か弱き命に導かれて其の十
【リスポーンしますか?】
YES NO
「................やってくれたな???石ころ野郎がァァァァ!!!!!!」
完全に油断していた。あの巨体、あの装甲を穿いた先はまさかの自爆。初めから知っていなければ避けられないほどの規模の爆発、初見殺しとしか言いようがないだろう。
「くっそ、なんだあの初見殺し自爆。反応が遅れたとはいえAGIを結構上げててあれかよ......ん?なんか忘れてる気が、」
ベットから起き上がると隠しエリアに住んでいる動物達が心配そうに擦り寄ってきてくれた。鹿は頭を擦り付け熊は軽く肩をさすってくれた。小動物達は膝の上に乗ったり頭の上に........あ
「オセロ?!!!!!!」
『まずい、非常にまずい!!オセロがいな!!あの爆発の規模で子猫が生き残れるはずがない!そうなったらクエスト失敗?!って、クエストなんかよりもオセロが無事かの方が大切だ!どうか生きててくれ!!』
「にゃあ」
「え?」
「きゅい?」
「は?」
「...........」
「...........」
「え?」
い、今起こった事をありのままに話すぜ。焦ってベットから立ち上がった俺。デスペナルティの全ステータス低下を気にしている暇などないと思い今一度ゴーレムの元へ行こうとしていた、オセロの無事を祈りながら自分の不甲斐なさを心の中で嘆いていた、のだが。
地面に青色の輪っかが現れてそこからオセロが飛び出してきたんだ。傷跡も無い。数秒の沈黙の後オセロがいつも通り頭の上に乗ってきた。
「え?今の何?」
オセロは俺の問いかけに答えるかのように頭の上に青色の輪っかを作りそこに飛び込んだ。すると足足元からオセロが出てきた。
「.......お前、そんなの使えたの、?」
「キュ?」
何を当然のことを、という感じで首を傾げているオセロ。驚愕しているガンマを他所に足からよじ登ってくるオセロ。全部TPすればいいんじゃ、と思ってしまうガンマ。
「ま、まぁ、無事なんだったら良かった、」
いつも通りゲシゲシと頭を叩いてくる。
おそらくとっとと行けと言っているのだろう。デスペナルティは10分。移動時間を含めたら10分なんてあっという間か、と言うことを冷静になって理解しオセロと一緒にあの爆弾岩の元へ今一度歩を進め始めた。
──────────
「連射の石弾の背後をゲットォ!!!!」
口から石弾を連射してくるモンスターの頭を割りここら辺のモンスターを全て狩り尽くした。
「ふぅ、これで準備は終了。後は、」
「ゴォンゴォンゴォンゴォンゴン!」
「こいつらだけ」
スモールストーンゴーレムが叫び出しゴーレム三兄弟が現れた。
「初見殺しを無しにして、俺に勝てると思うなよ?」
「グゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォ!!」
戦法はやはり変わっていない。
巨岩の重化身がヘイトを取りつつプレイヤーを一撃で粉砕するような後隙の大きい攻撃を主体として戦うタンク兼アタッカー、英霊の重化身と鉱石の重化身がカバーをするといった形。こいつらの行動パターンが変わっていないと来れば話は早い。攻略の方法は既に見えている。
「リプレイ検証にしかならねーかんな!覚悟しろ!」
「グオォォォォォォ!!」
ガリガリと石が削り合う音を響かせながらガンマに向かって腕を振り下ろす。
「一度見た攻撃は俺には効かねーよ!」
振り下ろされた両手からは砂埃が舞いガンマにスリップダメージを与え続けているがそんな些細なことを気にしていている余裕など無い。スキル───ヘイストを使い振り下ろされた腕の上を駆け上がる。それを黙って見ているはずもなくカバー役のゴーレム二体が動こうとするが、カバーの為に魔法などを放ってしまえばこのゴーレムはかなりの痛手を負うことになる。ましてや同族。打てるはずが無い。
「判断を誤ったな!正解は腕の一本はもいで俺の退路を封鎖することだったな!」
───ビルドアップ
───ガードブレイカー
「リプレイ検証だ!有難く学んでけ!!───冥府の魂撃!!!」
巨岩の重化身の額に埋められたオレンジ色の宝石ごと頭が砕け散り昨日を完全に停止させた、が。ここからが本番だ。
「浸ってる暇はねぇ!───ヘイストはまだ続いている、武器は完全に収納。そして!」
瞬時に後ろを振り向き腕を大きく振り上げ始めた。
「走れえええええええええ!!」
キュイーーーーーーーン!!!!
その巨躯が内側から今にも爆ぜそうになる。隙間から光を放ち始めた時、ガンマは充分離れた場所まで走り振り返り止まった。
「ここまでは届かねーだろ。何せ俺のプランは一体を持ってくだけで満足するほどちゃちじゃねーからな!」
ガンマは右手にあるアイテムを持った。
「遠距離攻撃が無い?何を甘いこと思ってんだ?無いなら、作ればいい!〝MP装填〟」
手の中にあったのは道中に貰った千色のリスの団栗を2つ握った。このアイテムは自身のMPをこの団栗に込める事によって貫通力が高く速射性の高い投射物となる。つまり!
「───スキル投擲!!」
DEX AGI STRをあげてきたことによって
DEX───器用さによるコントロール
AGI───敏捷による振りの速さ
STR───筋力による投擲の力強さ
「この全てをつぎ込んだ弾丸が爆発を利用し更に加速する!名ずけて!」
《超加速焔団栗》!
そう唱えたのと同時に千色のリスの団栗を思いっきり投げつけた。ガンマの保有する少量のMPですら満タンになった団栗、テキスト通りの性能で鉱石の重化身へと放たれた。
とてつもない速度で飛翔する団栗。
完璧なタイミングで爆発し更に加速を速める団栗。加速を終えた団栗は凄まじい速度を持ちさながらそれは対物ライフル並の破壊力を秘めていた。
「吹き飛べ!!」
『タイミングは完璧。最大限まで乗った加速とMP。爆発で多少なりとも起動がズレることは容易に想像できていた。だからここからは運任せ。仕留めきれなくとも一撃を浴びせてくれるだけで戦果としては上々、さぁどうなる?』
ここでもやはり発動してしまった。
>>>運だけのクソガキPartII<<<
爆発で変わった軌道の先にいたのはまさかの英霊の重化身。英霊の重化身は瞬時に魔法で木を生やしたりと盾を作り出していたがそれすらもものともせずに貫通。英霊の重化身の顔面に団栗が直撃しそのまま粉砕してしまった。
一方その頃鉱石の重化身はと言うと。こちらも瞬時に岩の壁を作り出し団栗を受け止めようとしていた。勿論貫通。こちらも同様のように鉱石の重化身の顔面が消しばされた。
「お、おおお!」




