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知識は王を支える影とならん

「は?開けない?」


「そっ次のページをめくろうとしてもビクともしないんだってさ〜検証でSTR極振りのプレイヤーに開けさせようとしても無理だったり宝箱とかの鍵開けが得意なシーフとかがやっても(ひら)けない、というか()かないって言った方がいいかな?」


「なるほどな、だからさっき次に行けないって言ってたのか」


「そっだからさっきも言ったけど“言われてる”っ言うのは存在自体が怪しいからこれも考察なんだよね〜だからほんとにいるんだったら更に加速すると思う」


「なるほど、そういうことだったのか。そういやさ話変わるんだけどさこのゲームって色んなモードあるだろ?」


「ん?あるけど、それが?」


「ん?いや、だってさセレスティアルって1番難しいんだろ?レコードホルダーの情報って他の方が集めやすいんじゃねーの?攻略とかもそっちが進んでそうだしさ」


「あれ?言ってなかったっけ?レコードホルダーは()()()()()()()()()()()()()いないよ?」


「.......なるほど、だから調査も進まねーのか。」


「そっ、場所も座標も同じとこに全モードのプレイヤー達はたどり着けたけど台座に置かれてる本なんてものはなかった。証明するために最前線にいる配信者達が生配信しながら行って確認したから信憑性は高いはず。」


「そりゃ信憑性高いわな、まーでもいいんじゃね?もし本当に最強のモンスターが居るってんならセレスティアル以外に置けねーだろ。簡単なモードでやれば勝てるボスなんている意味がねーし」


「そういう意見が大多数の中不公平とかで嘆いてる人もいるけどね....」


「そりゃ多少のガヤには目を瞑んなきゃいけないわな」


「とまぁ、簡単なのはこんなもんかな?他は調べるなり聞くなりして頑張って〜」


「こうしちゃいられねー!早速レベル上げじゃー!ご馳走様!いつもいつもありがとう!」


「んっ、はいはい、お粗末さまです....」


頬がポッと赤くなり少し照れくさそうに返事を返す。視線はそっぽを向き顔に出そうになるこの嬉しい気持ちを抑え込む。そんなことは知らずに階段を駆け上がるように登っていき自部屋に入り速攻でVRチェアに座った。


「庵の手料理でブーストのかかった俺は何倍も手強いからよ!覚悟しやがれ犬っころ!!!」


******

「そっか〜お兄ちゃんもやっと始めてくれたんだ〜、」


庵は食べ終わった食器を片付けながらそんなことをふける。実の兄であり自分を育ててくれた大切な兄、そしてVRゲーム界の圧倒的トッププレイヤーの兄の役に立ちたくて東奔西走する現役高校生。彼女には料理の他にもう1つの趣味、そして仕事があった、


「よし、んじゃ私も始めますかね。」


食器の片付けをやり終え庵も階段を上り自室に入った。


「今日もひと仕事始めますか〜」


庵はVRヘッドギアを装着しベットに仰向けで寝っ転がりインフィコードオンラインの世界に入った。



()()起きてるかな、まっあの人の事だし起きてるか。」


目が覚めた先に映るは豪勢な自室。中世の雰囲気が全面的に表れた部屋のベットからゆっくりと起き扉を開け部屋の外に出た。部屋を出た先には青色のカーペットが奥の奥まで引かれており照明には小さなシャンデリアまで施された豪奢な廊下。だがそこには知性の趣が感じられる。


「お兄ちゃんが本格的に始めれば世界は大きく動く、それは確実。だから私が支えてあげるんだ、その為にいっぱいいっぱい頑張って強くなったんだから」

長い廊下を歩いた先には少し大きな両開きの扉があった。その扉を開くとそこには大きな長机を囲むように座るプレイヤー達が居た。


()()()起床しました〜」


「おはよういつも通りの時間で安心したよ」


「おはようございま〜す団長」


庵が団長と呼ぶ女性は読んでいた本を閉じ机の傍らに置き庵に声をかけた


「今日はテンションが高いねとても珍しいことだ。」


「お、わかっちゃいますか〜?」


自分の頭を片手で撫でながら少し照れくさそうに、最高にニヤニヤしながらそんなことを言う。


「理由は教えてくれるのかい?」


「フッフッフ〜それはまだお楽しみです!」


「そうかそういうのであれば楽しみに取っておこう」


()()()も来たことですし始めましょう。」


庵は団長に1番近い位置である上座に座った。


「そうだねそれじゃ始めようか。私たち“伝令神(ヘルメス)”の定例会議(情報交換)を。」


一色 庵プレイヤーネーム【ベータ】諜報・考察・解析・暗躍。この世界(ゲーム)屈指の知識を持つクラン伝令神(ヘルメス)の副団長であった。そして庵は1つ嘘をついていた。司に対してノーマルモードでプレイしていると言っていたが実際は現セレスティアルモードのトッププレイヤーである。


「それじゃ最後にベータ君。君の報告を聞かせてもらおうか」


「お、もうそんなに進んでましたか?」


「聞いてなかったのかよ。副団長しっかりしてくださいよ」


「あはは〜ごめんごめん。でもまぁ、これよりでかい情報寄越せって言われたら誰も出せないの持ってきたよ?」


「それこそが君のテンションが高い理由かい?」


「あ、話す前に。これは私からのお願いなんだけど、今から話すことはここに居る幹部連中だけの機密情報でお願いします」


「そうか。わかった約束しよう。」


情報を扱うクランの団長。そして幹部たちの口から出る()()という単語は他の誰よりも強力な誓いとして認識される。それをベータも無論知っている。からこそ隠すことなく話を進められる。


「その言葉が聞けただけで十分です!」


ベータは自信満々にそして嬉しさが滲み、そして世界が動くことを示唆する情報を促した。


「遂にお兄ちゃんがこの世界に来ました」


ベータのことを知る人達が驚愕する事実。驚愕の事実にガタッと椅子を鳴らす者、目を見開く者もいれば机に手を付き立ち上がる者、はたまた何も知らない者、様々であった。


「え、ベータさんのお兄さんって、誰ですか?」


「私も気になります」


「そっか、お前達は幹部になって日も浅いのか」


新人の幹部2人に話しかけるは大きな体の大盾使いであった。


「ベータ副団長のお兄さん、もとい()()()()()はVRゲーム界の頂点だよ」


「.....え、ガンマって、PokerGanmaですか?」


「がち?」


そんなことを話しもりあがる新人の幹部連中。ただ、少しも動じなかった....いや。誰よりもテンションが上がっていたが気持ちを押し殺していたプレイヤーが一人。


「そうか、そうかそうか。それはそれは......実に興味深いじゃないか。」


団長 プレイヤーネーム【シグマ・レイブン】彼女もまた、知識を求め最前線をかけるトッププレイヤー、そしてガンマと“同種の武器”“同じポジション”のNWOのプロゲーマーである。


「これにて定例会議は終了する。皆ご苦労であった。」


皆一斉に椅子から立ち上がり部屋を後にした。2人を残して。


「団長もテンション上がってんじゃ〜ん」


窓枠に手をかけ空を見上げるシグマの後ろから声をかけるベータ。


「ハッハッハ当たり前だろう。急遽休止したトッププレイヤー、どこに行っただの勝ち逃げだの散々言われているVR界の皇帝、私は彼に....どれだけ叩き潰されたと思っているんだ?」


「....それは、恨み?」


「.....いいや、憧れだな」


窓の外を眺めながら思い出にふける。


「私はあいつに...お前の兄に轢き殺さる側だ。数多のプレイヤーがPokerから逃げポジションを変えた、でも私は逃げなかった。何故かわかるかい?」


「それが憧れだって言うの?」


「そうさ、逃げたヤツらは何もわかってはいない。どれだけ倒されようとも、一太刀も入らないとしても、はるか遠くにいようともその光は偉大であり全ての基礎である。私は自分のポジションに誇りを持っている。君の兄と同じというだけでな?」


「そっか、直接いいなよきっと喜ぶと思うよ」


「どうだろうな。少なくとも、彼は私のことなど覚えてなどいないだろう」


「あー、どうだろうね」


『お兄ちゃんって苦戦する相手いるの?いつもボコボコにしてるイメージしかないんだけど』


『ん?そうだな〜にぃつと、ペンタゴンは苦労するかな?』


『やっぱ弓使いのトッププレイヤーって強いの?』


『近づくだけで死にかけるからな〜、一生戦いたくない!.....あー1人居んな』


『え?誰?!』


『シグマ・レイブン』


『へ、へぇ〜強いの?』


『強いよ〜?案外俺は彼女と戦うのを楽しみにしてるんだよ。彼女の知識と技術には目を見張る物があるからね〜。ログで見返して勉強してる』


『また会えるといいね』


『そうだな』


「ふふ、」


「ん?どうした」


「ん〜?いーや?やっぱり喜ぶと思うな〜って」


「会う機会があれば、友達になりたいと願っているよ」


シグマはバサッとヘルメスのエンブレムが入ったマントをなびかせながら振り向き会議室を後にした。会議室に一人庵は残り机に伏せだらけ始めた。


「早くここまでこないかな〜、」


一人そんなことを呟く庵、会議室の扉を背に独り言を盗み聞くシグマ。


「たく、気配の探知がなってないな」


今まで以上にこの世界の謎を解き明かそうと決心したシグマであった。


*****


「すっかり金も溜まってきたな、素材売ってたらこんな溜まるもんなんだな。岩山に行って鉱石採掘とかもして武器も作った、そろそろスキルブックでも買いまくるか!!」


あの時とは違う、モンスターを狩りレベルも上げゴールドも溜まってきた。遂にただのぶん殴り脳筋聖職者ではなく、多少の知恵(スキル)を身につけた聖職者になれる。


「今日は金もある!スキルブックを買わせてもらおうか!!」


そんな気持ちを胸にスキル店に足を運んだ。


「さてさて、まずはあいつを買わなきゃな、お?あったあった」


【クリティカルスタン】


「この前は買えなかったからな、しっかりと購入させて頂こう。金にも余裕あるし、他のも買うとしよう」


色んな棚を眺め自分に合ったスキルブックをかき集めた。


「お金も計算したけど全然足りるな!苦労したかいがあったぜ!エリートウルフの素材は武具にするには全く金が足りなかったし、相当後回しになるからな」


選んだ物をカウンターに持っていき今度こそゴールドを払いスキルブックを購入した。


「遂に買ったぞ!新たなスキル!初期スキルはほぼ使わなかったからな!いいスキルが買えてよかった、」


自分の買ったスキルをもう一度読みながら街の中心のベンチに座った。


「んじゃ、切り替えてレベル上げすっか」

【クリティカルスタン】

敵にスタン効果のある攻撃をした時その効果にクリティカル補正が付与される。ただし効果中クリティカルによるダメージ補正がかからなく

なる。持続時間15秒


【ジャストプロテクト】(パッシブスキル)

盾に備わっている機能[パリィ]を武器でも行えるようになる。パリィのタイミングが正確であれば[ジャストパリィ]となり攻撃を無効化することができる。

(このゲーム界屈指の必須スキル。常時発動しているパッシブスキルである。)


【ヘイスト】

一時的に移動速度をアップさせる。


【ホークアイ】

視界が広がり目に対して強化がかかる。


【ガードブレイク】

防御力の一部を無視して攻撃を加えることが出来るが、耐久値が少し消費される。持続時間10秒





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