虚栄の心に勇気を届けて其の二
「この前5位だった私達が惨めに思えてくるからその辺にしてもらおうか、それはさておいてだ。返事はYESということで君達をアヤメの元へ連れて行こうじゃないか。」
シグマがに言われついて行った場所はここクロスコードから2エリア離れた場所の《勇気の花畑》に来ていた。知らないエリア1つスキップできてしまったのはちょっと悲しいけど創世生物と戦えるんだそれより優先されることなど何も無いだろう。
「勇気の花畑.....すげぇ光景だなこれ」
見渡して見ても1面花に埋め尽くされたこのエリア。勇気の花畑というだけはある。今歩いているレンガ造りの足場を踏み外してしまったら花を踏み潰してしまうだろう、花を踏むのは気のいいことではない、慎重に進むのが吉だろう。
「お兄ちゃんってクロスコードより奥行ってないの?」
後ろ歩きしながら話しかけてきたのはベータだった。ここの立地は覚えたのだろうか足を踏み外すことなくガンマとの話を続けた。
「お前に教えてもらったところにほぼ住んでたからな、お陰でレベルもかなり上がったぜ?」
「ほほ〜?今のレベルは?」
「ふ、聞いて驚け?62だ!」
「おー!爆速だね」
「フッ、もう遠分カブトムシはごめんだ」
数日間雷速のカブトムシと戦いレベルを上げていたガンマ。一生分どころかおそらくは十生分はカブトムシを見たし叩き落とした。インベントリにはカブトムシの角が溢れかえっているためこいつを使って後でトゥーシューガァンに使い捨ての飛び道具を作ってもらうつもりだ。
「クエストもいくつかクリアしたお陰で称号もスキルも手に入ったし、やれることはやったかな?」
そう呟くと不思議な顔をしてこちらを見つめてきた。何やら言いたげだ。
「クエストって?あのエリアにクエストなんかあった?」
「は?あったろ?子猫を送り届けるのとか女神像を見つけるとか」
「???」
初耳なのだろうか、本当に心当たりが無さそうだ。情報を扱うクランが隠しエリアの探索を疎かにしているわけがない。というかあんなに堂々と置いてある女神像に興味がわかない訳がない。オセロに関してはあいつが散歩してたせいでたまたますれ違ってしまった可能性はあるにしてもだ。クイーンサーペントについては無視できないだろう。エリアの端から端まで隈なく探索すれば必ずと言っていいほど簡単に見つかるだろう。
「動物達の唯一の憩いは?」
「なにそれ」
『どういうことだ?オセロと会っていない、までは何とかわかる。ただしあの隠しエリアがバレてないことなんてあるのか?プレイヤーにとって探すのは容易な位置に隠されていたはず、ましてや情報クラン様だぞ?つまりこの情報は俺しか知りえないということ?もし俺以外に女神バフやジュマンジュについて知ってる奴がいたとしても正直この情報は明かさない方が俺にとってのアドバンテージ、情報クランでも知りえない情報を今コスモに続いて複数個隠し持っていることになる。後々の交渉としては十分武器になり得る、つまり今は隠し通した方が俺の為か?』
「いいや......やっぱり忘れてくれ」
「なにか見つけたんだね?後で調査しとくから」
『見つかったら見つかったで損という訳では無い、いずれ見つけられるだろうし時間の問題だろうし恩恵の先行体験みたいな気持ちだな。』
二人が話していると正面には花畑に囲まれた豪邸が一件建っていた。
「ここがシークレットNPCアヤメの家だよ。本来であればクエスト【君に花を届けて】を受注してからでないと入ることはできないのだが、私達がいれば話は別だ。」
シグマが近づくと鉄の柵が開かれ中に招かれた。アマリリスのシークレットクエスト持ちがいることで無条件で開かせて貰えるのだろう。
「やぁこの間ぶりだねアヤメ」
「えぇ、お友達を連れてくるといったから首を長くして待っていたわ。」
「アヤちゃんやっほ〜!」
「ベータもいらっしゃいお菓子もあるわよ」
『シークレットNPCアヤメ、他のNPCとは違って自由に会話を進めることができる特別なNPC。これってどういう原理で会話を成り立たせてんだ?中に運営でも入ってるんかってくらい会話が成立、というかそのプレイヤー事に対応を変えている。やはり創世生物に繋がる存在、他のNPCと比べるのは失礼か。』
これはゲームだ。NPCにここまで自我がある、ということはかなりの異常現象である。その事を理解しているトッププロ4人。それとあの会話に入りたそうにうずうずしているテルテラ。プロ達はこの状況を理解し2人に会話を任せているという形だ。
「私の頼れる友人?だ。」
「うん。ペンタゴンにゆぃつ、カゲツ、そして。ガンマ。皆よろしくね。」
何やらガンマだけは特別扱いをされた気がする。おそらくこれはコスモの影響なのだろうか。誰にも話していないが本質はゲームのNPC、実質的にだが誰よりも情報を網羅しているだろう。保有しているクエストによって対応が変わったとしてもなんら不思議ではないだろう。
「貴方達の欲しいものはわかっているは。」
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シークレットクエスト
──理を断つ一輪の青い花──
───クリア条件 アマリリスの解放
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受注しますか?
YES NO




