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創世の王は蒼を断つ

「ん?.....あ〜、そういうタイプね、」


寄りかかった時苔むした石レンガが歪んだ事を感じた。ガンマはその壁をメイスで叩くと幻影が消えたかのようにフワッとそこの壁だけが消えた。


「はは〜ん?こりゃ運がいいな!とっととこんな薄暗いところ抜けて次に進むぞ!」


壁の先にあったのはさらにかべ、周囲を見渡しても何も無く、あるのは同じような苔むした石の壁のみ。


「ん、?なんも無いけど.....」


周りの壁を触ってみても何も起きない。さっきみたいな幻影が織り成してる訳でもないただの壁。


「なんも無いことある、?ま、まぁ、一旦戻るか....」


戻ると入る前とおなじ通路に繋がっていた。


「ん〜、まさかとは思うが、こいうのがいっぱいあってさらにその中から辺りを引けと?」


試しに隣接している両壁を触ってみても何もならないが、さらにその隣にあった壁はあの壁と同じように少し歪んだ。


「......だいたいわかった、」


改めて明らかな素晴らしいエリア(クソエリア)ということを実感した。そこからは完全に作業ゲーであった。壁を触っては歪んでたら叩く、壁の奥に進んではそこも確認する。


「はぁ〜、この通路で最後か、あのクソデカスケルトンの近くとは怖すぎたわ、ダメもとで行ってみたらギリギリ間に合うくらいの調整になってやがる、このゲームの運営はどうせ俺みたいなやつの事見てケタケタ笑ってやがるんだろ!考えただけで腹たってきた、」


そんなことを愚痴りながらも壁を調べていくとおそらく最後の幻影であろう壁が見つかった。


「これで終わんなかったらふつーにキレるかんな?!!!」


壁を叩くとその先には降りてきた階段のような長い階段が続いていた。遠くには微かな光が見える。


「よっしゃ〜!遂に終わるぜ!ざまーねーなァ!クソエリア!!」


あまり得意じゃない薄暗いエリアとギミックに悪態をつきながら長い階段を駆け上がっていく。階段をぬけた先は自然豊かな山の中腹、と言った場所であった。そんな美しい場所から見えた景色は驚愕するほど想像を絶するほどであった。山から見下ろしてギリギリ見える程に広大な街並みに大きな帆船が何席も泊まっている壮大な港。海の潮が風に運ばれてほのかに潮風が辺りを通り抜ける。


「うぉーーー!ここが港町ならぬ港国!南大陸最大の国!クロスコード!とんでもねーでかさじゃねーか!!ん?なんだ?」


美しい景色に浸っていると空気の読めないウィンドウ突が現れたと。そこにはエリアを抜けたことによる報酬記載されていた。


「攻略するだけで貰えんのな!期待値がゼロだったから尚更()()()だけ嬉しいな!」


もう二度と入らないと誓ったガンマであった。


「舐められてるわ、これ。くっそ、大したもの貰えなかったし.....前言撤回、1ミリも嬉しくないわ。」


【報酬】


スライムの体液

─── 素材アイテム。敵を溶かす特性を持つが、耐久値が絶望的に低いためほとんど使い捨てで使用される。


スケルトンの鋭利な骨

─── 素材アイテム。鋭く尖った骨。耐久値が絶望的に低い。


頬をヒクつかせながら手に入れた報酬を睨む。


「ま、まぁ、ここは通過点だから....良しとしよう。.....気を取り直して!早速行くか!|()()() ()()()()()()!」


意気揚々とそんなことを宣言するも、荒んでしまった心を癒すかのように山から見える景色を全て堪能する。雄大なる海に清く澄んだ青空。力強く育った木々の数々。


「.....あのエリアを抜けなかったらこの景色と空気は堪能できなかったんだよな。まぁ、そう思えばプラスではあるのか?wそれにしても、()()()()()()()()。流石に許しといてやるよ。」


【荘厳に美しき青の世界】未踏破

─── 南大陸で最も美しい景色が見えるエリア。「クロスコード」「雄大なる海」「生い茂る草木」「高く聳え立つ山」全てを堪能出来る。


発見者数 1人


「荘厳に美しい青の世界、確かにこれより美しい景色を出せって言われたら無理かもな。それにしても俺しか見つけてねーのか??クソエリアすぎて誰もこっちに進んでないとか?.....流石にそれはねーな。え?もしかして他の攻略方法があった??」


ガンマはゆっくりと景色を堪能しつつ山道を下っていった。さっきまで考えていたことなど頭に無いほどに。


「それにしてもいい場所だったな!てか、普通にこんなところに繋がってんだったら誰かが来てたっていいもんだけどな....まぁ、いっか。そんなことよりもだ!遂にすぐ目の前だぜ!港国 クロスコード!」


上から眺めていたため大きい街並みだということは理解していた、が。まじかで見るその大きさと賑やかさに敵うものなどない。 城のようなものは見えないが、大使館のような場所が一際目立つ。あそこがおそらくこの国の中心となっているのであろう。


「賑わってんな〜!NPCもそうだけど特にプレイヤーの量!トゥーツも賑わってたけど流石にここまでじゃなかったしな!」


街を散策するが生憎1文無しである。あの寺院で素材が集まると思っていたが何も手に入らなかった為売るものもない。


「あのエリアに行けたのは嬉しいけどよ、やっぱ金がねーよ........よし!まずは資金調達だ!!!と、その前に。一旦宿に寄ってリスポーンポイントを更新しなきゃな。ん?俺ここまで設定せずに来たのか、?」


自分の馬鹿さ加減に呆れながらも泣け無しも泣け無しの雀の涙ほどのお金でギリギリ宿に泊まることが出来、一時的にログアウトをした。



******


「ふぅ〜、後で撮った写真プリントアウトして天井にでも飾るか。」


時刻は深夜の3時を回っていた。司はVRチェアから降り少し伸びをしてから階段を降りた。


「今日はエナドリじゃ!庵にバレませんように〜っと、」


「誰にバレないようにって???」


いつの間にやら冷蔵庫を漁る司の背後をとっていたのはその庵であった。腕を組んで仁王立ちするその姿はまるで国の王の如く貫禄であった。


「あァ、いや〜、なんのことでしょう。」


手に取ったエナドリを後ろに隠し視線をずらす。そんなバレバレな嘘も庵に通用するはずもなく.....


「はぁ、まぁ〜私もそれ取りに来たんだけどさ。だから今日は許そうじゃないか。」


許された。


「んえ??庵ってエナドリ飲むの?」


「あはッ!何その情けない声wおにぃみたいに毎日飲んでる訳じゃないし飲むとしても1本だし?休日はたまに飲んでるよ」


「うぐっ、し、仕事だし.....」


「その感じは、相当ハマってるね?」


こちらの気持ちを見透かすようにそんなことを問いかけてくる庵と図星の司。


「このゲームの存在を知らなかったことが恥ずかしいくらいにはな。庵も今やってんのか?」


「そうだよ〜?今資金調達で忙しいんだ」


「俺は所持金ゼロになったぞ?」


「初めはそんなもんでしょ?まっ、気づいたら溜まってるもんだから大丈夫だよ」


「そういうもんだよな!うっし!いっちょ金策行ってくるわ!」


「エナドリはそれ1本で終わりだかんね??」


「.....心得ました。」


司は階段をゆっくりとあがって行った。


「はぁ〜。私も頑張んないとな、ノルマまで後少し!頑張るぞ!」


この時インフィコードオンラインの世界ではクラン伝令神(ヘルメス)が何やら質屋や錬金術店を巡り、()()()()()()()を購入しているという情報が流れ始めた。


──

───

────

─────

──────


「ベータ休憩終わりました〜」


「随分と短いな大丈夫かい?」


森の中で切り株の上に足を組みながら武器の手入れをしているその女性はベータに気を使った言葉をかけた。


「団長に関しては休憩のきの字もないじゃないですか、そんな人に言われたくはありませ〜ん」


「ははっ、手厳しいじゃないか。だが、私は慣れてるのでな。NWOのプロからしたら丸1日など長時間のうちに入らない。」


「お兄ちゃんはめっちゃ疲れてましたよ?」


「私も疲れた気がしてきたな。」


「嘘はいいですって、ほら!ファーム続けますよ?」


「ふん、結構ボケたつもりだったのだがな、まだ足りなかったか。」


「ほらほら、時間はいくらあっても足んないんですよ?やっと掴んだんですから!()()()()()()()()の情報を!」


「それもそうだな。次の満月の日に私達は死力を尽くさなければならない。レコードホルダー....いいや。」


創世生物(アーティア)虚栄(きょえい)のアマリリス


「生憎私はプライドなどと言う贅沢品は持ち合わせていない。総力戦だ。ただし()()()()()()のみ誘う、他のクランの団長や副団長クラスの奴らも引っ張ってくるつもりさ。勿論、君の兄もな。」


「お兄ちゃんに沢山嘘ついちゃったじゃないですか.....責任とって下さい。」


「君はとても優秀だね。私達ヘルメスの幹部、それも上澄みしか知り得ない情報を守りきった。当たり前ではあるが、勲章を授与したい気分だよ。」


「ここまで団長の予想通りになるなんて思ってないですよ、ちょっと怖いのと気持ちが悪いですね。」


シグマ・レイブンは事前に手回しをしていた。トッププレイヤーがこのゲームを始める可能性を考慮し情報の重要部分を取り除き世間に広めていた。その事実を知るはベータとシグマ、後もう1人は伝令神(ヘルメス)の創設メンバーでもあるトゥーシューガァンのみだ。その為今のガンマは実の妹に6割合っているが4割間違ってる情報を仕込まれたインフィコードオンライン()()()()()となってしまっていた。


「君の兄のことを信頼していない訳ではない、寧ろ信用しているさ。だか、彼は1人でボコりきってしまう可能性があるからね、このゲーム始まって以来のイベントなんだ、流石に見逃せないな。君ならわかるだろう?」


「容易に想像着きますね、分かりましたよ。これからも嘘をつき続けます....はァ〜、憂鬱です。」


そんなことは知りもしない大エアププロゲーマーさんはウキウキで森に入りモンスターと死闘を繰り広げているのであった。


「こいつら急に強くなりすぎだろ!!!!」

.............


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