第13話 伝承通りなら
「ウェイ」
「ウェ~イ」
「距離感バグってる?」
「さてと…用件は?」
「レオ…民を刺したのは本当か?」
「…ああ」
「話は聞いている、全責任を持とうとするな。レオの悪いところだぞ」
「…」
(変わってしまったな。あの時はもっと自分を出していたぞ…民による私刑で自分の思いを言えないならば、性格も捻じ曲がるのも仕方がないだろうが…)
「…まあ、どっちにしろなんかあるんだろ?」
「すまない」
「お前が謝ってどうすんだ」
「…」
「ほら、焦らさずに早く言え」
「…使う武器は、折れた刀だけしか使ってはいけない」
「…なん…だと?」
「すまない…」
「いやいやいやいや…え?それだけ?」
「そうだが?」
「右腕も斬れくらい言うかと…」
「英雄にそんなことはさせんよ」
「かっけえ(小並感)」
「はっはっは!民を護るのは王としての義務だからな」
「…ちなみに」
「ん?」
「片腕無いし真眼使わないと目が見えないし武器もあれだけど…魔法は?」
「あり」
「スキルは?」
「あり」
「この左腕生やすのは?」
「流石になし」
「使っちゃいけないだけで総黒渦にあるやつは?」
「没収なんかするか面倒くさい」
「そうなると…四天王は倒せるくらいなんだけど…もっとペナルティ付けないでいいのか?」
「な~に、バレなきゃ問題ない」
「えぇ…」
「それにいいか?こういうのは、罰を与えたという…事実?建前?が大事なんだ」
「きったねえ大人だな」
「大人は汚いものだ」
「まじ?」
「まじ」
「じゃあ大人全員歯に青のり付いてんの?」
「いや急に何を言って…あ」
ボルスは爪楊枝で青のりを取った。ちなみに、俺にはチョコがあった。
「…よし」
「取れた?」
「爪楊枝が折れたし歯茎から血が出てきた」
「なぁ~にぃ~!?やっちまったな!」
「男はだm」
ギャグシーンが多いんで閑話休題
「あ、ちょ、作者あ!せめて最後まで言わせrぐはあ⁉」
「王様あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!作者…てめえなんか怖くねえ!!ぃやろお゙お゙お゙お゙ぶっ殺してやらあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!うっ!」
「ああもう滅茶苦茶だよぉ」
もう1回閑話休題
「いてぇ…これ以上はやめとこう…さてと、レオに頼み事があるんだが」
「スキルを使わないと目が見えないじじいに何の用で?」
「シャード共和国に助けを求めようと思ってな、空船で行こうと思うんだが…途中が四天王の空域でな。防衛を頼みたい」
「あの機械大国か。あっちとは仲いいだろ?この被害に気付いて来るんじゃ…いや、それはあっちもか」
「礼儀もあるしな」
「そうだな。おけ、いつ行く?」
「1週間後」
「う~い、じゃあ俺それまで鍛えてるから」
「おっけー」
「遊びの約束?」
「…で、誰か俺の家の近くの森に連れていってくれないか?右目は見えるようになるけど真眼って消耗激しいなんてもんじゃないからあんま使いたくない」
「ああそうなんだ……あれ?じゃあけっこう最近連続で真眼使ってたけど…」
「もぅマヂ無理、死ぬほどきついし今にも倒れそう」
「やばいじゃん!」
「本当は?」
「え?」
「今言った通りバリキツイのはマジだけど…今なら四天王全員程度だったら倒せるくらい」
「回復速度バグってるじゃん…」
「だって常時真眼使ってるし」
「「「「「「「え?」」」」」」」
「常時使わないと回復が間に合わないから仕方ない、じゃあないかぁ。なんならその回復も間に合わないからこの1年で少しずつ弱ってる」
「…訓練時間を減らせ」
「断る」
「…」
「話を戻そう……俺らは復興の手伝いで無理だし、キルが連れて行ってくれ」
「いいですけど…どこですか?」
「クルス王国の外に霧森があるだろ?その近くにレオの家がある」
「遠くない?」
「俺にはいろいろと問題があるからな」
「大変だな」
「そのおかげで強くなれたのもあるけど」
「流石」
「はは…じゃあ俺ら行くぞ?」
「あ、レオ!これ、隊服」
「おお直してくれたか、助かる」
「行ってら~」
「じゃあキル、よろしく」
「ああ」
そうして、俺とキルは霧森へ向かった。
40分後 霧森
「そういえば何でここに来たの?」
「家だからってのもあるけど、この通り目が見えなくなったから、五感を鍛えて感覚で地形とか敵の場所とか分かるようにする為だな」
「…レオってさ…」
「?」
「人間?」
「ああよく聞かれる」
「もっと意味分かんない」
「とりあえず人間ってことで」
「え、実は人間じゃない?」
「普通に人間」
「さっきの言い方は何だったんだ…」
「俺は鍛えるけどキルはどうする?」
「うーん、見学でもしようかな」
「見るだけじゃ分からないと思うけど…まあいいや、じゃあ始める」
「頑張れ」
俺はキルから少し離れて気持ちを切り替えた。
「ふぅー…」
俺は隊服を着て、全方位に1回風の魔法を放った。
「ぐっ…無詠唱で1番強いの出せるのおかしいって…」
この世界で魔法を放つのにMPとかは要らないが、単純に放つのが難しいからただでさえ詠唱しても難しいのに、無詠唱で使えるやつはこの世界で10人くらいしかいない。
「………ああクッソ、駄目だ、5mくらいしか分かんねえ」
「お?それは遠回しに俺を侮辱してるのかな?」
「これはかたじけない」
「武士?」
「戦闘で5m分かってるくらいじゃ論外だしな…」
「君レベルの戦闘だったらそうでしょうね」
「だからもっと頑張らないと…ッ!《真眼》ッ!」
俺は敵を倒しに行った。
「レオ⁉」
「はぁ…はぁ…」
「怪我させやがって、これで最後だあ!!」
「うっ!」
魔人が女の子を切り裂こうとしたその時
「最後はてめえだよ!!!」
「ぐふぉあ⁉」
俺が顔面をぐちゃぐちゃにしないように、1発で殺せるようにぶっ飛ばした。
「ふぅー、よし」
「あ…あ…」
「あ、ごめん!怖がらせるつもりは無かったんだけどね…大丈夫?」
(はは…俺も死ぬ日が近いか…)
「…は…はい」
「よかった~、ええっと…とりあえず、怪我の治療しようか」
「レオ~」
「おお、遅かったな」
「レオが速すぎるんだって…え…」
「凄いよな、偶然」
「?」
その女の子は、髪が白かった。