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『混沌』こそ彼の遺言

 結論を言おう、魔王は倒された。

 総勢300名のチート魔法使いやらチート剣士やらが城を囲んでは、聖なる炎やら、聖なる雷やら。聖なる手榴弾やらを、文字通り雨あられのように城に降り注いだ。

 そうして、一秒も待つことなく城は崩れ、その三秒後に手榴弾は破裂した。

 瓦礫の上で勇者達が「魔王は何処だ」と瓦礫をどかし「邪魔だ」と叫んでは逃げ惑うゴブリンを虐殺した。

 そして遂に瓦礫の中から魔王を見つけたかと思うと勇者たちは「俺がトドメを刺す」「いや俺だ」「どうぞどうぞ」と全員が血眼になりながら一斉に剣を突き刺した。

 魔王は体に28箇所も剣を突きさされて倒れたが、かろうじて意識は残っていた。

「なるほど……お前たちの姿を見て分かった。 私が死んだ後だ、私の死後に混沌がこの世界を覆いさるであろう」

 そう言い魔王は消滅した。 

 勇者たちは「どんな敵が現れようとも俺たちが力を合わせれば敵ではない」と声高々に剣を掲げた。


 そんな感じで物語は平和に終わったと思っていただろう、そう僕を除いて。


 僕は転生したその瞬間から人を信用していない。

 人を信用して僕は死んだ。だからこそあの魔王の言った言葉の意味がわかっていたんだ。


 しばらくして。

 かつて仲間だった男に僕はこれから殺されそうになっている。

 この状況、鼓動の音が大きくなる、緊張で口の中が乾き、自分が焦っているのを自分が一番理解できる感覚。

 目の前の男は手をこちらに向け攻撃の準備をしている。

 血流が早くなり、脳に血が回った結果、この状況を打開する突破口を思いついた。

 僕は右手に持った自衛用のナイフを思いっきり自分の左肩に突き刺した。


                          (To Be Continued)

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