表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢物語  作者: 夢見隊
解放
43/51

第42話 近くで貴方の帰りを待つ

5カ月後

「レオ!お姉ちゃんと一緒にご飯食べよ!」

「…うん」

「今日はえび天うどんだって!やったね!」

「…うん」

ここは、神様がいる天界の天国(天界には地獄、天国、狭間、戦場の3つの場所がある)。ここで私たちは平和に…とはいかないけど、仲良く暮らしてる。

「あんたたち!ご飯だよ!」

「は~い!アザレアさんが呼んでる。行こ!」

「…分かった」

天国に来た瞬間から、お兄ちゃんは壊れた。精神崩壊と記憶喪失を患って、最初の1ヶ月くらいは人形になったのかなってくらい何も喋らなくなった。それからしつこいくらいお兄ちゃんと接して、なんとか普通に話せるくらいになるまで英雄隊の皆で頑張った。だけど…それからは誰とも仲良くしたくなさそうにしてる。リラードさんは「記憶は無くても…どこかに、あの時の皆から離れないとっていうのがあるんじゃないかな」って言ってた(天界に来たら心を含む全ての傷が治るはずなのに、お兄ちゃんの目の傷だけは治ってない。体の心配をしないで真眼を発動して治さないようにしてるせいで、精神崩壊と記憶喪失を患ったんだと思う)。その理由を聞いて私たちは、これまで以上にしつこく優しく接してきた。そうすれば、いつか人間恐怖症も記憶喪失も治ると信じて。

「ん~!レオ、美味しいね」

「うん」

「ほんとかい?よかったよ」

「う~ん…アザレアのご飯ってここまで美味しくなかったような…」

「リラード?あんまりそういうことは言わないんだよ」

「嘘つきは泥棒の始まり!」

「知らぬが仏だよ」

「うっ…ごめん…」

「別に構わいやしないけどね」

「はは。なんか茶番劇でも見てる気分になりますね」

「だいたい日常はリラードとザンザがいれば漫才か茶番劇になるからな」

「仕方ない」

「飽きないから別にいいがな」

「…ご馳走様。おやすみなさい」

「ソラさん…せめて布団の中で寝てください。あと、食べた直後に寝ないでください。太りますよ」

「別にいいだろ?迷惑かけてないし」

「…深夜に棚の中を確認したらカップラーメンが無くなっていました。貴方ですね?」

「………ごめんなさ」

「ふん」

「いてっ」

「今はデコピンで済ましますが…次はつねりますよ」

「分かったって…」

「ふふ、なんか子供みたい」

「俺、一応27なんだが…」

「え?そうだったんですね。俺21なんですけど…年下に叱られてるの変じゃありません?」

「ごめんって……母さん」

「誰が母さんですか」

「俺とラーは20歳だぞ!」

「あんまり人の年齢を言うなよ。アホに見えるぞ」

「俺は57だな」

「俺は29歳!心は18歳!」

「あたしは……乙女の秘密だよ♡」

「おとめえ⁉はっはっは!アザレア、三十路で乙女は笑っちま」

「乙女の秘密だよ‼」

「ぐはっ⁉なんでえ⁉」

「へ~アザレアさんって30代なんだ」

「ルルちゃ~ん?」

「は~い!」

「何が好き~?って、歌ってるわけじゃないよ」

「ははは!ほら皆、早く食べないと冷めちゃうよ」

「そうだった!じゃあもう1回いただきま~す!」


30分後

「ごちそうさま!じゃあレオ、何しよっか?」

「…ルル、そろそろ」

「え?なんか早くない?…こんなもんか」

「…姉さん…また…行くの?」

「心配してくれるの?ありがとう、優しいね。でも心配しなくて大丈夫!お姉ちゃんは強いんだよ!またすぐに帰るから、帰って来たら一緒にまた話そ?」

「…分かった…」

「じゃあ行って来ます!」

「…行ってらっしゃい」

ルルたちは渦の中に消えた。


戦場

天界では、天国と地獄の人たちが月に1回争ってる。何でかって言うと…地獄を率いてる魔王が他を争わせてそれを見るのが趣味のせいで、最初は毎日争ってたらしい(死んだ後も戦わなければいけないことを皮肉って、定戦と呼ばれてる)。最近は天国を率いてる聖王が頑張って、力で月に1回に抑えてる(魔王はこの戦いへの意欲向上の為に、勝った方は生き返れるという嘘を言っている)。戦うときは、時間になると渦が出てきて戦う為だけの場所(戦場)に出される(少し時間差があるため、開戦の合図は魔王がする)。戦いたいかどうかは選べるけど、そのせいで地獄の方が数は多い(天国側は歴代の英雄がいたりするから質で戦ってる。もちろん地獄側にも英雄はいる)。ちなみに、戦いが終わるとすぐに怪我は治る。天界でいう死は定戦が終わるまで動けなくなるだけ。

「…ルル、今更だけど本当にいいのか?無理せずレオと一緒にいてもいいんだよ?」

「ただでさえ少ないんだから、少しでも戦力は欲しいでしょ?それに…こんどは私がお兄ちゃんを護る番だから!」

「ほおう、流石はレオの彼女さんだ」

「ちょっと恥ずかしいけど…でしょ?」

「たぶんだけど、レオは甘やかしてくれる年上が好きだろうからね…ルルはドストライクだろうさ」

私は天国に来た時から凄い早さで身長が伸びた(出会ったときが120㎝くらいで、死んだときは150㎝くらいだったのに、今は170㎝くらい)。聖王に聞いて、実は16歳だったことが分かった。

「ほんと?やった!」

「でもアザレア、あいつたしか彼女は作らんし結婚はしないって言ってたぞ」

「ザンザ…あたしらもサポートするんだよ」

「なるほどなあ!」

「…皆。そろそろだよ」

地獄側と天国側、両方とも揃っていた。

〚お前ら。いいぞ、いつからでも始めろ〛

〚…皆…頑張って〛

魔王と聖王が声をかけた。

「…さてと………武器を持て‼」

すると、一斉に武器を持った。

「この引き分け続きももう終わりだ‼帰る場所を守る為に、今日こそは勝つぞ‼俺に続け‼」

天国側と地獄側は一斉に進軍し、戦いを始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ