狼よ獲物を見誤り噛み付く先は獅子であった其の終
色々試行錯誤中
「ふぅー、」
大きく息を吐くは目の前に...いや、目の前に“居たはずの獲物”今や遥か頂上に君臨する捕食者。捕食者の目には薄っすらと光が差し込みその純黒の瞳を照らす。吠えることも許されない....ただ、ただただ純粋な頂点捕食者との決闘。両者動かない。同胞達がキラキラと消え続けその光が収まったのと同時に駆ける両者。
「ファイナルラウンドだろ?!お前の全部を見せろや!」
吠えながら突撃するエリートウルフ。捕食者としてのプライドを思い出し目の前の“獲物”に躊躇なく襲いかかる。
「フッ、ホッ!あまいあまい!!」
小盾とメイスでエリートウルフの攻撃を弾き噛み付き攻撃を紙一重で躱す。そこにシールドバッシュ+メイスの振り下ろしが直撃する...がステータスの差により致命打にはなり得ない。
「ダメージが通りづらいからって関係ねーんだよ!1ダメでも通ってんならそれは列記としたゲームなんだよ!」
テンションが頂点に到達しパフォーマンスが更に向上する。最早エリートウルフの攻撃を防御すらせず紙一重で避け続け反撃をし続ける。
「こっちは久々に!最高に!上がってんだよ|!」
久しく忘れていた命のやり取り、ガンマの気持ちは更に昂り技の制度が数段向上する。エリートウルフも負けじと今までに無い攻撃パターンを増やし始め複雑な連携を絡ませてくる。
「ハハッ!やっぱりこうじゃなきゃ!!狩りってのは一方的じゃなんにも面白くねぇーよな!」
純黒の瞳と頬には高揚が映し出される。エリートウルフも吠えながらガンマに強襲し続けるた。するとエリートウルフの右フックがガンマの横っ腹に突き刺さった。
「っ!いいねいいねぇ!まだまだこれからだろうが!」
寸前のところで身を縮ませ盾で防いだ。
「そっちがその気だったらなぁ、こっちだってあんだよ!うぉら!」
次はガンマがやり返した。エリートウルフの左フックをサイドフリップで躱しそのまま左足を踏みつけエリートウルフの顎に強力な一撃を叩き込んだ。
「ここだ!!」
【インパクト】
(初期スキルとして登録されている打撃系スキル。通常攻撃よりも攻撃力が高いだけの打撃)
「はっは!!初めてスキルを使ったが、なかなかいいもんだな!」
インパクトにもクリティカルが発生し更に強烈なのが顎に刺さりエリートウルフがよろめいた。
「クリティカルスタンなるスキルを取ってなくてもこのスタン性能!夢ってのは広がるもんだな!もう一発行ってやるぜ!!」
スタン中のエリートウルフの顔面に対してメイスによるフルスイングを喰らわす。エリートウルフも負けじと踏ん張り強烈な一撃を叩き込んだところで1度大きく離れ息を整える。
「なかなかにかてーな、打撃武器じゃなかったら詰んでたかもな」
『んで、なんか見られてんな。殺意とかそういうのがないのは感じるんだけど、誰だ?まさか漁夫とか?』
そんなこともお構い無しにエリートウルフが全体重を乗せ飛びかかってきた。
「っと!これもまたなかなか、痺れる一撃だねぇ、ただまぁ、」
ガンマはメイスの先端をエリートウルフに刺しつつも自分の考察を語る。
「てめぇーリーダータイプだな?統率を取ってた時の方が明らかに肝が据わってた。余裕が見えなくなったのは仲間が減るとステータスも下がるとかそんなんだろ?初めにお前を叩くんじゃなくて取り巻きをやっといてよかったぜ」
エリートウルフはグルルと喉を鳴らしながらガンマに威圧を続ける。
「まっ、分かったところで何かが変わるってわけでもねーけどな!」
次はガンマから攻撃を仕掛け始めた。エリートウルフの攻撃を捌きつつ攻撃を加え続ける
....するとエリートウルフが大きく飛び上がりガンマに向かってダイブしてきた。
「うぉ!急に捨て身の攻撃か、こいつはなかなか....チッこっちが目的かよ。」
大きく土煙が上がりガンマの視界を塞ぐ。足音は聞こえてくるため大体の方角は分かる、ただ、一撃でもまともに喰らえば一溜りも無いため正確な方向が分からなければ心許ない。
「受けて立ってやるよ、エリートウルフ!」
盾とメイスをしっかりと構えエリートウルフを待ち構える。まともに攻撃も喰らえない状況、それをわかっていながら真正面から受けるつもりのガンマ。
ドタドタと駆ける音が聴こえる.....エリートウルフはガンマの真右から大きな口を開きながら飛びかかってきた。ひと噛みでこの勝負を終わらせるつもりだったのだろう...がそれを多少のダメージはありつつも見事に防ぎカウンターを浴びせた。それと同時にエリートウルフの攻撃に耐え続けた小盾は完全に壊れてしまった。
「かなりもった方だろ、こっからはメイス1本でケリつけてやるよ!」
エリートウルフに向かって飛びかかるが小盾がない分先程よりも引き気味、になる訳ではなくさらに前へ詰め始めた。
「そこら辺のプレイヤーと一緒だと思われちゃ困るんだわ!俺は俺の楽しいが最優先なんだよ!!」
体をひねらせエリートウルフの強烈なお手などを避けエリートウルフの懐に潜り込んだ。
「ここだってかなりいい位置なんだよなー?!インパクト!!!」
懐に潜り込み両手でメイスを握り脇腹に渾身の振り上げ攻撃を加えた。
スタン
「もう終いにしようぜ!!この長い長い!プライドファイトをよ!!!」
スタン直後、エリートウルフの顔側に回り込み、エリートウルフの脳天に必中の一撃を叩き込んだ。
その一撃の後、メイスは粉々に砕け散った。それと同時にエリートウルフは粒子状になり戦いは終わりを迎えた。
「.......だはぁ〜!疲れたぁぁ」
粒子状のエフェクトが消えたのを確認し緊張が解け体の疲れがどっと湧き出たのだろう。その場に崩れるよう座り込んだ。
「かなり久々に呼んだから疲れた〜、っとまぁー、ひとまずドロップの回収と確認だな!経験値もたんまり貰ったし!........ん?て言うか、」
“ステータス振れば良かったんじゃね?”
「ぬわぁぁぁぁぁ!!!」
自分の頭の悪さに頭を抱えつつもアイテムを回収するガンマであった。
その光景を遠くからコソコソと眺めるプレイヤーが2人。
「はぁー、すげー。」
「てらちゃん、さっきっから口が閉じてないよ?」
岩山の上からテルテラは双眼鏡を使いペンタゴンは目視でガンマの戦いを眺めていた。
「え?いや、え?凄くない?てかなに?あの人」
「まぁ〜元々知ってたし、なんとも?いつも通り化けって感じ〜」
「いや、いつも通りってあの人何者なのさ!知り合い?!」
「まぁまぁ〜いいんだよそんなことはさ〜?でもさ?これで分かったでしょ?」
「えー、気になる、けどいっか。えっと?レコードホルダーって奴と戦うための切り札だっけ?確かに強い、っていうか怖いってレベルだけどさ?まだ団長の方が強くない?」
「ん〜?そりゃそうだよ?レベル差140位有るだろうし、あの人が打撃武器使ってんの初めて見たし、っていうか盾も使ってんの見た事ないしね〜」
「んじゃなんで切り札なの?」
「あれがMAXじゃないからかな?今は多分本当に息抜き程度なんだと思う。でもガンマが本気で開拓し始めたら今の何倍もの速度で世界が広がっていくよ?それが理由かな?」
「まぁ、団長がそんなに言うんだったらそれでいいけど、そもそも協力してくれるのかな」
「うーん、低く見積っても1000%乗る...かな」
キリッとした顔でしょうもないボケをするペンタゴン。
「そんなボケするなんて、珍しいね」
「はっはっはっ〜我は今ご機嫌なのじゃ〜。まぁ、大丈夫だよ絶対に食いつくよそういう奴だから。ほらレベル上げするよ〜?もうレベル抜かれてそうだね〜」
「え?!さ、流石に....!まだ勝ってる、と思う....」
******
「いや〜大量大量!クローウルフの素材ドロップしないのかなって思ってたけど、エリートウルフを倒したら全部まとめてドロップするとか!神仕様!」
神仕様ありがとう。と、胸の前で両手を握り天に祈りを捧げた。
「さって、とレベルもめちゃめちゃ上がったな!初めのモンスターラッシュはなんだったのか、ってレベルだな」
インベントリを開き自分のレベルを確認する。
プレイヤーネーム[ガンマ]レベル22
HP 30 INT 10
STR 50 VIT 60
DEX 70 AGI 60
LUK 70
【ST】105
「えーっと、このSTってのがステータスポイントだよな?105余ってる、振っとけばよかった......それにしても上がったな?あのエリートウルフとか言うやつが経験値倍率良かったんだろうな!そうじゃないと割に合わねーし、」
ガンマは座り込みながらステータスを振り始めた。
「うし、こんなもんだろ!」
プレイヤーネーム[ガンマ]レベル22
HP 30 INT 10
STR 50+20 VIT 60
DEX 70+15 AGI 60+20
LUK 70+50
「今回の戦いで俺は気づいてしまった.....HPは!」
>>>要らん!!!<<<
「初期ステは器用貧乏になっていたが、ここからは“パチンコ筋肉系聖職者”で行かせていただく....女神様から罰を貰いそうな僧侶だな、絶対天国いけねーぞこいつ、と言っても多分幸運は必須だな?これ。いくら俺でもこんなにクリティカルが出るわけがねーしLUKを上げてるおかげでいい感じになってる。いずれクリティカル効かないやつとかでたとしてもSTR上げてるしなんとかなる!」
ガンマは自分のステータスに満足しつつドロップアイテムにも満足しスキップしながら街に帰った。
プレイヤーネーム[テルテラ]レベル18
HP 130 INT 15
STR 90 VIT 130
DEX 15 AGI 30
LUK 25




