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夢物語  作者: 夢見隊
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第6話 短期決戦

数分前 2年2組

突然のことで皆ざわついていた。

「何でこんなことに…ッ!先生!ケイ…レオはどうしたんですか!?」

キルは俺が居ないことに気付き、ガリヤードに尋ねた。

「ッ!…あいつは…陽栄軍は自分が目的だと言って…あのドームの中で戦っている…」

「…は?いやいやいや、そんなわけないじゃないですか…冗談とかいいんで…真面目に答えてください」

キルの声には怒りが滲み出ていた。

「本当だ。現にレオがここに居ないのは…そのせいだ」

キルは席を飛び出し、教卓を乗ってガリヤードの胸ぐらを掴んだ。

「ふざけるな…ふざけるなよ!!要するに、お前は生徒の1人であるレオを!あそこに置いて戻ってきたのか!?お前それでも教師か!!」

「行かせろって言ったのは校長の指示でもあるが、何より…あいつの意思でもある」

「貴様も行けばよかっただろ!!」

「俺があそこに居たら足手まといになってしまう」

「んなわけねーだろ!!!雑魚の1匹や2匹は倒せるはずだ!!」

「俺はもう怪我でそんなに動けない…昨日も戦いで無理したからまともに戦えないんだ。すまない…」

「ッ!…クソッ!!」

キルは教卓を降りて席に座った。

「何か、俺に出来ないのかよ」

「少しすれば英雄隊が来る。それまで耐えてくれればいいが…」

その時、校舎中に光が差し込み、雷鳴が鳴り響き始めた。

「何だ!?」

外を見ると、ドームが燃え盛り、豪雨となり、凍て尽き、岩が降り、風が渦巻き、雷が落ち、レーザーが放出し、ドーム全体が少しずつ潰れ始めていた。開戦の合図だ。


ドーム内

「俺のストレス発散に付き合ってくれ。じゃないと学校ごとここら一帯が消える」

俺は全て(火、水、氷、地、風、雷、無、重力)の魔法を発動した。

「酷いねえ!!これがかの英雄様がやることかあ!?」

「お前らのトップがやった事忘れたか?俺は厄災の前兆だろ?お前らに厄災をやるって言ってんだ」

「こりゃあとんだプレゼントだな!じゃあ俺からはリラードに会える券をプレゼントしてやるぜ!!来いよ!!プレゼント交換といこうじゃねえか!!てめえのはいらねえけどなあ゙‼ケイソレイ!!!」

「ッ‼…ああ、殺してやる」

俺は飛んでバルトに近づき、バルトを斬ろうとしたが右腕で防御された。バルトは拳で戦うタイプだが、肉体そのものが硬いので鎧や武器が要らない。

「どうしたあ!斬れてねえぞ‼今のお前じゃ斬れねえかあ⁉」

「斬ろうとしてねえ、押し込んでんだよ」

俺は風+重力魔法と《真眼・劣》でバルトを押して学校から遠ざけた。

「へえ?だが、これならどうだ!?」

バルトは後ろから岩の柱を出して勢いを止めようとしたが、俺はそのままバルトを壁にしつつ勢いで岩の柱を破壊し、ドームを破壊し、突き抜けた。

「チッ…そろそろ、こっちの番だろ‼」

バルトは刀を払って空いている左手で顔を攻撃したが、俺は≪総黒渦≫で剣を出して防ぎ、払われた勢いで回転して右足で顎を蹴り、かかと落としをして地面に叩きつけた。

「ぐっ…舐めんじゃねえぞクソガキが!!」

バルトはすぐに飛んでレオの元へ向かった。

「…元々舐めてたのはどっちだったかな」

俺はあらかじめ用意しておいた何万もの炎弾を一斉にバルトへ放出した。

「こんなもんで殺せるかあ!!」

バルトは当たっても無傷なので、そのまま突進して俺に近づいた。

「取った!!死ね‼」

その時

「取った!!死ね‼」

バルトの攻撃しようとしていた右腕が消し飛んだ。

「…は?」

「は?じゃねえ、圧縮した炎の柱だ。喜べ、おまけ付きだ」

そう言うと、俺の攻撃でのけぞったバルトの背中を炎の塊が貫いた。

「がはっ⁉」

「おお、強くなったとはいえ雑魚だな」

俺は炎の雨を降らし、バルトが来る間に右手に炎を圧縮して、バルトが来た時に圧縮した炎を放出し、それに気を引いている間にさっき出しておいた炎の雨を方向転換させてバルトの背中に一転集中し、炎を圧縮できたと同時にそのまま背中を貫く。そういう作戦だった。

「…で、どうする。撤退するか?…まさか、まだやるなんて言わないよな?雑魚相手に1撃で死なないよにするのも難しいんだ?」

「ぐっ…次は…次は、必ず…殺してやる」

「そうか。じゃあな」

そう言うと、黒い渦が出てきて、バルトはその中に消えた。

「…あいつらが来る前に撃退完了~♪。なんつって」

俺は隊服と武器を仕舞い、着地した。

「さてと、戻るか…うっ!げほっげほっ…」

突然、俺は吐血した。

「…また知らない内に限界が…くそ…」

俺は倒れた。


2年2組内

俺とバルトがドームを出てからは、ずっと生徒たちが見ていた。

「陽栄軍の頭が…撤退してる…」

「おい…あいつ、勝っちまったぞ」

「隊長クラスを超えてるだろあれは」

「そりゃそうだよ…隊長クラスの証の腰にマントがあるのもそうだし、英雄クラスの襟があるんだぞ」

「だとしてもあれはやばいだろ」

キルとガリヤードは俺が勝ったのを見て喜んでいた。

「先生…レオが…生きてます」

「ああ、よかった…あ、まずい!あいつ倒れるぞ‼」

「え?でも、元気そうですけど…」

「今はまだ疲れに気付いてないだけだ!クソ、迎えに行かねえと!」

俺は倒れた。

「あ」

「やっぱり…ったく、無茶しやがって…今行くからな」

そう言って、先生は窓から飛び出した。


「ん?あれは…やっとか…ったく、来るのが遅…いや、レオが速すぎただけか…」

レオに5人の白い隊服を着た人たちが向かって来た。

「英雄隊!」

「ん?…ガリヤードさん!」

先生と英雄隊がレオが倒れてる場所で合流した。

「レオ!?どうし…いや、気絶してるのか…」

「レオは…1人でバルト・ムガル率いる陽栄軍を撃退してくれた…すまない」

「レオが⁉そこまで強くなかったはず…いや、あれを制御できるようにしたのなら……ガリヤードさんは何かあったんでしょう?なら謝ることはありません」

「…そう言ってくれると、気持ちが楽になるな…ありがとう」

「いえ、仲間として当然です。その言葉はレオが起きた時に言ってあげてください」

「そうだな、分かった」

「2人共、そろそろレオのこと心配してやれ」

「あ、そうでした。……体の限界で倒れたのか…」

「だろうな」

「…もうここまで無理を…」

「…あんな事があったからな」

「…敵を倒す前に自分が倒れてどうするんですか、何回も倒れて…」

「こいつには、自分を大切にすることを叩き込んでやらんとな」

「それを何回もやってこれですから難しいでしょう。レオの想いは計り知れませんからね。何か、無理をやめさせる…いや、やめれる何かがあればいいんですが…」

「事情を知ってる俺らでそういう場所を作ればいい」

「…そうですね。さて、どこに運びます?」

「東部外壁がいいだろ」

「そうですね。じゃあ、運びます」

「よろしくな」

そうしてレオは英雄隊に運ばれた。

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