金策!全てはリアルラックの力なり!
「非常に宜しくない状況であります。」
非常に宜しくない状況。その先にあるのはただ1つ。>>>敵が強い<<<
ビビるほどに敵が強くなっている、というかレベルが全く足りていない.....現在のLvは25。ソロでこの数値は始まりの村でぬくぬくしている.....というかソロでやるようなゲームではない。ガンマはそんな事毛ほども知らない。
「う〜〜〜ん1匹狩るのに30分以上.....え?調整ミスってるよな????それともなんだ、パーティー推奨ゲーだったのか?」
大正解である。
ガンマは森の中で胡座をかきながら腕を組み一人でそんなことを考えていた。
「くっそー!このままじゃ金策はおろか経験値すら貰えねーじゃねーか!....だったら、やるしか無いか。」
ガンマは何かを思いついたかのように起き上がり街まで走り出した。
「思い立ったら吉日!ゲームと言えば必ず通るであろう金策の道!!港町なんだったら当然できるよな!」
ガンマは何とか一匹倒したモンスターの素材を売り雀の涙ほどのお金を手にし向かった先は港近くの別の質屋であった。
「わざわざこっちにも質屋があるってんならお目当ての物は、お?あったあった。」
それは1本の釣竿であった。高いものはかなり値が張るがガンマにそんな金は無いので1番安い木の棒を少し手入れして糸をつけただけにしか見えない釣竿と1番安かった練り餌を購入した。
「釣竿が置いてあるって事は.....始まったな、俺の港釣生活!!!!」
港に着くと堤防に点々と釣りをしているプレイヤーが居た。
「さぁ!早速やってくぜ!えっと?まずは釣竿を装備欄にセット、そして装備欄の釣竿に餌をセット、っと。お!来た!大物連れてこーい!」
ガンマは背筋を伸ばしながら胡座をかきのんびりと獲物が釣れるのを待つ。ポチャンと糸が海に垂れる絵はとても趣があった....獲物が釣れるのにそう時間はかからなかった。
「お?来たな」
完全に食いつくまで息を殺し待つ、油断した瞬間に一気に狩り取る、ガンマが最も得意な状況である。チョン、チョンと竿が揺れ段々と大きくなっていく。
「我慢比べなら上等だ。」
チョンチョンと5回ほどつつかれた時。竿が大きく曲がり出した。
「キタァァァァァァ!!」
ガンマは立ち上がりながら釣竿を思いっきり引いた。
「俺の港釣生活はてめーからスタートじゃ!!!ドォォォリャア!」
釣れたのはこちらを殺さんとばかりに頭からかなりの速度で突っ込んでくる魚であった。
「きちゃあ!大物じゃあ!!」
ガンマは釣竿を左手に握り右手にメイスを取り出しその魚の頭を真正面からブン殴った。その魚は粒子状に消えたがガンマのインベントリに入ったようだ。
「はっは〜!まずは1匹目だぜ!」
「あんちゃんすげーな!」
声をかけてきたのは近くで釣りをしていた50代ぐらいの小太りの男性であった。
「このゲーム初の釣り成功です」フフン
自慢げに釣竿を構え始めた。
「そのカジキは滅多に釣れねーんだよ!俺もここはなげーんだけどな?2匹位しか釣ったことねーな!ガハハ!」
「おおーそんな大物だったのか、こりゃ幸先いいな!」
リアルラック。それはステータスなどに依存されない単純な“運”ガンマの二つ名は数多くあるが、知り合い間で最も言われている名がある。それは.....
「お!またカジキ!」
>>>運だけのクソガキ<<<
ガンマはビビるほど運がいい。例えばソシャゲの10連ガチャ。欲しいキャラの為に必死にガチャ石を貯めたとしても初回無料で全て当ててしまうタイプである。
「うっしゃ!この調子で稼ぎまくるぞ?!!」
3時間後
「んだこのクラゲとタコとイカと貝が合体した化け物は!」
さらに2時間後
「見ろ!バカでかい昆布!こ、昆布???人型の昆布じゃねーか!!!」
さらに2時間
『釣りを初めて早7時間強。新しい釣竿を買ったりいい餌を買ったりもしたが金策は順調。というか確実に調整案件だな、経験値もかなり美味しかったしいい具合だぜ。』
リアルラック+LUKこの力によってありえないペースで釣れる上に釣れる獲物もかなりのレア物ばかり。こればっかりは運営も調整しようがないほどに“運が良すぎた”ガンマだった。
「今の手持ちも全部売ったらどんくらいになんのかな〜、てか、7時間以上釣りしてたのか、まぁ、かなりの神機能ではあるか。」
本日の成果
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カジキ 8匹 30000G
虹マグロ 2匹 70000G
銀疾のミサイルイワシ3匹 6000G
羽ばたきマンタ 1匹 6000G
昆布マン 1匹? 3000G
クタイ貝 1匹.....? 4000 G
白銀の魚 2匹 8000G
その他 203匹 78030G
トータル221匹
合計 505,030G
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「こんだけ金があっても武器のオーダーメイドとかにはもっと金が必要らしいからな、まだまだ足りねーな。つっても今のしのぎ的には十分だろ!9Lvも上がったのは棚ぼただな!ステ振りはまた後でやるとして、俺はいま、やらなければならないことがある。」
ガンマは大金を得た。そんな大金で買うものは勿論ただ1つ。バフスペルである。そろそろステータス上昇のバフが欲しいと感じてきていた。なぜなら8時間ほど前に森で痛い目を見たからだ。スキルではなく魔法としてのスペルを使いステータスにバフを掛けたいと考えていたのだ。
「お?これとかいいな」
手に取ったのは羊皮紙で出来ているマジックスクロールであった。そこに書いてあった魔法は───ビルドアップと書かれていた。その名から予想できる通りにSTRを上昇させてくれる魔法であった。
「え〜っと?MP20使用....えっと、確かINTを上げればMPの総量も増えるんだったよな?今まで一切使ってこなかったからほぼ忘れかけてた、えっと、?俺のINTって何だっけ?」
INT 10
「ガァ......」
驚愕のあまり言葉も息もつまり自分の計画性の無さに驚いてしまった。
「ま、まぁ、これってMP10くらいあるんだろ、?確かあげればあげるほど増える幅も大きくなるとか何とか.....今俺って何ポイント溜まってんだ?」
ガンマは25レベルから9Lv釣りで上げていたため、かろうじて45ポイント余らせていた。
「このポイントはINTに10ポイント振っといてっと、使ってみてギリギリ二回使えるくらいには上げときたいな、残りの35ポイントは10ポイント残して適当に振っとくか。よっしゃ!マップ的にはもうそろそろ森を抜けるらしいからな!新たな地に思いを馳せて、いざ出陣!」




