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(仮)ゲーム制作日記  作者: 少々
② オープニングなきゲーム
8/24

ゲーム漂流日記 その5

明らかに何かが変わっているが、それが何かはわからない。


『モンスターが現れた!

MHP:60 MSP:12 MPP:12 MOP:3 MEP: 210

ステータス 体力171 スタミナ 484 素早さ2 防御力14 攻撃力13 です』




スタミナを70ほど消費して行動を開始する。

しかし、素早さの差10はやっぱり大きくて、モンスターの攻撃を許してしまった。

まぁ、反射的に防いだから痛くはないけどね。

気を取り直してスタミナを80消費して俺のターン!

  

『勇者の攻撃

モンスターに 908 のダメージ

勇者は勝利した。』



ふう。

またスタミナ70無駄にした。

無駄に疲れた。

一回の戦闘でだいたいスタミナを80消費するとすると、スタミナ満タンから6回くらいの戦闘ごとに敗北する計算になる。

幸いなことに攻撃力と防御力が高いから、ダメージを受けること自体が少ないし、一度でも攻撃があたればオーバーキルになるくらいだ。

でも、素早さが異常に少ないのはかなりつらい。

乱数仕事しろ。

これは公正な結果だって言い返されるだろうけど。

それでも、2はひどすぎるだろう。

スタミナ回復薬をもっと頻繁に出るようにしておけばよかった。

早く『いい靴』や『湿布』、『馬』などの素早さがあがるアイテムもほしい。


『勇者は始まりの地を通過した。

このステージを通過するのにかかった移動距離4000M

このステージでの戦闘回数は 6 回だった。

ここまでの総移動距離は 14700 Mです。』



てれれれってって〜!

脳内イメージBGMはこんな感じ。

まあ、実体(ry 

とにかく、第2ステージクリアだ。

チュートリアルステージを2回もやるとは思わなかった。


『ステージクリアボーナス!

スタミナが32増えた。

体力が48増えた。

攻撃力が1増えた。

防御力が2増えた。』



よし。

素早さが全くあがらなくても、この調子でスタミナが増えれば、いつ魔王が現れても大丈夫になるだろう。

増えろ、増えろ、俺のスタミナ。


『勇者は古びた町中に突入した。』



ステージが変わったからといって特に何かが変わる訳でもなかった。

今までと同じように進んで、薬草を拾う。

この薬草、持っていって後で使うってことができないから、その場で消費するしかないのだ。

まあ、ログの上で処理されるだけなのだから選択肢などないのだけどな。

いつでも体力は満タンだし、特に体に影響を及ぼすことはないのだが、歩くたびに拾うのでとうのむかしに飽き飽きだ。

この薬草の味にもいい加減に嫌気が差してきている。



……味?



どんな味だったかを思い出そうと悶々としていたら、モンスターが出現してきた。

あともうちょっとで思い出しそうな時に出てきやがって。

台無しじゃあないか。


『モンスターが現れた!

MHP:120 MSP:7 MPP:13 MOP:6 MEP: 515

ステータス 体力219 スタミナ 366 素早さ2 防御力16 攻撃力14 です』


八つ当たり気味にスタミナ60消費して攻撃。

ちっぽけなゆがみなぞこれで一発だ。

だが、薬草の味はすっかり忘れてしまった。

まあいいさ。

どうせまたすぐに拾うし。



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



何だろう、この感じ。


葉っぱなのにしょっぱくて、ちょっと苦くて酸っぱいようで、プチプチしてるこの感じ。

えっと、あれ、なんて言う野菜だっけ…?

自分の記憶力の悪さに挑んでいると、ログがずらずらと更新し始めた。


『勇者は古びた町中を通過した。』


え? 

思わず二度見してしまった。

まだそんなに移動していないのにもうステージクリア?

てか、まだ一回しか戦ってないっすよ。

これが乱数の不思議ってやつかな。

とりあえず、3ステージ目クリアだ。

ステージクリアボーナスはどんな感じかなっと……


『ステージクリアボーナス!

スタミナが48増えた。

体力が24増えた。

攻撃力が2増えた。

防御力が1増えた。』


よしよし。

スタミナも攻撃力も順調に増えているな。


『勇者は古びた町中に突入した。』


あれ? 

このステージから出てきたばかりでは……

まあ、そういう仕様だから仕方ない。

ステージ5種類の中からランダムに次のステージが出るようになっているから、5分の1の確率か。

うん、十分あり得る確率だな。

それに、これの制作者は俺だし。

誰にも文句は言えないな。


とりあえず、味はある。

しょっぱくてプチプチする不思議な味だ。

この味覚は薬草限定なのだろうか。

モンスターが出てきたが、とっととスタミナ60消費して終わらせる。

それよりも、この味覚はどこで感じているのだろうか。

ここに来た…というかこの場合、誘拐になるのか?

まあ、正直そこらへんのことは今はどうでもいいが、とりあえず、俺の体はパソコンの前にいるだろう。

実体がない状態なのだから、体は別にあるって考えてもいいよな?

ここ一週間くらい大学の講義とバイトの時間以外はパソコンにかじりついていたし。

今日も日曜日だから朝からずっとプログラムをいじっていたんだよな。

……ここ一週間ののめり込み具合は異常だったな……。

まあとにかく、ここがプログラムの中だとすると、俺の味蕾はどこにあるのだろうか?

今の俺とパソコンの外の俺がリンクしているとすると、この薬草の味はどっから来ているって話になるよな。

……うん、わからん。

そもそも、今の俺はいったいなんなんだ?

パソコンの前に体置いて精神だけトリップ?

それとも、体ごとこっちにやってきた?

その割には無形状態だし。

それに、よくよく考えると俺はこの状態を容易に受け入れすぎている。

取り乱すとか、混乱するとか、普通もっとあるはずだ。

これも、なんかの補正みたいのがかかっているのか?

うーん、考えれば考えるほど、なんてふぁんたじー。


ただ一つ言えることは、この薬草の味。

うん、しょっぺぇ。




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