タダより怖いものはない
頑張って書いてくのでおねしゃーーーす!!
「負けた、か。」
ガンマはキャリア史上3度目のデスをしてしまった。トッププレイヤーやプロゲーマーに敗北してしまった訳ではない。ゲーム内に存在するたかがモンスターにだ。ガンマは考えを改めざる負えなかった、このゲームの難易度と最高高度のAIへの認識を。
「いいねぇ、これくらいやってくれないと拍子抜けってもんだ。レコードホルダー改め創世生物か、そして、これがその創世生物に繋がるクエストか、」
【あの日の夜を君に】─ シークレットクエスト
「初めてまだ数日のプレイヤーが持ってていいような代物じゃねーな、これは。」
シークレットクエスト、それは現状伝令神の幹部それも極上澄みの数人しか知らない情報。数年間追い求めてきたレコードホルダー、もとい創世生物へと繋がる情報。それを初めてまだ数日のプレイヤーが保有しているという異常事態になっていた
【あの日の夜を君に】
発生条件:???
推奨レベル: 180
推奨人数:50人
攻略条件: 討伐・ソロプレイ
時間制限:無制限
「推奨レベル180に推奨人数50人、そしてこの攻略条件、50人推奨とか言ってんのに攻略の条件がソロプレイってどういうことだよ.....あれか?50人で行ってもいいがクリアにはなんねーと?馬鹿げた話だな。」
頭の中で数十秒戦闘を振り返る。月が2つあったこと、それは幻術でもなんでもなく月と赤色の月の2つがあった。出現条件はもちろん不明。赤色の月明かりが差し始めてから気がついたとしか言いようがない。次に注目すべきポイントは出現の仕方だ。ゲームの仕様的に誰にも倒されていないことはおろか見つけられてすらいないモンスターがランダムスポーンなはずがない。つまり赤色の月そして夜帝 コスモ。関わりがあるのは間違いなかった。
「後で色々調べねーとな....」
考察することが多すぎる。その前にまだやらなければならないことがあった、それは攻撃パターンの分析だ。たった数十秒の邂逅であったがそこそこの情報を纏めることができるはずだ。記憶が真新しい内にメモをとる事にした。
邂逅一番に飛んできたレーザー
── 武器破壊付きの確殺レーザー。
──プレイヤーを潰すことしか考えていないような理不尽攻撃。
──2発目は速射性に優れていたため強弱も自在と考えるべき。
──弾速も常人には反応すら許されない。
体格
──家ひとつ飲み込んでしまうような巨大なコウモリ
── 口・鼻は無くコウモリの特徴をした巨大な生物しかいいようがなく、中身がほかの生物である可能性もある。
「んで極めつけは、あいつ俺の言葉も理解してやがったな?」
最後の悪あがき。挑発的な言葉にコスモは目を細めてうっすらと笑っていた。そしてコスモは強者との邂逅を待ち望んでいたという目をしていた。遂に見つけた対等までに上り詰めてくれるであろう強者を見つけコスモはクエストを提示したのだろう。
「つまり。お前一人でかかってこいってことだろ?受けてたってやるよ、必ず叩き落としてやるからよ。」
プライドなどどうだっていい。自分の楽しいが為にガンマはこのゲームを、いいや、コスモの討伐をするために。強くなることを決めた。
「赤色の月も消えてる。ってことはあいつがいる時は月が2つあって片方は赤色に照らされている、って考えても良さそうだな」
考察が止まらない。少しの情報でも逃したくない、と言うように全ての出来事をメモに記していく。
「何はともあれ、まずは武器だ!なんにも無くなっちまったよ、ほぼ耐久MAXの武器が一瞬であのザマだ、耐久値が高いか、ほぼ壊れないやつがいいな。スキルとの噛み合わせだっていい。」
幸いなことにデスしたとしてもアイテムドロップはしないようだ。たんまり集めてきた鉱石や素材ある程度売るとついに所持金か
100万ゴールドを突破した。
「お、やっぱり金の効率いいじゃんか、余った素材でオーダーメイドを頼むしかねーな!」
ガンマは素材を売った後に鍛冶屋に向かいながらそんなことを一人でに呟いていた。久々の自分より高位の存在に心躍る気分が収まらない。今のガンマは戦いに飢えていた。
「こんな気分になるなんてな、ゆうきには今度飯でも連れてってやろう!最高のゲームを教えてもらった礼にな!」
ガチャリと鍛冶屋の入口を開ける。そこには今までの街とは比較にならないほど高品質な武具の数々が並べられていた。値段は品質相応で価格設定も文句なしの出来だった。オーダーメイドなどと言わずもかなりの装備を仕立てあげることもできるであろう。
「かなりいい装備だな、これだったらオーダーメイドなんかしなくてもそれなりに戦えるだろうな。」
そんなことを呟いていると見ず知らずの女性プレイヤーが話しかけてきた。
「そこのお兄さん?オーダーメイドをご興味が?」
そのプレイヤーはフェイと言うらしい。彼女曰くオーダーメイドはNPCのお店よりプレイヤーがやっている店の方が遥かに品質がいいらしい。なぜそんないい事を教えてくれるのか伺ったところNPCにオーダーメイドを頼んで市販の武器の方が圧倒的に強い、という事例が何件も起きていたそうだ。フェイもその事件の被害者だそうだ。どうやらアイテムも売る所によっては高値で引き取ってくれたりポーションなども少し値は張るが品質の良いものを提供してくれるそうだ。
「なるほど、作成とかはプレイヤーに頼んだ方が高品質になるのか、勉強になった!ありがとうフェイさん」
「いいえ〜。見たところ初心者っぽかったので!結構多いんですよ、NPCに搾り取られる人....私もその1人だったので。」
少し可哀想なセリフが聞こえた気がするが.....聞かなかったことにしよう。さて、そんなことを聞いてしまったからにはプレイヤーに武具をオーダーメイドしよう。有益な情報を教えて貰っておきながらNPCに頼るなど愚策というものだ。
「そんじゃ鍛冶師のプレイヤーを探さなきゃいけねーのか、仕方ない、安物のメイスでも買って繋ぐか。」
肩をがっくりと落としているとフェイが声をかけてきた。
「私教えますよ?いい鍛冶師!」
「マジで?!」
正直少し怪しい。突然声をかけてきた見ず知らずのプレイヤー、有益な情報を教えてくれただけに留まらず優秀な鍛冶師も紹介してくれる?タダより怖いものはないと言うようにかなり警戒心を持ちつつ話を合わせていた。
「うん!私達のクラン伝令神の名にかけて約束するよ!」
フェイは胸に刻まれたエンブレムを指で指しながら言った。




