現実を楽しもうの会
第25章
第一章 現実へ来たテトラ
夜気は冷たかった。
ワールドストーリーから無理やり切断された直後のせいか、主人公には現実の空気が少しだけ薄く感じられた。
街路樹の影。
ビルの窓明かり。
遠くを流れる自動運転車のヘッドライト。
どれも現実のはずなのに、まだ向こう側のノイズが視界の端に残っている気がする。
「っ、は……」
その少し先で、タクトが膝に手をついて息を整えていた。
「なんとか……逃げた……」
額に汗が浮いている。
ただログアウトしただけのはずなのに、実際には逃走のあとだった。
アストラの裂け目。
伸びてきた手。
侵食。
ワールドストーリーの中で起きたことなのに、身体のほうはきっちり現実として受け取ってしまっている。
主人公は短く息を吐く。
「無事か」
「無事じゃない」
タクトは即答した。
「心臓に悪すぎる」
「何なんだよ、あれ……ゲームのログアウトに命がけ感を出すな」
「俺だって好きでやってない」
そう返しかけた、そのときだった。
背後で、小さく空気が鳴った。
ひゅ、と。
何か薄い膜が裏返るみたいな音。
二人が同時に振り向く。
街灯の下。
夜の歩道の真ん中。
そこに、青白い粒子が静かに集まっていた。
最初は光の霧にしか見えなかった。
だが次第に輪郭を持ち、線が結ばれ、色が宿る。
白と青。
金色。
軽装のシルエット。
髪の流れ。
そして、見覚えのありすぎる顔。
「……は?」
タクトの声が裏返る。
主人公も、一瞬だけ言葉を失った。
そこに立っていたのは、テトラだった。
ワールドストーリーの中とほとんど同じ姿。
白と青の軽装。
短いマント。
金色の髪。
けれど今、彼女が立っているのは石畳でも草原でもなく、夜の現実の歩道だった。
何秒か、誰も何も言えなかった。
先に口を開いたのはタクトだった。
「……何でいるの?」
あまりにも率直だった。
テトラはきょとんとした顔をしたあと、少し困ったように笑う。
「来ました」
「見ればわかる!!」
タクトが思わず声を上げる。
「いや、そうじゃなくて! 何で来られるんだよ!?」
「何でゲームの中の存在が、アバターごと現実に立ってるんだよ!?」
その反応はもっともだった。
主人公だって初見なら同じことを言っていた。
テトラは少しだけ視線を逸らし、それから小さく言った。
「超越因子です」
「超越因子で済ませるな!」
タクトのツッコミが鋭い。今日は特に切れている。
主人公は額を押さえた。
「……説明する」
「落ち着け、タクト」
「落ち着けるか!」
「今、常識が歩道の上で粉砕されたんだけど!?」
それもそうだった。
主人公は短く息を吸ってから言う。
「テトラは普通のNPCじゃない」
「ワールドストーリーの中だけに閉じてる存在でもない」
「超越因子のせいで、接続層をまたげる」
「ワールドストーリーの魔法が現実で使える延長線上で、テトラ自身も現実に干渉できる」
タクトは数秒、固まった顔で主人公を見ていた。
「……それ」
「説明になってるようで、全然なってないぞ」
「わかってる」
「でも、たぶん本当なんだろうな……」
タクトは頭を抱える。
「くそ、認めたくないのに、今ここに立ってる時点で認めるしかない……」
テトラは少し申し訳なさそうに言った。
「びっくりさせるつもりはなかったんです」
「びっくりしかしないだろ」
タクトが即答する。
「お前、現実だぞ、ここ」
「はい」
「でも、たぶん少しだけなら馴染めます」
「馴染むな、そんな簡単に……」
主人公はそこで、ふっと少しだけ肩の力が抜けるのを感じた。
アストラの侵食。
裂け目。
プライマーチシステム。
重すぎる話の直後なのに、タクトの反応があまりにも人間的で、逆に現実へ戻ってきた感じがした。
「とにかく」
主人公は言う。
「ここじゃまずい。場所を変えよう」
「普通のカフェでいいよな」とタクトが言う。
主人公は少し考えたあと、なぜか別の方向へ歩き出した。
「いや、こっちだ」
「は?」
「え?」
タクトとテトラがついてくる。
数分後。
三人の前に現れたのは、丸いドーム看板とネオンで飾られた、妙にきらきらした店だった。
入口の上には、銀河を模したリング照明。
ガラス越しに見える内装は、星図みたいな光の線と、紫紺の間接照明で満たされている。
看板には大きくこう書いてあった。
Cosmo♡Orbit Cafe
宇宙系コンセプトカフェ
タクトが無言で主人公を見る。
主人公は目を逸らした。
「……ここにする」
「なんでコンカフェなんだよ!?」
即ツッコミだった。
しかも今日は全部キレがいい。
「流石にふつうのカフェでいいだろ!」
「いや、こういう店のほうが」
主人公は微妙に言葉を選ぶ。
「変な格好してても浮かない」
タクトが一拍止まる。
それから、ものすごく嫌そうな顔でテトラを見る。
白と青の軽装。
金髪。
ファンタジー寄りの服装。
現実の夜道に立つと異様だが、宇宙コンカフェの前だとぎりぎり「そういうコンセプトの人」で通りそうではある。
「……くそ」
タクトは認めたくなさそうに言う。
「理屈としては、ちょっとだけ分かるのが腹立つ」
「だろ」
「でもコンカフェじゃなくていいだろ!」
「じゃあお前、いま普通のカフェにこの格好のテトラ連れて入れるか?」
タクトは黙った。
テトラは少しだけ遠慮がちに主人公を見た。
「料金、高そうですけど……」
「俺が出す」
「いやいやいや」とタクト。
「さらっと言うけど、こういう店、たぶん普通に高いぞ」
主人公は肩をすくめた。
「大丈夫だ」
「金はある」
「一景ユニットの話か?」
その一言に、主人公の顔が少しだけ引き締まる。
「……ああ」
タクトは少し真面目な顔になる。
主人公は店のネオンを見上げたまま言う。
「ほとんどは動かしてない」
「秘匿性の高いメガバンクに預けたままだ」
「使わないのか」
「使うほうが怖い」
主人公は本音のまま答えた。
「額が額だし、まだ自分のものって感覚がない」
「父さんのプレゼントって言われても、正直まだ整理ついてない」
タクトは静かに聞いていた。
主人公は続ける。
「そもそも俺、最小限しか持たない主義だし」
「日常はユニバーサルハイインカムで足りてる」
「国家級遺産持ちのミニマリストって、字面が妙に腹立つな……」
「俺もそう思う」
テトラがそこで、小さく首を傾げた。
「じゃあ、何に使うんですか?」
主人公は少しだけ黙る。
「……考えてる最中」
「まだ、使い道を選べる段階じゃない」
それは本当だった。
一景ユニット。
父からのプレゼント。
莫大すぎる遺産。
使えば何かが決まってしまう気がして、まだ触れないでいる。
タクトはしばらく主人公を見ていたが、やがて小さく息を吐いた。
「まあ、今はそれでいいか」
そうして三人は、宇宙コンカフェの自動ドアをくぐった。
中は、外から見た以上に非現実だった。
天井一面に、ゆるやかに回転する星図。
壁際には、惑星を模した球形ライト。
床には薄い銀河模様が流れ、座席は半球型のコクーンシートになっている。
店員たちは宇宙士官風やアンドロイド風の衣装をまとい、テーブルを回るたびに小さな流星みたいな照明がふわりと尾を引く。
テトラは、店へ入った瞬間に目を丸くした。
「……すごい」
それは純粋な感嘆だった。
ワールドストーリーの住人なのに、現実の作り物にちゃんと驚いている。そのこと自体が少し不思議だった。
タクトは逆に、明らかに居心地が悪そうだった。
「僕、こういうの柄じゃないんだけど……」
その瞬間、近くに来たキャストがにこやかに言った。
「ようこそ、軌道ラウンジへ☆」
「わあ、みなさんビジュ強いですね!」
「特にそちらのクール系お兄さん、絶対こういうの似合わないって顔してるのに入ってきてくれたの、逆にポイント高いです〜」
タクトが固まる。
「……え、僕?」
「はい♡」
「その“僕は場違いです”って顔、すごくいいです」
主人公は思わず吹きそうになるのをこらえた。
テトラは完全に面白がっている顔をしている。
「タクト、人気出そうですね」
「やめろ」
「かわかっこいい系です」とキャストが追撃する。
「今夜の重力、ぜんぶ持っていってます」
「意味がわからない……」
「でも褒めてます♡」
タクトは本気で困った顔をした。
その様子が、普段の冷静さを知っている主人公からすると妙に新鮮で、少しだけ可笑しかった。
三人は奥のコクーン席へ案内される。
現実なのに、少しだけ現実感が薄い。
宇宙コンカフェという妙な場所。
ワールドストーリーから現実へ来たテトラ。
常識を失いかけているタクト。
父の手紙を抱えた主人公。
全部がおかしい。
なのに、その“おかしさ”が今はちょうどよかった。
ここなら、少しだけ話せる。
アストラのことも。
手紙のことも。
父のことも。
主人公はコクーン席へ腰を下ろし、ようやく小さく息を吐いた。
戦いの続きは、ここからだった。
第25章
第二章 現実を楽しもうの会
コクーン席に座った瞬間、タクトはもう一度だけ周囲を見回して、小さくため息をついた。
「……やっぱり場違いだ」
「まだ言ってる」と主人公。
「だってそうだろ」
タクトは半球型の席に少し居心地悪そうに身体を預けながら言う。
「天井で星座が回ってるし、壁が銀河だし、店員さん全員きらきらしてるし、飲み物の名前が“超新星ソーダ”とかなんだぞ」
「素敵じゃないですか」
テトラは本気で感心していた。
コクーン席の内側に流れる淡い光を指でなぞるように見て、天井の星図を見上げ、壁際を漂う小さな惑星ライトにまでいちいち反応している。
「現実って、こういうお店もあるんですね」
「あるにはあるけど」
主人公は少し肩をすくめる。
「たぶん、毎日来る場所じゃない」
「よかった」とタクト。
「お前の常連店とか言われたら帰るところだった」
そのタイミングで、さっき案内してくれたキャストが注文端末を持ってやってきた。
銀と紺を基調にした宇宙士官風の衣装。ほどよくかわいくて、ほどよくかっこいい。まさにこの店の空気そのものみたいな人だった。
「本日はご来店ありがとうございます♡」
「今夜は“現実を楽しもうの会”って感じでよろしいですか?」
主人公は少しだけ吹きそうになった。
「……だいたい合ってる」
「よかったです〜」
キャストはにこっと笑う。
「みなさん、ちょっとおつかれっぽいので、まずは楽しいモードに切り替えていきましょ」
タクトが小声で主人公に言う。
「何で一瞬で見抜かれてるんだ」
「接客のプロだからだろ」
「怖いな……」
キャストは端末を軽く振った。
「おすすめ、軽めのものからいきます?」
「それとも、宇宙気分で一気にテンション上げる系いきます?」
主人公が答える前に、テトラが少し身を乗り出した。
「宇宙気分、気になります」
「いいですね♡」
キャストは嬉しそうに頷く。
「では、初来店記念で“星巡りセット”とかどうでしょう」
「ドリンク三種と、ミニデザートプレート、それとちょっとしたお楽しみつきです」
「お楽しみって何だよ」とタクト。
「来てからのお楽しみです♡」
「そういうやつ、一番怖いんだよな……」
結局、主人公がまとめて注文した。
もちろん支払いは自分持ちだ。
「ほんとにお前が全部出すのか」とタクト。
「言っただろ」
「まあ、ここは払ってもらうけど」
タクトは少しだけ苦笑する。
「変なところで金払いだけはいいよな」
主人公は肩をすくめた。
「こういうのは細かく割るほうが面倒だし」
「今日は俺が誘った側だからな」
「シンプルで助かります」とテトラ。
「現実のお店って、会計の文化も少し違うんですね」
「そこも初体験なのか」とタクト。
「はい」
テトラは素直にうなずく。
「現実の娯楽を体験するの、まだ全部が新鮮です」
その言い方が妙にまっすぐで、主人公は少しだけ笑った。
ちょうどいいタイミングでキャストが戻ってきた。
運ばれてきたのは、いかにも宇宙コンカフェらしいセットだった。
深い青から紫へグラデーションしたドリンク。
星形の小さなゼリーが浮かんだソーダ。
銀河を模したプレートに乗ったミニスイーツ。
見た目が完全に“現実の延長”ではなく、“現実が遊び始めた姿”をしている。
「お待たせしました〜♡」
「では、今夜は細かいことをいったん忘れて、現実を楽しもうの会、スタートです」
「タイトル確定したな」と主人公。
「いい会ですね」とテトラは本気で言った。
「いや、名前はちょっと雑だろ」とタクト。
それでも、三人はとりあえずグラスを手に取った。
軽く合わせる。
ちん、と控えめな音が鳴る。
不思議と、それだけで少し空気が変わった。
⸻
最初にキャストが興味を示したのは、意外にもタクトのほうだった。
「そういえば、さっき“医者の卵”っぽい感じのワードが聞こえた気がしたんですけど」
「目指してるんですか?」
タクトは少し姿勢を正した。
「……一応、医学部志望です」
「え、すご」
キャストは素直に目を丸くした。
「大変じゃないですか?」
「まあ、かなり」
「ですよねぇ」
キャストはしみじみ頷く。
「勉強量えぐそうですもん」
「生物も化学も、あと普通に頭も使うし……」
タクトは少しだけ苦笑した。
「まだ受かってもいないけど」
「でも志してる時点ですごいです♡」
「命を扱う方向に行こうとしてる人、普通に尊敬します」
その言葉に、タクトは少し照れたように視線を逸らした。
主人公はそれを見て、ちょっと面白かった。
ダンジョンの中ではわりと冷静なタクトが、現実のこういう真っ直ぐな褒め言葉には少し弱い。
「こっちは?」
キャストが主人公を見る。
「ゲーム強そうな雰囲気ありますよね」
主人公は肩をすくめる。
「まあ、ゲーマーではある」
「やっぱり!」
キャストが笑う。
「私もゲームよくやるんですよ〜」
「何のゲームですか?」と主人公が聞く。
返ってきた答えは、あまりにも自然だった。
「ワールドストーリーです」
主人公とタクトが、一瞬だけ顔を見合わせる。
やっぱりか。
キャストは気づかずに続ける。
「今いちばん熱いですし、やってない人探すほうが逆に難しくないですか?」
「うちのキャストも、たぶん半分以上やってます」
「半分以上で済むんだ」と主人公。
「たしかに」
キャストは笑う。
「ほんとはもっと多いと思います」
「ログボだけ勢もいますけど、普通に一億人超えてますし」
テトラが、少しだけ得意げにうなずいた。
「やっぱり人気なんですね」
「めちゃくちゃ人気ですよ〜」
キャストは言う。
「世界観も深いし、景色も綺麗だし、ダンジョンも多いし」
「どのダンジョンが好きとかあります?」
主人公は一瞬だけ考える。
「……最近だと、蒼月玻璃洞ラピス=クレイド」
「あと、断章回廊ネメシア・リンクも嫌いじゃない」
「景色だけなら、逆星樹海オルフェノアも好きだな」
キャストの目が輝く。
「えっ、わかります!」
「ラピス=クレイド、青の反射めっちゃ綺麗ですよね」
「あとネメシア・リンク、敵はいやらしいのに雰囲気よすぎて悔しいやつ!」
「そう、それ」
主人公も少し笑う。
「妙に嫌な構造してるのに、景観がいい」
「オルフェノアも分かる〜」
「逆さ樹の見え方、あれ初見でちょっと感動しませんでした?」
「した」
そう答えた主人公の顔は、たぶん少しだけ自然だった。
さっきまでのアストラや侵食のことを、一瞬だけ忘れていたからだ。
タクトはその会話を横で聞いていて、少し呆れたように言う。
「現実を楽しもうの会だったのに、結局ワールドストーリーの話になるんだな」
「だって人気ですし♡」
キャストは悪びれずに言う。
「もう生活文化みたいなものですよ」
それは冗談ではなかった。
実際、ワールドストーリーはそのくらい浸透している。
やっていない人を探すほうが、たしかに難しい。
しかもそれが、ただの流行ではなく、半ば世界の共通言語みたいになっている。
テトラは、その会話をどこか不思議そうに聞いていた。
「現実の人たちが、自分の世界をそんなふうに話してるの、変な感じです」
「そうだろうな」と主人公。
「でも、少し嬉しいです」
テトラは素直に言った。
「愛されてるんですね。ワールドストーリー」
その一言に、主人公もタクトも少しだけ黙った。
愛されている。
たしかに、それは本当だ。
だからこそ、あの侵食は怖い。
あの世界がただの舞台装置じゃなく、みんなの熱の集まる場所になっているからこそ。
けれど、今はそこへ戻りすぎないほうがよかった。
キャストは空気の変化を察したのか、すっと明るい方向へ戻してくれた。
「じゃあ今夜は、難しい話禁止で!」
「せっかくなんで、宇宙くじ引きます?」
「何だそれ」とタクト。
「星座ごとに今日の運勢と、ちっちゃいおまけが出ます♡」
「こういうの、絶対断れない流れになってるだろ」
「気づいちゃいました?」
タクトがまた困った顔をして、主人公は少し笑って、テトラはわくわくした目で見ている。
そうして三人は、宇宙コンカフェの“お楽しみ会”を、思ったよりちゃんと楽しんだ。
タクトは「柄じゃない」と最後まで言いながら、結局いちばん真面目にくじの説明を読んでいた。
主人公は主人公で、キャストとゲームの話をしているうちに、少しだけ現実の温度へ戻っていた。
テトラは何もかも初めてで、飲み物も内装も、現実の“遊び”そのものに目を輝かせていた。
その夜だけは。
アストラも。
裂け目も。
プライマーチシステムも。
父の記憶文章も。
ほんの少しだけ、席を外していた。
店を出るころには、街の空気はもう深夜寄りに傾いていた。
ネオンは少し静かになり、人の流れも昼間ほどではない。
「……意外と悪くなかった」とタクトが言う。
「意外とって何ですか」とテトラ。
「いや、もっと地獄かと思ってた」
「失礼ですね」
主人公は小さく笑う。
「でも、少しは息抜きになっただろ」
タクトは素直にうなずいた。
「まあな」
テトラも、夜空を見上げながら言う。
「現実を楽しもうの会、成功ですね」
「名前はやっぱり雑だけどな」と主人公。
それでも、その夜は確かに悪くなかった。
世界はまだ危うい。
手紙もまだ開いていない。
アストラも止まっていない。
けれど、だからこそ。
こんなふうに一度だけ、現実を楽しめたことには意味があった。
その小さな休息を胸に抱えたまま、三人はそれぞれの次へ向かうために、夜の街を歩き出した。




