第2話 RPGかよ・・・
「いやはや、これからおじさん、どうしようかねぇ。」
ゴブリン達の亡骸を見回しながら呟くと、
「そもそも俺、日本に戻れるのか?」
来た道を振り返ると、今まで歩いてきた登山道すらない。
「・・・こりゃあ、駄目そうだな。少なくとも今すぐ戻ると言うのは出来そうにないねぇ。」
水瀬は肩を竦めながら呟いた。自分の事ながら随分と地球しいては日本に対して執着がないなと思ったが、別段、妻子がいたわけでも無ければ、恋人の類がいたわけでも無い。両親については水瀬にとっては幼少の頃、虐待をした挙句に育児放棄をするようなクズ親だったので、愛も情もなく、縁を切った後は一度も交流を持った事はない。今、生きているのかすら知らないし、知りたいとも思っていない。
一応、仕事上の付き合いで顔見知りは何人かいるが、友人かと問われると間違いなく否と否定するだろう。
結局のところ、水煮純一には日本に未練となるようなモノがないと言う事なのだろう。その事に改めて気づき、
「ひひ、我ながら寂しい人間関係だな。まぁそれは今はいい。しかし、これからどうするか、そもそも、ゲームや漫画だとこういう場合、アイテムボックスや魔法やスキルなんかを手に入れている展開が多いんだけれどもねぇ。」
何気にアイテムボックスと念じてみると、次の瞬間、脳裏に表のらしきモノが浮かび、そこには何も記載されていなかった。
「おいおい、マジでアイテムボックスが使えるってか、RPGみたいだな。と言う事はこの化け物共の死体も収納しようと思えば収納できるのか・・・?」
ゴブリン達の亡骸を見ながら、収納と念じたが、亡骸が消える事はなかった。それから回収や入れと念じたが、どれも駄目だった。
「ちっ、念じるだけじゃ駄目ってか。じゃあ、手に取って念じたら消えるって事か?」
今度は亡骸を手にして収納と念じると、次の瞬間、亡骸が消えてなくなり、脳裏に浮かんでいる、表のらしきモノの一番上に、ゴブリンの死体×4と表示されその下に切れ味の悪い剣×2、木の棍棒×2と順に表示されている。
「どうやら、手に取った物が収納されるみたいだな。それとやっぱりこの化け物共はゴブリンだったか。そしてゴブリンの死体が持っていた武器も収納されると勝手に分けてくれるって訳か。便利ちゃ便利だな。」
そして次に表のゴブリンの亡骸を見ながら、1つ出す様に念じると水瀬の目の前に、ゴブリンの亡骸が1つ現れた。
「ひひ、これはこれは便利な事で、さて、アイテムボックス以外に使えるモノはあるかねぇ。」
再びゴブリンの亡骸を回収した後、手から火や風、回復魔法や補助魔法などを出してみようと試みたが、何1つ出る事はなかった。
「ふ~む、どうやら、俺が今のところ使えるのはこのアイテムボックスだけか・・・。まぁ、何もないよりは、これで良しとするか。」
水瀬は今の自分の状態を取り合えず把握し終えると、この場にこれ以上居ても仕方が無いので、先に進む事にした。
しかし、暫く歩いたところでまたもや3匹のゴブリンに遭遇し、
「ま~た、ゴブリンか。まぁ、向こうは殺る気満々だから、おじさんも殺るしかないねぇ。」
またもや襲って来たゴブリンの瞬殺したところで、急に水瀬の身体の中に力が溢れる感覚が広がり、何事かと身構えたところで、頭に水瀬純一 レベル2と言葉が浮かぶと同時に、自分のステータスと思われるデータが表示され、パラメーターのほとんどが5以上向上している。
「おいおい、レベルアップってか?マジでRPGの世界かよ。と言うか、ステータスなんて見る事が出来たのかよ!」
一人で突っ込んでいると、水瀬のステータスデータの表示が消えたので、もう一度、表示と念じてみると、再びステータスデータが表示された。
「ふむ、今、俺が出来るのはアイテムボックスと、このステータスの表示だけか・・・まぁ、それが分かっただけでも良しとするか。」
水瀬は今度こそ、今の自分の状態を把握する事が出来、始末したゴブリンの死体を収納してから、先へ進むため、再び歩を進めた。
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