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黒の僧侶  作者: ヨシダール


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第七十四話 迎撃

「サイラス兵士長!補修魔導隊と一部戦闘部隊を街のロボット鎮圧および修復に。残りの戦闘部隊は街壁前へ!」


「はっ!!」


モルガンの号令に、サイラスは敬礼し、そのままテラスを駆け下りた。


「クリス、私たちも行くわよ!」


「はい!」


二人は魔物の群れを目指して走り出す。


その背後で、側近のひとりが無線機を差し出した。


「モルガン様、これを!」


モルガンは受け取ると、すぐに通話を開始した。


「全住民に告ぐ。街の魔法ロボットが魔物によりハックされた。しばらくは暴走を止められない。至急、城に避難せよ。すぐに部隊を送り、事態を収拾させてみせる」


街中のスピーカーからその声が流れ出すと、住民たちはざわめき、恐怖の中で城へと逃げ出した。



──その頃。


逃げる群衆の中で、バーバラとムサシは立ち止まっていた。


「……ママ……!」


「……ちっ……!」

(ハッキングって……何だ!?)


すると背後から、地響きを立てて城の軍隊が駆け抜けていく。


「急ぐぞ!一匹たりとも街には入れぬ!」


「はっ!!」


ムサシとバーバラは脇に避ける。


「どうやら、魔物がこっちに向かってきてるようだな」


「はい……行きましょう、ムサシさん!」


「おう!」


──その時。


「バーバラ!ムサシ!」


アリシアとクリスが駆けてきた。


「アリシアちゃん!クリスくん!」


「魔王が攻め込んでくる!急ぐわよ!」


「魔王!?……絶対許さない!!」


「っし、ぶった斬るぞ!!」


「皆さん!速度を上げます!《ハヨ・ナリム》!」


魔法によって全員の速度が上がると、一行は軍隊の後を追って駆け出した。



──城門前。


城へ戻ってきたテリオスは、ちょうど出陣するモルガンと出会う。


「お母様!いったい……!」


「テリオス。魔王にしてやられた。今、魔物の大群が街壁の向こうからこちらに向かっている。お前も来い」


「……はい!」


モルガンとテリオスも、戦場へと向かっていく。



──そして、街門前の戦場。


サイラスを先頭に、200人を超える兵士たちが迎撃態勢に入る。


目前には、魔物の大群。


前衛に戦士型の魔物200体以上。

後衛には魔術師型が200体以上。

そしてそのさらに後方の空中には、不気味にふわふわと浮かぶ少年の姿。


「数、足りないんじゃないの?知らんけど。──やっちゃってー」


エルギーノの声に従い、後衛の魔術師たちが一斉に攻撃魔法を放つ。


「か、数が……!」


「怯むな!総員、構えーッ!!」


──魔法弾、200発以上。

空を覆い、地を焼かんと迫るその光に、兵士たちは死を覚悟した。


だがその時──


「バーバラ!!私のこと飛ばして!!」


アリシアが走りながら、背後のバーバラに向かってヒノキチを構える。


「オッケー!《ハジ・ケーロ》!!」


バコン!!


爆破魔法がヒノキチに命中し、それに合わせてアリシアが前方に跳躍。


兵士たちの頭上を、ムササビのように舞う。


着地と同時にヒノキチを構え、アリシアが叫ぶ。


「ぜ〜んぶ、かかってこい!!」


──魔法弾、200発。

その全てが、ヒノキチに吸収された。


「…………は?」

エルギーノは呆けた顔で、ぽつりと呟いた。


ヒノキチは、ぷつぷつと10回ほど点滅する。


「……なんだ!?」


サイラスは目の前で繰り広げられた光景に理解が追いつかず、ただ呟く。


「ん?光が点滅してる……ってことは……まさか……ビーム、ストックできるのでは!?」

と、無邪気に興奮するアリシア。


「それが本当なら……ロマンの中のロマンです、アリシア様」

クリス到着。


「さっさと試してみろよ」

ムサシ到着。


「やっちゃえ、アリシアちゃん!!」

バーバラ到着。


「よーっし!!いくわよヒノキチ〜〜〜!!」

すーっと息を吸い──

ボタンを連打!!


「フェニックス・バーーースト!!!」


バキューーン!!バキューーン!!バキューーン!!

バキューーン!!バキューーン!!バキューーン!!

バキューーン!!バキューーン!!バキューーン!!

バキューーン!!


「…………マジか」


「ギャ〜〜!ギャ〜〜!ギャ〜〜!ギャ〜〜!ギャ〜〜!ギャ〜〜!ギャ〜〜!ギャ〜〜ギャ〜〜!ギャ〜〜!ギャ〜〜!」


光の嵐。

鳴き声の嵐。

前衛の魔物たちは、あっという間に半壊した。


「ヒノキチ〜〜!大好き!!」


「おぉ……主よ……極上のロマン、感謝いたします!」


「いや、そこはジャックのおっさんに感謝しろよ」


「チートすぎて草!!」


──そして。


サイラスは呆然とつぶやいた。


「……こ、これが……勇者……!」


アリシアはニッと笑い、叫ぶ。


「さあみんな!ぶっとばすわよ!!」

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