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黒の僧侶  作者: ヨシダール


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第四十九話 黒の謎

翌日も、何も変わりはしなかった。


──否。

斬るのが大好きな脳筋剣士と、脳筋剣士が大好きな狂愛魔法少女という、鬼に金棒ならぬ“鬼に鬼”コンビの恐るべき火力は、むしろ日に日に増していた。


この辺一帯の魔物たちが弱いわけではない。

むしろ、旅が進むに連れて、魔物たちも強くなっていた。


単純に、鬼どもは実家で鍛えられすぎたのだ。

さらに相性まで抜群とくれば、魔物にとってはもはや自然災害である。


一行は、標高の高い丘へとたどり着いた。

だが、標高が変わろうが鬼たちのすることは変わらない。

──目に映る魔物を、駆逐するのみ!


「二刀流──超電導斬!!」


ズバババババーーン!!


「ギャ〜〜〜!!」


「上手くいきましたね〜! ムサシさ〜ん!」


いつの間にか謎の連携技まで習得していた鬼たちであった。



その頃、丘の頂では──


「いい眺めね〜。今日は天気もいいし、レジャーシートでも敷いておやつ食べたいわ」


「それは楽しそうですね。次の街で探してみますか、レジャーシ──」


その時、丘の下から風が吹き上がった。


ふわり、とアリシアのスカートが舞い上がる。


白地にイチゴ柄──

“それ”が、クリスの視界を支配した。


「きゃっ!!」


アリシアは慌ててスカートを抑え、真っ赤な顔でクリスを見る。


「……見た!?」


だが、そこにいたのは──

髪が黒く逆立ち、

瞳が赤くなった、

"あの”クリスだった。


「………!?」


アリシアは、声を失った。


クリスは、無言で周囲を見渡し始めた。

その視線は、冷たい殺気に満ちていた。


「……クリス……?」


──数秒後、クリスは戻った。


「……アリシア様? どうかしましたか?」


「……クリス、今……髪が黒くなって……」


「……え?」


「それで、周りを見渡して……すぐ戻ったの……」


「……いったい、どういう……。アリシア様、僕が変化する前に、何か……何か起きましたか?」


「……覚えてないの?」


「……レジャーシートの話をしたのは、覚えています」


「……そう」


(……………

その後に何か変わった出来事って……

私のスカートが捲れたことくらいしか……思いつかないんですけど!!)


アリシアの思考が大混乱に陥る中、ふと──

コジーロ村でのムサシとの会話がよみがえる。



──回想──


「……何か、あったの?」


「──お前のスカートが、子どもに捲られて、パンツが見えた」


「…………はぁ!?」


「…………っ!!」


「間違いねぇ。あの時確かにこいつの髪は黒くなり、お前のパンツは紫だった」


──



(……ウソ……でしょ……。

クリスの覚醒って……本当に、パンツを見るのが条件なの……!?)


いよいよ"真相"に迫る勇者であった。

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