これからも、
「ん……おはよ」
「ん~……」
朝、聞き心地の良い優しい声で目を覚ます。
目を開けると、ふわりとした黒髪がすぐ近くに見えた。
「お、おはよ……」
「うん。おはよ~」
そう言って、ぎゅっと抱きついてくる。
「は、離してぇ……」
「やーだ」
自分に抱きついている腕に力が入る。
「好き、大好き。」
「……うん。」
「……離したくない。 食べちゃいたい。」
「え、えぇ……!?」
開けた窓から風が吹くたび、君の優しい香りが鼻をくすぐる。
やっとベッドから起き上がると、コ-ヒ-を入れにキッチンへ向かう。
服を着替えて起きてきた君は、いつもラフな格好で。
深緑のシンプルなカ-ディガンや、さり気なくかけた黒縁の眼鏡に癒されて、ドキッとする。
「有り難う」
静かにコ-ヒ-を啜る君を横で見ていたら、くしゃくしゃと頭を撫でられた。
「うあぁ……」
「あははっ」
楽しそうに笑う無邪気な笑顔に、頬が緩んで。
「……有り難う。」
「ん?」
一緒に居てくれて。
恥ずかしくて言えないから、笑って返す。
これからも、ずっと一緒にいられますように。