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か弱き命に導かれて其の二

前回のあらすじ


森の中に響き渡っていたか細い声。その正体をは子猫だった!その子に導かれるように向かった先にあったのは隠しエリアの先の隠しエリアだった。中には多種多様の動物達が!子猫から渡されたクエスト

── 迷子のお届け

── 白き猛蛇を穿て

を攻略すべく動き始める!

「ここに来て3つもクエストをやることになるとは、しかもかなりレアそうなんだよな〜、勿論承諾だ。しっかり届けてやんよ」


クエスト ── 迷子のお届け

クエスト ── 白き猛邪を穿て


迷子のお届けに関しては多分この子猫がその迷子だな?これに関してはあまり難しいことでもない。俺にとっちゃこっちの世界(エリア)は隅々まで回るつもりだからな。制限時間もないから一緒に攻略してけばいずれはお届けできるだろう。


「俺はこの気配の正体に興味がある。お前は帰りたい。利害の一致だな!」


その声に応じるかのように子猫はガンマの頭の上に乗っかりまたぐでっと寛ぎ始めた。ガンマもそれを甘やかすかのように軽く指で撫でてあげる。するとそれを見ていて羨ましく思ったのか小動物達がガンマの足元に集まってきてピッタリしがみつき始めた。


「...........ま、まぁ。時間は無いが......たまにはいいだろう」


そこから1時間強動物達に癒されていたのはここだけの秘密。


「流石にそろそろ行かなきゃまずい.....くっ、仕方ない。また帰ってこよう......」


ガンマは動物達に別れを告げかなり足取り悪く隠しエリア ── 動物たちの唯一の憩いから出ることにした。後ろを振り向くとまだ行かないでという眼差しがあったりしてかなり苦しい気持ちになってしまった。


.........危なかった優しく見送ってくれる子達もいたおかげで何とか抜け出すことに成功できた。絶対に帰ってくるという意味で俺のインベントリに余っていた鉱石を少量置いてきた。担保としては十分だろう。


「くっ、まだ居たかった......」


ガンマは拳を握りしめ、唇をかみ締めてこの気持ちを推し殺そうと努力した。この数時間でかなり動物が好きになってしまった。入る前を50だとすると今は130位にはなっているだろう。そんな気持ちを察したのか気持ちを落ち着かせる為なのか頭の上にいる子猫がその小さなお手手で軽く撫でてくれた。


「お、お前.....やっぱり可愛いな」


逆に撫で返すとまたぐでっとし始めた。


「お前名前無いの不便だな?なんか適当に付けとくか?」


頭をぺしぺしと叩いてきたが。これは肯定として受け取っておこう。


「そうだな、無難な黒と白の毛並み.....まぁ。オセロでいいか」


次は頭から身を乗り出してきた。視線を少し上にやると子猫と目が合う。結構満足そうだ。


「じゃあ、お前はオセロだ!よろしくなオセロ」


オセロは満足気に頭を前足でふみふみし始めた。


「お前を何時届けられるかはわかんねーけど、それまで俺が面倒見てやるからな〜」


「頼んだぞ」と言っているかのように頭をぺしぺしと叩いてきた。


なんだろう。こいつの言いたいことがだんだんとわかってきたぞ?結構図太い性格だな、まぁ、そんくらいの方が俺は好きだけどな


「うし!十分休息は取った事だし本格的に攻略再開だな!」


ガンマが意気込むとオセロも意気込むように頭をゲシゲシと頭を踏んできた。こんなにぐでっとしてるくせに気合いはあるらしい。


「まずはマッピングの続きだな。お前の親探しもあるからな、隅々まで行くからな?」


元々埋めるつもりでやっていたが、より一層見落としが聞かなくなってしまった為ペースを早めつつも丁寧にマッピングを開始した。道中にオセロみたいな動物が居ないか少し期待してたがやはり何もいない。

これで確信に至った。この森にいる生物はもうあの木の中にしかいない。例えどんなに透き通っていて美しい森だとしても生き物が居ないというのは気味の悪さを加速させる。ガンマはだんだんとこの陽の光も静けさも全てが嵐の前の静けさに感じていた。


「つーか、お前なんで迷子になったんだ?」


ガンマは言葉を理解しているであろう子猫。オセロに気になっていたことを問いかけた。


「捨てられたのか?」


ガンマは頭から身を乗り出してきたオセロに目を合わせながら話しかけた。その質問に対してオセロは首を横に振った。


「じゃ〜家出?」


これも違うようだ。


「はぐれたのか?」


オセロは小さく頷いた。


「きっと親御さんは心配してるよな〜、ってことはあんまりゆっくりしてられねーな」


本来の目的はレベル上げだし、俺の為にもこいつの為にもオセロのことは早く届けてやりたい。結構無茶な戦い方ばっかりだから近くに置いとくのは危険すぎる.....考えれば考える程オセロを届けるのが俺の最優先だな。


「だったら!とっととマッピングやら女神像やらを終わらして親御のところに行くか!」


こいつにとってこれは()()なのだろう。ワクワクした様子で頭を叩いてくる。


「目指せ女神像!目指せオセロの親!ついででマッピングと()()()()とやら!」


忘れていた訳ではない。迷子のお届けばっかりに注目していたが恐らくこの森の本命はこっちの 【 白き猛邪を穿て】だろう。


恐らく白き猛邪って奴のせいで森から動物が弾かれてあの木でしか生きられないようになったんだろうな、あんまり考えたくはないけど女神像もそいつが守ってそうだな。


様々なゲームをやってきた経験則。ただの勘ではあるが()()()()()()()()そう考えるのが妥当なのだろう。ガンマにとって白き猛邪はあまり脅威じゃない。恐らく相当強いだろうがそれよりも大きな問題がある。()()()()()()。流石に危険すぎる。あの木に戻してから戦うのもあり......かもしれないが、このクエストを提示してきたのはオセロだ。オセロを守りながら戦えとかそういうの()()しれない。だから迂闊に置いてけるわけではない、もしかしたらクエスト放棄や失敗になってしまう()()()もある。全ては可能性でしかないが、無視できることじゃない。


なにかイレギュラーがあるかもしれねーからな、オセロを置いて行くとかはしない。もう覚悟は決めた。


圧倒的技術()が勝つのか未知の生物が勝つのか。それは誰にも分からないことだった。


「安心しろオセロ。俺が1番つえーからよ」


ガンマの顔にはワクワクが滲み出ていた。


それは慢心じゃない。積み上げてきた()()が語っている。誰よりも努力したという()()が語っている。一欠片の油断もない、ただ自分の義務を果たすのみ。


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