第10話 自分を敵にしたが故
深夜
「…?何だこの…ッ!爆発音⁉」
俺は謎の爆発音で起こされた。すぐに家を出ると、クルス王国に火の手が上がっていた。
「一体何が……ん?あれは…陽栄軍…いくらなんでも早すぎるだろうが…とりあえず、早く行かないと。ッ!あれは、ドラゴン?」
クルス王国に行こうとしたら、ドラゴンの咆哮が聞こえた。右の空を見ると、炎が飛んできた。
「龍もいる…しかも両方奇怪龍か…」
ドラゴンは、2か4足歩行の背中から翼が生えており腕はあるのと無いのがいる。龍は、4足歩行の翼無しで蛇のように飛ぶ生き物だ。そして、奇怪龍とは、ドラゴンと龍の強さを表す言い方で、1番上だ。
「…最高出力でやればギリギリいけるか。《真眼・劣》、≪天の一滴・雷帝≫」
俺はスキル≪天の一滴・雷帝≫(あまのひとしずく・らいてい)で電気性の超高圧エネルギーの滴(約5㎝)を雲から落とし、2体の奇怪龍の間で破裂させた。すると、雨も降っていたおかげでより広範囲に広がり、奇怪龍は消し飛んだ。
「…よし、行くか」
クルス王国へ向かおうとした時
「…は?」
俺は地面からの爆発に包まれた。
「はははははははははは‼英雄っつっても、所詮は人間だな‼地雷1つで片腕が吹き飛んでやがるぜ。さてと、近くで無様な姿を拝みに」
その時、魔人の血が爆発して開花した花のようなり、塵となって消えた。そして、俺は倒れた。すると、右目の傷を含む全身の怪我が治った。
「…もう起きねえだろ…?」
気絶すると、もう一方が出てくる。
「…フフフフフ…はははははははははははははははははは!!!さあ!ショータイムの始まりだあ!!」
ジャックはクルス王国に向かった。
クルス王国
「うわっ!」
「ッ!危ない!」
「はあ、はあ…」
「早く城に!」
「は、はいっ!」
「クソ、まだ逃げ遅れが…頼む、早く来てくれ…レオ……いや、俺らが安心できる場所をッ!」
クルス王国は四面楚歌でまさに地獄だった。魔討隊…いわゆる軍なんだが、その魔討隊が総出で救助と撃退を行っていた。陽栄軍が来るのが普通より20日程早く、全く準備ができてないまま来てしまったせい(いつもなら月の終わりくらいに来る。それまでは休む時間も少ないのでギリギリまで迎撃準備せずに休んでいる)もあるが、この日、英雄隊はいつも東以外もサポートするおかげで比較的楽に撃退できるんだが、その肝心な英雄隊は通常の5倍10倍くらいの数で襲撃されたせいでサポートする余裕が無く、以前状況は劣勢だ。
「誰か!そっちを任せれないか!?」
「すまん!この辺りで手一杯だ!」
「悪い!無理だ!」
「くっ…このままじゃ…ッ!しまった!!」
魔人は女性を殺そうとしたその時、魔人の体はバラバラになって吹き飛んだ。
「ッ!レオ!」
(待て、隊服に血?いつもなら心配かけないように洗うか予備と付け替えるはず…一体何が)
その時、男は助けた女性の肩を刺した。
「ッ!」
男がもう一方の肩を刺そうとしたが、ソラが服を掴んで離した。
「レオ!どうした⁉あの人は敵じゃないぞ!しっかりしてく………お前、誰だ」
「あ、どうも~。俺はジャック・ハーメル、闇鳴狼だ。これからよろしくな?ソラさんよお゙お゙お゙お゙お゙!!」
ジャックは斬りつけたが避けられた。
「これがガリヤードさんが言ってた…ッ!貴様がそれを使うなあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」
「鈍い!!」
ソラが斬ろうとしたが…ジャックにとって、これまでの戦いで疲弊しきったソラの剣を見切るのは簡単だった。
「ぐはっ!」
「ッ!ソラさん!!」
ソラは斬られた。
「そこで悶え苦しんどけ!さ~て、まずは避難民を…がっ⁉」
その時、ジャックの体が固まった。
「チッ…何なんだ?」
【図に…乗るなッ!!】
俺が起き、ジャックを威圧していた。
「死にぞこないが…てめえは寝てろよ!クソ、威圧ごときで…死ねッ!!」
【くっ!】
ジャックも威圧し、両者威圧で体の所有権を取り合い始めた。
「2人がかりかよ…このまま全員殺すか」
ジャックは体を所々奪われたり奪い返したりしながら城に向かった。
「させない!!」
「やめ、ろ…ルートッ!」
【ッ!離れろ!!ルート!!】
「うおりゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」
ルートが斬りつけたが、俺が威圧する強さを弱めたせいで力を戻したジャックはルートの剣を軽く受け止め、もう片方で斬ろうとしたが、俺らが奪い返してその手を止めたが、ジャックは顎を蹴って、更に腹を蹴って地面に叩きつけた。ルートは剣を投げてジャックの腹に突き刺した。
「ぐっ!てめえ゙え゙え゙!!!」
ジャックがルートを殺そうと刃を振りかぶった時、飛んできた大剣がジャックの振りかぶった右腕を飛ばした。
「ぐあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!ガリヤア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ドオ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙!!!」
ジャックはガリヤードを殺しに向かおうとしたが、後ろに気配に気付き、その気配に回転しながら斬り、回転の勢いで剣をガリヤードに投げ、もう一回転して後ろの気配をガリヤード側に蹴り飛ばした。
「ッ⁉」
「しまッ!!」
「あぶねえ!!うぐっ!」
「ザンザ!!!」
後ろから攻撃しようとしたアザレアは驚きで声も出ずに胴を斬られ、ガリヤードはザンザが助けたおかげで大丈夫だったが、剣はザンザの足首を斬った。
「クッソ、俺の右腕が…だが、片腕でも上の奴ら程度なら殺せる。何も考えずに蔑んで、自分の為に他の命を利用して殺すあのゴミ共を………あ?何言ってんだ?俺…まあいっか。早く皆殺しだあ!」
ジャックは腹に突き刺さった剣を抜いた後に腕と腹を火の魔法で止血し、飛んだ右腕から剣を取って城に向かおうとした時
「《神速》」
「ッ!…ここまでか…」
ラーが《神速》で急接近してそのまま心臓を刺した。たが、既に右腕が生えており、左腕が無かった。
「げほっ…え?」
「…レオ…?」
「…はっはっは…ラー、こりゃあ…一杯食わされたな…ッ!」
俺は倒れそうになったが、ラーの後ろに気配を感じてラーをかばい、左目を斬られた。
「やらせるかあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」
俺は《真眼》で刺さったラーの剣を引き抜いて、魔人を斬り裂いた。
「れ…レオ…」
「…いつか…ご飯奢れな…?」
(…よかった…)
俺は倒れた。
「レオ‼‼」