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近所で火事があった

作者: ヤスゾー


 こんにちは、ヤスゾーです。

 今回は割と真面目なエッセイを。




 それは夜の23時半ごろ。

 外が騒がしかったので、目が覚めました。


「……?」


 外で、消防車のサイレンが響いています。

 ただ、我が家は大きな病院が近くにあるので、緊急車両の音にはすっかり慣れてしまっていて……。

 消防車の音を聞いても、「へ~」くらいしか思いませんでした。


「寝よ、寝よ」


 布団をかぶり直して、目を閉じました。

 普段なら、すぐに静けさが戻って、眠りにつけるのですが。

 今回は静かになるどころか、どんどん音が大きくなっていきました。

 しかも、明らかに自宅の近くで、サイレン音が止まります。


(いや、聞き間違いだ。明日も仕事なんだから。寝るぞ)


 自分に暗示をかけるように寝ようとしましたが、現実はどんどん違和感を増していきます。

 何度も消防車のサイレンの音が近くで止まります。

 そして、ついには人の声が聞こえてきました。

 何を話しているのかはわかりませんが、明らかに緊迫して、何かを指示しています。


「え、なんだろう?」


 さすがに無視するわけにもいかず、寝室の窓から外を覗き込むと……。


「えっ!?」


 真夜中だと言うのに、外は消防車のランプの色で真っ赤っか!

 あまりの異様な光景に声が出てしまい、隣で寝ていた旦那も「どうしたの?」と、ようやく起床。


「あれ!? なんだ、これ」

「尋常じゃないよね?」


 その時、ガラスが割れる音がしました。

 そして、今まで見えていた遠くの家から、炎が立ち上がったのです!!


「……え」

「……」


 あまりのことに、声が出ない。

 ガラスの割れる音は止まりません。

 炎は生き物のようにどんどん大きくなっています。

 人の緊張した声も多くなっていきます。


「ちょっと、場所を調べてくる」


 旦那、急いで着替えて、外に飛び出しました。

 私はとりあえず、子供達の部屋に行って安否確認。

 ……大丈夫。子供達はぐっすり眠っています。


 再び、外の様子を確認。

 この異常事態に、近所の人達がどんどん家から出てきました。

 自転車で見に来る人達もいます。

 近所の人たちは、「我が家に移るかも……」「知っている人の家かも……」と心配だから見に行っているようです。

 となると、自転車で来ている奴らは何なのか? はよ寝ろ。


 距離から考えて、我が家に火が移る事は無さそうです。

 でも、あの辺りは新築が多かったはず。

 つまり、幼い子供を持つ家庭が多い。


(その家の一つじゃなきゃいいな。死者が出なければいいな)


 燃える炎を見て、それを願う事しか出来ませんでした。


 10分後……。

 火事は無事、鎮火しました。

 早っ!

 ニュースだと、「何時間も燃え続け……」なんて聞くけど。

 地元の消防団員、素晴らしすぎるっ!!

 真夜中、一人で拍手をしてしまいました。


 翌日。

 火事のあった家を見てみました。

 あ、ここか。

 奥まったところにある家で、二階しか見えません。その見える窓は全て割れており、中は真っ黒でした。

 我が家からは直線距離で、なんと80メートルくらい先。

 思ったより、近かった……。

 隣の家の住民は怖かっでしょうね。


 幸いな事に、火事のあった家は空き家。

 怪我人も死者もいませんでした。

 素晴らしい!

 良かった、本当に。




 ところで。

 寝ていたと思っていた子供達ですが……。

 実は、娘は起きていたらしいです。


「消防署のサイレンの音がすごくて、怖くなってさ。迷惑かもしれないけど、友達とずっとLINEしていた」


 ……本当に迷惑だな。夜中だったよね。


「けっこうみんな、起きていた」


 寝ろ。


 しかし。

 怖い思いをしていても、もう親の元に来るわけではない娘の姿に、ちょっと寂しさを覚えたり。


「そしたら、友達の一人がね、たまたま車で、このへんの近くを通りかかっていたらしくて。LINEで心配してくれたよ。「S(娘)の家、燃えてね!?」だって」


 も、燃やさないで下さい……。

 これから本格的に学費地獄が始まるのだから(涙)

 でも、心配してくれる気持ちは嬉しいよ。ありがとう。




最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  貰い火は恐ろしいです。 [一言]  割と最近の話と大昔の話を。  割と最近に200メートルくらい離れたところで、夜中から4時間だか6時間だか燃え続けた火事がありました。  ご近所を巻き…
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