迷に惑わされしモノ汝概念の内側なり
「おおおおお!ここが2個目の街トゥーツか!中に入ってみると城に目が惹かれるな!街の半分位は城なんじゃねーのか?!」
この街は島と言った方が合っているだろう。それほどまでに大きな川に囲まれてている。城壁の外側や橋には釣りをしている人達が居たりとのどかな生活している。
「すぅ〜、空気が美味いな!始まりの街もそうだったけど、ここは森に川!空気がほんのり冷えてて気持ちがいい!自然豊かってやっぱりいいよな!やっぱり住むなら田舎だろって思っちゃうんだよな〜、不便だけど.....んで、この次にあるのがクロスコード、って思ってたけど、その前になんかあんな。分岐?入口が2つあるのか」
クロスコードに行く手前にはマップ上でもわかるほどに確実に人工物であろう入口と自然に生成されたような洞窟の入口が別れていた。
「ここの街に長いするつもりもないしな!店とか回ったら早速向かってみるか!うーし!そうと決まったら早速街巡りすっか!」
最初にやってきたのは入口から少し歩いたところにあった謎の店だった。
「ここは、えっと?“錬金術店”?こんなのチュートリアルにはなかったな!気になる、入ってみる他ないだろう!」
チリンチリンと入店したことを知らせる鈴がなった。
「ほー!便利ツールか!ポーションとかも置いてあるってことは、チュートリアルのポーション店と質屋の合体みたいなやつか?別であるにはあるんだろうけど、ここは便利だな!入口の近くにあるのも考えられてるな」
店の品を隅から隅にかけて見ていくと高級感のある箱に入ったポーションに目が止まった。
「ん?んだこれ.....」
【生命の冥水】
使用すると対象のプレイヤーを蘇生することができる。HPが0を下回ってから10秒以内に使用しなければならない。1度使用すると消滅する。
武器に付与 可
「蘇生アイテム!そんなものまであんのか、ま、まぁー、あるか....あの水鳥とかいうやつもかなり強かったしな!」
水鳥適正レベル
32レベル
パーティー推奨
「武器に付与可能ってことはかなりのぶっ壊れだな、あいつらに持たせたら国どころか島すら跨いで蘇生してきそうだけど....あんま考えないようにしよう。んで?値ダ.......見なかったことにしよう。」
ガンマは体ごとそっぽを向き少量のポーションを手に取り会計を済ませそそくさと足早に店を後にした。
【生命の冥水】
7,500,000ゴールド
「次は武具だな!今俺防具ボロボロだし、盾は粉砕、っていうかインベントリにすら残らねーのな。防具も初期の一個上位だし.....よし!ここらで買っとくか!」
歩みを進めているとお目当ての店である鍛冶屋が見えてきた。店の屋根のど真ん中に金槌の入ったロゴが見えたため確実にここだと断言できた。
「おおお!なかなかの品揃えだな!」
店に入ると趣のある内装に連ねられてる武具の数々。かなり魅力的なアイテムばかりであった。
「このローブ、かなりのお手頃価格、VITも80上がるのか.....今のやつの2倍強とは.....買いだろ!お?こっちのブーツもなかなかにいい!AGIがかなり上がるしな!うお!こっちの手袋もいい!セット効果付きの防具も魅力的だな!」
ガンマはプロゲーマーである、が。それ以前にまだまだ若い男である。武器や防具に食いつかない男がいるだろうか、否。存在しないであろう。
「はっ、あまりの面白さに時間を忘れていたな、ギリギリだけど金も足りる!買っといて損は無いだろ!武器も修理してもらうか!」
その場で即決し店の目の前で新装備を早速装着した。
「おー!なかなかに様になってるじゃないか!聖職者ってよりかはただの物理アタッカーだけど....問題ないだろう!別ゲーの聖職者のプロも明らかに聖職者じゃないだろって見た目だったし!んじゃ!早速向かってみるか!入口!」
ガンマは道中色んな店にもよってみたが生憎1文無しまで行ってしまったので見るだけ見て2つ目の橋を渡り新たな土地に足を踏み入れた。
「ここがふたつある入口のうちの1つ、新羅の寺院か」
【森羅の寺院】
廃れてしまった石レンガの建造物。所々に苔なども生えており大昔の建物であることが分かる。
「ここもかなりのデカさしてんな、早速行ってみるか!」
少し長めの石造りの階段をのぼり寺院の入口に着いた。
「うわァ、雰囲気出てんな〜、アンデット系とか、ゴースト系だろこれ。」
階段を昇った先にはさらに下りの階段が伸びていた。壁に薄く照らす松明が金具に支えられていた。
「行ってみなきゃわかんねーか!」
ガンマは覚悟を決め寺院の中に入って行った。階段はかなり長く続いており、未だ底が見えずにいる。
「俺ホラーとかあんまり好きじゃねーんだよ、にぃつに任せっきりにしてたしな、」
階段をおりた先に見えたのは廃れきった通路に少しの部屋。つたなども垂れて印象としてはかなり不気味だ。すると、ぺちゃぺちゃと何か変な音が聞こえてきた。
「お?早速敵か?この不気味さも戦闘中だったら紛らわせんだろ!」
目の前にやってきたのは可愛らしいスライムであった。水色むにむにの体を持つゲーム界のマスコット。
「スライム?そういや初めて見たな。可哀想だし、こいつは倒さないでおくか」
スライムの目の前でしゃがみ少し和んだ気持ちで見つめていた、が。
「んぇ?」
ガバッと大きく口を開きガンマを飲み込もうとしてきた。
「何してんねん」
一瞬のうちに武器を取りだしガバッと開けた口を思いっきり叩きつけ、無理やり閉めさせた瞬間スライムは粒子状のエフェクトを出しながら消えてしまった
「あ!ワンパンで死んじまった、かなり可愛かったのに.....急に化け物になったな、」
【イータースライム】
見た目の何倍もの大きさの物も飲み込んでしまう。
さらに奥に進んでいくが同じような部屋が続いていてあまり代わり映えのしない探検になっていた。
「ん〜、こっちハズレだろ、モンスターもあのスライムくらいしかでねーし、退屈だからトラップに引っかかってみてもなんにもならないし、」しゅうかんにしろおもしろ
期待ハズレと言わざる負えない、薄暗い雰囲気に湿った空気。
「もうひとつの方に行くか、」
来た道を折り返そうと後ろを振り向くとその道は閉ざされていて周りの景色すら少し変わっていた。通路が増えていたり部屋が増えていたりなど。
「.....なるほどな、こういうタイプかよ、やっぱハズレだな、こっちは。」
カランコロンという音が通路に響き渡る。不気味な空洞音や背筋が凍るような風が吹いている。
「なんで風が吹いてんのかは知らねーけど、不気味だな」
カランコロンという音がだんだん近づいてきている。すると、通路の角から体を丸めなければ立つことも出来ないほどに大きなスケルトンが大きな長剣と大きな円盾を握り現れた。
「っ!おいおい、そんなんじゃ、身動きすらとれねーだろ、」
そのスケルトンがこちらの存在に気が付きとてつもない雄叫びを上げ始めた。
「こいつは、相手にしてらんねーな、逃げるが勝ちだろ!」
ガンマはそのスケルトンに背を向けるように走り出した。
「なるほど!少しは楽しくなってきたじゃねーか!っと、こっちにもあいつがいるのか、つまり子のマップのコンセプトは、」
“迷路”
「あのスケルトンに襲われないように逃げつつ正解の通路を辿ると、戦闘以外もなかなかにいいな、さすがは神ゲー、ユーザーを残念な思いにはさせねーっとことか。よっしゃ!スケルトン迷路攻略開始!」
ガンマはひとまず周辺の地形を理解することにした。
「行った箇所の壁にはメイスで殴って傷をつけておこう、分からなくなったら困るしな」
ガンマは壁に傷をつけながら頭の中でマッピングを続けて行った、が。
「んー、絶対におかしいだろ、確かに迷路にはなってるけど、全箇所にあのクソデカスケルトンが居るんだよな、」
メイスを器用に使って頭の中に描いた迷路のマップを書き始めた。
「う〜ん、怪しい箇所も特には無いし、あのスケルトンをボコす他ないのか?それにアイツらが動かないとも限らない、なんなら初めは動いてたしな、でもそのあと見たやつらは封鎖しているみたいに動かなかったし....あれは配置するために動いてただけなのか?うぅ頭パンクする.......」
考えるのに疲れたと言わんばかりに座りながら壁によりかかった時壁が少し歪んだことに気がついた。




