表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒の僧侶  作者: ヨシダール


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/88

第七十六話 四魔王エルギーノ

ガキィン!

バコッ!


アリシアとムサシ、そしてサイラスは、混乱状態に陥った兵士たちを次々と峰打ちで制圧していく。


「お前たち!目を覚ませ!!」


サイラスの叫びが、戦場に響いた。


一方、モルガンは兵士たちに背を向け、静かに呟いた。


「……ここは任せたぞ」


浮遊魔法で宙へと舞い、空中に浮かぶエルギーノのもとへと向かっていく。


「ババアが来たな」


エルギーノが口の端をつり上げた。


魔物達は、アリシアとムサシが自分たちへの攻撃を中断したのを見ると、攻勢に転じた。


──前衛の魔物達が、一斉に突撃してくる。


(……くっ……!やっぱり、一人じゃ抑えきれない……っ!!)


魔法を連射するバーバラの表情が、苦しくなっていく。


そこへ──黒の僧侶が並び立った。


「クリスくん!!」


「……群れは我が一掃しよう。貴様はあのガキから目を離すな」


クリスの静かな声が響き、バーバラはピクッと肩を跳ねさせる。


「え!? あ、はいっ!」


戸惑いながらも、バーバラは標的を空のエルギーノに切り替え、魔法を放つ。


「モエ・テローガ!!」


続けて、上空に浮かぶモルガンも魔法を発動する。


「モエ・テローガ!!」


二つの豪火球がエルギーノに向かって飛んでいく。


だが、エルギーノはヒョイヒョイと避けてみせた。


「2対1かよ〜。ずるいわ〜」


バーバラは浮遊し、モルガンの隣へと上昇する。

二人の魔法使いが、四魔王と真正面から対峙した。


──エルギーノは、下の戦場へと視線を落とす。


「ギョエ〜〜〜〜!!」


そこでは、黒き僧侶が両手から漆黒の閃光を放ち、魔物たちを次々と消し飛ばしていた。


「うわぁ。ゴミ達がゴミのように吹っ飛んでる〜……って、あれ全部倒したら、僕に向かってくるのかな?」


エルギーノは肩をすくめ、バーバラとモルガンの魔法をかわす。


「……そしたらもう無理ゲーだね。わっと!」


ヒラリと魔法をかわし、再び距離を取る。


「せめて、あの二人のどっちかだけでも殺しとかないと……うーん……あ?」


エルギーノの視線が、地上の乱戦場の一角に留まる。


そこには、一人だけ剣を振るわず、上空へ手を向ける男の姿があった。


「なーるほど。僕の命令を無視するとは……だいぶ拗れてるね。ふふっ」


バーバラは苦しげな表情で集中を保とうとしていた。


(もうすぐ……クリスくんが魔物を片付けて、こっちに来る……それまで……絶対に──!)


「モエ・テロ─」


バコン!!


その瞬間、爆破魔法がバーバラの背中に命中した。


「かはっ……!!」


そのまま、空から落下していく。


「バーバラ!!」


モルガンが叫んだ。


「──隙あり。

ライトニング・デス!!」


エルギーノの手から放たれた電撃が、モルガンを直撃する。


「ぐあああっ!!」


続け様に──


「まずはババアからだ。死ね」


禍々しき黒紫のエネルギー弾が、宙に漂うモルガンへと放たれた。


だが──


バシュン!!


その魔法は、下からの一閃によって霧散する。


エルギーノが顔をしかめた。


「ちっ。もうゴミ掃除終わっちゃったのかよ。早いっての」


空中に現れたのは、魔物たちを殲滅し終えた黒の僧侶。


クリスは目を力ませ、エルギーノを金縛りにしようとする。

だが──効かない。


(……この男、これまでの敵とは……格が違う……)


空中で、両者が対峙する。


「ケシ・トーベ」


「ライトニング・デス」


黒き閃光と黒き稲妻が衝突し、辺りの空間が炸裂する。

壮絶な魔法戦が、空中で始まった。


終わりなき、破壊と再生の応酬。

瞬間再生持ち同士による、地獄の幕開けだった。


──地上。


「……うっ……」


ふらつきながら、バーバラが何とか立ち上がろうとする。


だが、その前に──剣を抜き、殺気に満ちた目で近づく男がいた。


「……テリオス……? あんた……何してんのよ……?」


バーバラが目を見開く。


「……お前が……憎い……!」


感情のままに、テリオスは剣を突き出す。


ドシュッ!!


「…………え?」


バーバラの目に映ったのは、自分を庇い、剣に貫かれるモルガンの背中だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ