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この世界は外見で決まる

作者: 天野かい

美しい女の人には、バラを。

そんなことを言った人が昔いたという。

では、美しい女の人は、バラが本当にほしかったのか?

本当は、もっと、違うものが欲しかったのでは、ないだろうか?

例えば、心臓とか?


私の名前は、松山れいな。みんなからは、れいちゃんとかいろいろな呼ばれ方をしている。そしてみんな私を可愛いと言ってくれる。そして男の人たちは、私にバラなど綺麗なものをくれる。

私は、バラなどをもらうのは、嬉しい。でも、私はバラではなく親友がほしい。

私と仲良くしてくれる人は、ただ私が綺麗だからとかそんな理由。

とても親友とは、言えない。私は、私が綺麗じゃなくても仲良くしてくれる友達がほしい。そしてその人こそが私の親友と言えると思う。

(私も親友と呼べる友達がほしい)

そんなことを考えながら今日も夜を過ごした。


「れいちゃん行こうよー」

友達がそんなこと言ってきた。この子たちも親友とは、言えない。

「私今日は、用事があるの。ゴメンね」

私は、笑顔で誘いを断った。もちろん用事はない。

親友じゃない子と、遊びにいってもつまらないから嘘をついた。

「じゃあ、また今度遊ぼうね。バイバイ。」

友達は、私に手を振りながら去っていった。

私もいつも通りの通学路を通り帰っていった。家に着くまでにまたいろいろな物をもらった。

(こんな物より、私は、親友がほしいのに。)

テレビを見てもつまらない。本を読んでもつまらない。一人だと何をしてもつまらない。でも私には、一緒に何かをやりたいと思う人がいない。

(なんで、私は、綺麗なの。こんなんなら綺麗じゃない方が良いよ。)

「ならば、お前を綺麗じゃなくしてやろうか?」

そんなことを言ってきたのは、町の中で不気味とかキモいとか言われている、おばあさんだった。おばあさんは、まるで赤頭巾ちゃんのお話で出てきたおばあさんのような、格好をしていた。

「どういうことですか?」

私は、首を傾げた。この人は何を言っているんだろうと思った。

そしてこの人の息は、とてつもなく臭かった。もう話さないでと思った。どういうことか聞いてしまった自分が嫌になった。

「魔術を使える。その魔術でお前をブスにする。」

ブスになるのは嫌だ。でも綺麗よりは、マシだと思った。

(この人にやってもらって大丈夫かな?)

「本当にできるんです「できる!」

最後まで言う前に言われた。少しムカついた。でも、

「お願いします」

自然とそんなことを言っていた。魔術をかけてもらうと本当に私なのか?と思っうほどに変わっていた。綺麗とは、かけはなれた姿になっていた。

(やった!これで私も親友を作れる!!)

その日の夜は、とてもよく眠れた。綺麗じゃなくなったのがうれしかった。

次の日の朝、学校のみんながどういう反応をするのかが楽しみだった。

(今日から、ちゃんとした友達を作ろう!!)

たくさんの家が並んでいる道をずっと行った所に学校がある。

いつもの道なのに、何故か違う道を通っているかのような気持ちになる。

学校についた。いつも通りの学校のにおい、でもなぜか違うにおいに感じる。

「おはよう!」

元気に教室の扉をあけ入った。こんなに元気に教室に入ったのは久しぶり。

教室には、いつもと同じ風景が広がっていた。何も変わらない教室では、なかった。私を見る目が違った。私ということは名札や服装などで分かっているはずなので、私の変わり方に驚いているのだろう。

「本当にれいちゃん?」

「そうだよ!」

みんながざわつき出した。みんなが私をどう思うのかとても気になる。

「ハハッ、ブスになってる。」

バカにされた。バカにしてきた人の方を見るとそれは、昨日遊びに誘って来た

友達だった。悲しくなったでも分かっていたことである。

(他にもバカにしてくる人はいるだろうが我慢すればきっと親友はできる。)

「本当うけるー」

「こんなのれいちゃんじゃなくブスちゃんだねー」

「本当本当ブスちゃんだねー」

クラスのみんなが私をバカにしてきた。分かっていたことだ。我慢した。

休み時間にもみんなが私を見てバカにしてくる。やはりみんな私が綺麗だから仲良くしていたのか分かっていたけど悲しくなってきた。

(いや、今から親友を作ればいいんだ!)

そう心にいいきかせた。

学校が終わると私は、いつも通り帰ろうとした。でもそれをクラスの女子に止められた。

「あんたさー私たちあなたが綺麗だから、つるんでいたけどブスになったら、あんたに用ないから一生話しかけないでね★」

そう言ってから一人が私に水をかけてきた。服がすけた。でもいつもなら男子が

見てくるのに今日は、見てこなかった。ブスだからだ。

さすがに、悲しくなり泣いてしまった。でも女子たちはそれを笑ってきた。

「泣いてやんの、うけるー。」

「本当本当きもー」

私は、走って家に帰った。

(まさか、ここまでされるなんて、さすがにムリだよ)

私は、泣いてしまった。たくさん泣いてしまった。悲しすぎた綺麗からブスになるとここまで扱いがひどくなるとは、思ってなかった。

その日から学校に行くと毎日のように、イジメられた。水をかけられたり、ノートに落書きされたり、弁当の中身を捨てられたりドンドンイジメは、激しくなった。

そんなある日学校帰りの時あの時のおばあさんがいた。

相変わらずの服装だった。「元に戻して下さい!」私は、思わずそんなことを言っていた。おばあさんは、訳が分からないと言った感じで、首を傾げた後おばあさんは、笑いながら言ってきた。

「何をいっておる?もう元には戻せないぞ?」

「お前が望んだことだ、諦めろ。ハハッ」

そしておばあさんは、消えて行った。

私は、おばあさんに騙されていたかとを実感した。おばあさんはこうなることを

分かっていて話を持ちかけたのだ。

そのあとも私はイジメられ続けた。そして私はとうとう死にたいと思った。

(もうたえられない、もうムリ!)

私は、死ぬことを決意した。でもその前にクラスの奴を殺したいと思った。

(私だけ死んでたまるか!)

そして私は、クラスの全員をバラバラにしました。そして私も死にました。


美しい女の人には、バラを。

美しい女の人は、親友が欲しかったのです。

そして美しい女の人は、それがかなわない。では、美しくなりたい、綺麗になりない。と言っている人は、それでも美しくなりたいのでしょうか?

この世界は、そういう世界なのです。

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