。年に一回各地の女王が集まっていろんなことを話すことがあるんですけど、

ヴァンパイアだけ最近…いえ、5年前くらい前から女王ではなくその子、王女が来るんです。

そしてちょうどそのころから、世界中で誘拐事件が増えました。

それと何か関係あるんでしょうか。」

シェイラが口を開ける。

まだ彼女の音量の小ささに慣れないツバキは眉間に皺を寄せた。


「リオンを助けに行こうにも、地下に行く方法なんか聞いたことないし、騎士君もあんな状態だしなあ。」

ツバキが視線を向けた先には、部屋の隅で立ち尽くしているパロンの姿があった。


本当にただ立っているだけ。


「一つ、地下に行く方法があります!」

ニーナが決心したように話し始める。

「私とアウリの力なら、地下にも行ける転移魔法を発動出来るはずです。ただし、行けるのは一人ですが…。」


「じゃあ私がー」


「僕に行かせてください!ぼ、僕は行かなきゃ行けない!」

ツバキの目の前に飛んできてパロンは叫ぶ。


「お、おう。じゃあ、頼んだぞ。」

そう言ったはいいものの、ツバキは何か不安めいたものをかんじた。



「ん…うっん…」

リオンは寒気を感じて目を覚ました。


と同時に目の前の光景を見て、目を疑った。

それは無数の老若男女が横たわっていたのだ。

人間も、エルフも、ドラゴンもいる。


とにかく、逃げなくては。

直感的にそう感じたリオンは、歩き出そうとした。

が、足音を聞きつけたのでその場で横たわった。


「さてと、俺の最大魔力を使ってバカ巫女の所に仕掛けたが、あいつはいるかなっと。」


黒いマントを靡かせて堂々と歩く赤い目をした男がリオンの前を通り過ぎた。


あの充血したような真っ赤な目は間違いない、ヴァンパイアだ。


と、男が方向転換し、リオンの居るほうへ戻ってくる。

彼女は慌ててぎゅっと目を閉じ、息を殺す。


足音が止まった。

だが気配は、目の前にある。


目の前に、いる…!


自分の心臓の音が五月蠅く感じ、聴覚が鈍っているのが分かる。


早くどこか行って!

早く、早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く

早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く!



「(え…)」



次の瞬間、彼女の首に激痛が走った。










早く、を打ちすぎてやばい。

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