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走力それは全ての柱である


「ん、んんんんんん?ちょっと待ってくださいね?!お願いします!!!」


『さぁ始まってまいりました!第三回全力ダッシュユグドラシアの森!実況は私!天の声ガンマが行います!』


「......ってか、なんでこの俺が逃げまわんなきゃいけねーーーーんだ!!!!!」


『今回逃げる相手は巨大なダンゴムシ!ダンジョンのトラップでよく見かける岩ゴロゴロトラップの完全自律追尾バージョン!まっすぐ転がるだけでなく木も避ける上に当たったとしても薙ぎ倒す!減速しないために交わしているのでしょう!ガンマ!必死こいて走っています!!!ですがスタミナがだんだん不足して行ってます!AGIをかなり上げているが未だスタミナ不足!この状況どう出るのか!!!』


「このゲーム始まって何回走り回ればいいんだよ?!」


巨大なダンゴムシがゴロゴロと転がりその後ろにもさらに一回り大きいダンゴムシも連なるとんでもない状況。ガンダッシュで逃げるガンマを追尾するダンゴムシ、


「......いや、逃げれないんじゃね?????」


『現に本人諦めモードだ!!!!プロになってから2度しか死んでいないガンマ!まさかのここで3度目のデスになるのか?!』


「くっそ!!!!!!逃げんのはやめだやめだ!!!」


『おっと!巨大ダンゴムシ.....なんなら後ろにもまだ巨大ダンゴムシは連なっているが!この状況!どう生き残るのか!!』


ガンマはメイスと盾を手に取り打撃武器に補正をかける。


「買っといてよかったぜこのスキル!明らかに硬そうだもんな!!」


【ガードブレイク!!!】


【クリティカルスタン!】


ズガンととてつもない音と共に様々な形のエフェクトが飛び出し、クリティカルヒットしたことを知らせた。


「ぶっ飛べボウリング球!!」


巨大ダンゴムシをスタンさせ動かなくなったところにフルスイングの攻撃、もちろんクリティカルを叩き込み巨大ダンゴムシVS巨大ダンゴムシの激突が始まった。


『な、なななななーんと!ダンゴムシの衝突!ですがガンマが飛ばしたダンゴムシはガードブレイクを食らっているため少しづつヒビが入っているぞ?!』


「ボウリング対決に任せるわけねーだろうが!うおら!!」


ガンマはスキル【ヘイスト】を使い飛ばしたダンゴムシと拮抗している一回りでかいダンゴムシを後ろから強打する


「お前も食らっとけや!」


【ガードブレイク!】


持続時間ギリギリのところでクリティカル+ガードブレイクを叩き込み殻にヒビを入れる。


「弾け飛びやがれ!このボウリング球!」


ヒビの入った巨大ダンゴムシがお互いの装甲を剥がしながらメキメキと音を上げ衝突していく。一回り大きいダンゴムシが巨大ダンゴムシを砕き始め一瞬のうちにとてつもない爆発とともに粉砕された。間髪入れず一回り大きいダンゴムシも制御を失い球状ではなく地に足をつけようとバタバタ藻掻くがそのまま木を何本も何本も折りながらさっきのダンゴムシと同じようにとてつもない爆発を引き起こし粉砕した。


「...........なんこれ、」


あまりにも壮大で理解のできない爆破オチピタゴラスイッチ。


「ま、まぁー。素材落ちたし.....いっか、えっと?ダイナマイダンゴムシ?あいつダイナマイだったのかよ、だから最後あんな爆発したのか」


入手した素材を確認していると何やら変な進捗をクリアしたことになっていた。


「お?なんだこれ。えーっと、ギミックモンスターの討伐.......え?あいつギミックあったの??」


【ダイナマイダンゴムシ】

ある特定のアイテムで火をつけることで大規模な爆発を引き起こし砕け散るギミックモンスター。とてつもなく頑丈な装甲は武器の攻撃をある程度ノーダメージにしてしまう。


「ま、まぁ。いいか」


この時、ガンマはまだ知らなかった。このダイナマイダンゴムシのギミックアイテムは西大陸グランコードにしか売っていないアイテムであることを。


「さっきの巨大ダンゴムシのおかげでまたレベル上がっちまったぜ、2時間レベル上げして3Lvアップ.........カンストしてるヤツらはイカれてんな」


現在のレベル25、ガンマはソロである。完全ソロのプレイヤーが始めてまだ2桁時間もたっていな状況で25レベルというのはこのモードでは異例中の異例である。同じ状況下にいたペンタゴンですらこの時はまだ10レベルになど到達していなかった。


「それにしてもいい武器だな!これ!ツルハシを渡された時は意味わかんなかったけど、山に行って鉱石取ってくるだけで武器作ってくれんだから最高のクエストだったな!」


【錬鉱のメイス】

鉱石を濃縮した素材で作ったメイス。なかなかに優れた耐久をしており、壊れることは滅多にない。


「高い耐久を売り文句にしているだけはあるな!あのダンゴムシをぶん殴ってもまだまだ余裕があるし!ガードブレイクを使った時の耐久消費もあまり痛くない!こいつは一生使えるタイプの万能武器だな!いい相棒になりそうだぜ。それに比べて、俺って盾の扱いひでーのなんの、新調はしたけどめっちゃ安物買っちゃったし、ま、まぁ、今まで使ってこなかった弊害だな、ははっ....」


ぼぼ初期の盾に少しいい武器を握る脳筋聖職者。始まりの街ではソロで攻略をしている変態聖職者とも呼ばれているそうだが、ガンマは何も知らないもよう。


「ポイントはAGIとDEXに振って、と。このゲームにおいてはDEX、つまり器用さの重要性がアホほど高い。普通は遠距離攻撃の火力が上がったり回避率とか命中率とか、後衛職が上げるステータスだと思ってたけど、このゲームに限っては武器の()()()()に影響するのがかなりでかい、元々独りだとどうしても回避寄りになるだろうから振ってたけど、思いもよらない嬉しい誤算だったな」


武器の振り心地、それは意識しなくても思い通りに動いてくれる、ということを指す。重さや空気抵抗などを考慮せずに振るうことが出来き、寸分の1秒の誤差も無くすことが可能となる。もちろん、それはトッププレイヤーのガンマがNWOでこよなく愛するスキルと同じ効果であった。


「今日のところは一旦戻るか!明日になったら次の街の....えっと?なんだっけか?」


ガンマはマップを開き現在地と次の街の名前を確認した。


「えーっと、ここか、名前はトゥーツ。巨大な川に囲まれていて、中規模な土地の上に立っている街、大きな橋がかかっていることが特徴でユグドラシアの森をぶち抜いて、わざわざ橋まで架けて水上都市を建てた、と。始まりの街よりかは広いけどそこそこって言った感じの広さだな!その次がデカすぎて薄れてるだけかもだけど.....」


トゥーツの次の街、というか国。クロスコードはトゥーツが3つほどすっぽり入る広さをしているバカでかい町。漁業で生計を立てており南大陸最大の資金大国なのだそうだ。


「ん?てか、あのダンゴムシのせいで気が付かなかったけどさ、こっからだと帰るよりもトゥーツの方が近いじゃん」


ダンゴムシとの全力鬼ごっこで気が付かなかったが、ユグドラシアの森もかなり進んでいたそうだ。


「せっかくだしもう行くか!トゥーツ!よーし!思い立ったら吉日!行っとけば良かったがいちばん嫌いな言葉だからな!出発!目標!トゥーツ!!」


道中ほとんどモンスターが出てこずゆったりと散歩しているだけであっさりとトゥーツに繋がる大橋に着いた。


「おぉぉ!あれがトゥーツか!....って、前言撤回、何がそこそこだよ、あれで大陸最大じゃないのな、水城城塞都市ってのが似合いそうだな」


森をぬけた先にあったのは大きな城に強固な城壁に囲まれた水の街。街からは二方向に大きな石畳の橋が架かっている。その橋の手前には門番らしきモンスターが立ち塞がっていた。


「ほ〜?あいつをぶっ飛ばさなきゃあの街にはいけねーっとことか、はっ!上等!」


ガンマは堂々とそのモンスターの前に歩みを進めた。進めば進むほどかなりの大きさな()が橋の手前で寝転がっている。その鳥はガンマが近づいてくるのを察知したのか、ゆっくりと目を開けて体を起こし、ガンマに目線を向ける。


「お前を倒さないと俺は次に進めねーんだろ?ここまで来たんだ、おめおめと帰るわけねーだろうが!」


【水鳥 グリフィン】パーティー推奨

水を操ることを得意とする四足の鳥。大空は勿論のこと、水中ですら得意気に羽ばたき獲物を狩る。とても凶暴だが頭のいい生物。勝てる相手を見つけては襲いかかり己の糧として食らう。


「水鳥 グリフィン!正々堂々と.....勝負!スキル、ヘイスト!」


ガンマはグリフィンに向かって武器を持たずに勢いを乗せた右足による蹴りをお見舞いした。それをグリフィンは右足を少し出し足裏で受け止めてみせた。


「なるほど、こいつはかなりの強敵だ、な!!」


ガンマは蹴ったばかりの右足を地につけさっきの蹴りがフェイントだったかのように右足を軸に左足による回し蹴りをグリフィンの腹に食らわせ少し距離を取った。だがそれすら気にしないかのように衝撃を受け流した。


「かぁー、結構いいのだったろうが、ただまぁ、さっきよりも()()()()()()な?今の一連の動作だけで俺を危険因子だと判断したんだろ?見せろよ、お前の技も!!」


ガンマは今一度グリフィンに向かった。


「っ?!」


グリフィンは周囲に水滴を浮かべ始めそれを発射し始めた。その威力はまるで弾丸のようであった。


「ちょ、ちょまってって!急にやる気出しすぎだろ!」


ガンマは即座に武器を取りだしその水滴をジャストパリィしひるむことなくグリフィンに向かって直進する。


『さっきのぶつかり合いで分かったがこいつの硬さはかなりの物だ。エリートウルフ並の硬さに加えてこの「速射性」「弾速」「威力」の水滴、水鳥って名はダテじゃない、もしかしたら水を操る能力なのか?くそ、考え出したらキリがねーな、』


「まずはいつものが食らうか試すかな!」


弾丸の如く水滴を完璧に対処しながらゼロ距離(インファイト)まで持ち込み【クリティカルスタン】を発動しメイスを叩き込んだ。


「どーだ!この前の糞鳥(エクスバード)に比べたらまだマシだぜ!空高く羽ばたきながら糞爆撃でもできるようにして出直してくるんだな!」


グリフィンは回し蹴りの時とは打って変わって体が少し硬直し攻撃をいなせずにいた。


「まだまだ行くぜ!!」


その少しの硬直の間にメイスによる一撃とシールドによるタックルを腹にお見舞いした。


「さすがは錬鉱のメイス!こんな使い方でもまだまだ余裕だな!」


バサッと音が聞こえ始める。


「..........そりゃ、そうですよね、」


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