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夢物語  作者: 夢見隊
解放
51/51

第50話 感謝と謝罪を意を込めて、ただいまを

「……くっ≪天咎≫‼」

「≪リラード・クロス≫‼」

ガリヤード、リラードは最高火力を放った。

〚そんなもんが、神に通用すると思ったかあ⁉〛

2人が放ったスキルは、いとも簡単に払われた。

「…クソ…‼」

「聖王‼聖王‼」

〚…すま…ない……〛

〚…最後のお別れは済ませたか?〛

「は?…最後…?」

〚戻るぞ、聖王。1つにな〛

すると…聖王は魔王の中に引きずり込まれた。

「聖王‼」

〚はあああああ……があ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙‼〛

叫びと共に、魔王は炎の柱に包まれた。そして…そこから出てきたのは、人間サイズになった魔王だった。

〚はははははは‼いいねぇ…やっぱこの体が馴染むなあ‼契約で聖王と少し繋げておいてよかったぜ〛

「体が…小さく…?」

〚おっと、弱くなったなんて思ってないよな?そうだなぁ……これで、どうだ?〛

魔王がゆっくり右手を開き、手の中の何かを壊すように握った。すると

「ッ⁉」

「しまっ⁉」

天界の地面が壊れ、天国地獄の人たちは落ち始めた。

〚よかったな‼天界の下は下界だ‼下界に落ちたら生き返れるぜ‼まあ…そのまま落ちて死ぬだろうけどな‼でもな、もう天界に地面は無いぜ?これからは落ちて死ぬの繰り返しだあ‼はははははははは‼〛

「くっ…こんな…‼」

「ここまで来たのに…‼」

「……お兄ちゃん…ごめん………」



「≪真眼≫」



黒い隊服が現れ、落ちていく人たちの速度を落とし、安全に地面に降りさせた。

「…え?」

「大きいな…2歳年上だしな。あの時先に死んだのも納得だ」

「…お兄ちゃん…?」

「年上にお兄ちゃんって言われるのは変な感じするけど………ただいま、ルル」

俺はルルを抱え、ゆっくり地面に降り、ルルを下ろした。

「決着、付けてきたよ」

「ッ‼…おかえり」

「ああ…ありがとう」

「レオ!」

「レオ…」

「…良いとこ取りに来たかい?」

「いいタイミングで来やがって!」

「タイミング見計らってたな?」

「…よかった…」

「…言葉が出ないな…」

「英雄隊…」

「終わったんだな…」

「…たく、振り回されてばっかだ…」

「ジン…ジャック…」

「…後で新曲聞いてよ?」

「メドレーで送ろう」

「キル…ボルス…」

俺は深呼吸をした。

「…罪とか言ってたけど…皆は許したって言った。なら俺は自分を許さないと、似たような境遇の人たちが生きていけなくなる。それに…もう、心配させたくないしな」

「うん‼」

「さてと…そろそろ」

「レオ!」

「ん?…ッ………」

レイ、エジレス、クスアードだった。

「………どうした?」

「聖王から聞いた。…あの時、あそこまで追い込まれてたとは知らなかった…今考えると、悪かったのは俺らだ…ごめん。だけど…」

「今更なのは分かってる…それでも‼」

「あの時の関係に‼戻らせてくれ‼」

「ッ‼………あいよ‼レイ、エジレス、クスアード‼少しは力貸せよ⁉」

「ッ!ああ‼」

「俺らの力は知ってるだろ⁉」

「舐めんじゃねえ‼」

「…さてと、行くか」

俺は布都御魂を帯に刺した。

〚お前ごときが俺に勝てると思ってんのか?〛

「勝てる。俺だけじゃなくて、皆となら」

〚…は?〛

俺は息を吸った。

「皆‼契約だ‼皆のスキルや契約の力を全て、俺に渡してくれ‼終わったらその強さは消える…でも、俺らなら力が無くても生きれる‼だよな⁉」

「…ああ…」

「そうだな…!」

「当たり前だ‼」

「やってやらあ‼」

「「使え‼俺らの力‼俺らの想い‼」」

「…布都御魂。皆の想いを俺に伝えてくれ」

すると、契約成立、想いを伝える神器である布都御魂の力により、俺の力と真眼がとてつもなく上昇した。

「…≪真眼・皆≫‼」

俺はスキル≪真眼・皆≫(しんがん・かい)を発動した。俺だけじゃない、皆の想いも力に変えるスキルだ。

〚こ、こいつ…チッ神の力を舐め〛

「聖王‼最後の大仕事頼んだ‼」

〚何を言って…ッ⁉体が…動かない…‼〛

【俺と一緒に…消えろ‼】

〚ッ‼お前え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙‼〛

「…ルル」

「?」

「今から回りくどい言い方をする」

「…」

「…月は綺麗だな」

「…え?」

「よっ!」

俺は魔王へ飛んだ。

〚待て‼そんな力使って、無事じゃ済むまないぞ‼それに、俺が消えたら世界が消えるぞ‼世界と契約とスキルが消えるぞ‼お前らも消えるんだぞ‼〛

「ケセラセラ。なんとかなる‼」

〚ふざけるなあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙‼〛

魔王が、攻撃範囲に入った。

「…じゃあな」

〚クソ‼クソオ゙‼…クソオ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙‼‼〛

俺は、最後の力を放った。

「≪幾星霜の祈り≫」

〚ぐはっ‼〛

魔王に攻撃が当たり…消えた。


俺は地面に降りた。

「ヤマタノオロチ。神に近い存在なら、この神器があればいいか?」

俺は布都御魂をヤマタノオロチに渡した。

〚…元はそれだけでは足りなかったのだが…ヴィラバドラと夜叉を戻せたのでな。大丈夫だ〛

「…よかった。じゃあ、これから世界を頼む」

〚…ああ〛

ヤマタノオロチ、ヴィラバドラ、夜叉は天界へ戻った。

「…レオ…何で世界が消えてないんだ?」

「ああ。なんか神に近い種族の龍族と巨人族と鬼族がいて、そこの長と全ての神器があれば…スキルと契約は消えるけど、世界はそのままにできるって」

「…そこまで考えてたんだ…」

「お兄ちゃん‼」

「…ルル」

「…あの言葉の意味、分かったよ」

「…言ってみて」

「…月は綺麗だな。普通なら月『が』綺麗だなになるけど…『は』って言った。それって………私が月だから?ほら、私スキルで月光使ってたから…月の光を出すのが私ってことで……私が月なのかなって…」

「………ごめんな。こうでも回りくどくしないと恥ずかしくて告白できないんだ」

「ッ‼…」

「…また…この手を取ってくれるか?」

「…うん…‼」

その時

「?…力が抜けていく…」

俺の力は消え、隊服の色が白くなった。だが…髪色は変わらなかった。いや、リラード、ジン、ルルの髪色が黒くなった。

「ッ⁉何で…」

「…たぶんだけど、英雄っていう力も消えたのかも」

「なるほど…」

「今力が消えたっぽいね。真眼………うん、スキルも使えない」

その時

「ッ⁉あ、あれ…おかしいな…」

俺は涙が出始めた。

「別に悲しんでないのに……な……何で………う…うぅ……」

拭いても拭いても、出てくる。段々…勢いを増して

「…えい」

ルルは俺を抱きしめ頭を撫でた。

「ッ⁉」

「…これまで辛かったね……でも、これからは私たちがついてる。レオが死んでも寂しい思いはさせないよ」

「う…ゔあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ん!!」

俺は泣き始めた。これまでの辛さを吐き出すように

「ふふ、よしよし…」



1年後 家

「…よし、できたぞ!」

「ほんと?じゃあ早速出そう!」

「ああ!」

俺らは外に出た。


「クルス王国に行くよ!早く早く!」

「ちょ…そんなに急がなくても…はぁ…はぁ…俺体力無いんだから…」

「英雄様でしょ?あの時みたいに速く!」

「もう英雄様じゃないって…無茶言わないでくれ、あの時に強さが全部消えてからあんまり体動かして無いんだから……キッツ…」

強さが消えたあの時、俺は力を使った反動で皆より弱くなった。今はあの超人的なことどころか、一般人より少し下の身体能力になった。まぁ…それだけで済んだのは真眼・皆が無意識に自分を護ったのか…最後の最後で聖王が助けてくれたのかは、分からないけどな。

「…ん?あ、ジン!ジャック!ケレデマ!」

「おお、レオ!」

「なんか、随分と…」

「うっきうきしてるけど、何かあった?」

「小説!完成したから今持って行ってる!」

「おお!」

「1年の戦いが終わったか」

「じゃあ見せてもらおうかな」

3人は俺らに続いた。あの時、地獄の人たちも生き返った。でも、もう今は凄く良い人ばっかになった。天国の人と地獄の人は互いに仲良く暮らしている。魔人も獣人も一緒だ。


クルス王国

「…あ、レオ!」

「はぁ…はぁ…おお!リラード!小説!…はぁ…完成した!」

「うおおお!じゃあ今持って行ってるのか!」

「8か月くらいでよくやったな」

「かっこよく描いたか⁉」

「かっこよく描いてないわけないな」

「…少し恥ずかしいね」

「付いて行けばすぐ見れますか?」

「眠い…ま、今回は覚まさないとな」

「皆見たいか?じゃあ…英雄隊!俺に続け!」

「「了解!」」

その時

「お~い、俺らに会いたかったんだろ~?俺らも会いたっかからな~」

「レイ!エジレス!クスアード!」

「話は聞かせてもらった」

「俺らも行くからな?」

「はっはっはっは!じゃあ、行くぞ野郎ども!」

更に英雄隊と親友組が増え、俺含めて15人になった。


クルス城

「星の2人!ガラード!ルアード!はぁ…はぁ……来たぞ!…はぁ……キッツ…」

「あ、レオ!」

「今日はどうした?」

「言わなくても分かってる!…来たってことは…?」

「ああ……完成した」

「おおおおお!」

今はキル、ガラード、ルアードが世界を統治してる。何で世界かって?ああ、国っていう境界線が消えたからな。

「んで…何でここにここに持って来させたんだ…?すっげえ疲れたんだけど……疲れた……」

「何でって…1番に小説見たかっただけだが?」

「えぇ…」

「リラードが言ったんだ。これくらいなら許すってな」

「リラード…?」

「…てへ☆」

「…まあええか。んじゃ、見るか?俺らの歴史」

「おや、レオとルルの恋物語じゃないのかい?」

「ッ⁉………恥ずかしいからそういうのやめてくれ…少しはそれも描いてるから…」

「他の子に目移りしたからとかじゃないのかい?最近セラ、ミオ、ユナ、ノアって子たちのグループが有名だけど」

「…逆に聞くけど、目移りできる程の勇気が今の俺にあると思う?おかげでずっと一途だ」

「いいね。その言葉が聞きたかっただけだけど」

「…やられた…」

「おい、早く見ようぜ?もう待ちきれねえよ」

「はは、そうだな」

「よし…じゃあ皆!とくとご覧あれ!紆余曲折を経て皆幸せになる…夢物語を!」

俺は夢物語の1ページ目を開いた。

ここまで読んでくれた方々へ


ここまで読んでくれてありがとうございます。これで、人生最初で最後の小説は終わりです。本当に…本当に、ありがとうございます。これで人生悔いは無くなりました。それでは、さようなら


夢見隊より

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