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ETERNAL PROMISE 【The Origin】  作者: 小林汐希
3章 辿り着いた流れ星
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[3章4話-3]:難攻不落少女の現実は




「あなたが片岡さんね。お話は聞いているよ。みんなで行ける車にしてきたから、先にそっちに案内するわ」


「は、はいぃ、お願いしますぅ」


 まだショックが抜けきらない清人と、他の四人は理香の後について駅前に止めてある八人乗りのワンボックスカーに乗り込んだ。


 その車の中で、佳織はこれまでの種明かしをした。


 前回の単独調査の時に理香と出会っていた佳織は来訪の目的を話していた。その中で大糸線の話になったときに、佳織は茜音の話も持ち出し、詳しい話を聞いてきたと言うわけだ。


「最初はね、どうするか迷ったのよ。でもね、写真の場所が分かったら来なさいって言ったのは私だし、そのために頑張ったんだから、佳織ちゃんには迎えに来るって言っておいたの。本当はもっと後に登場する予定だったんだけどね」


 理香は運転しながら答えた。清人の話だと彼女は今21歳くらいのはずだが、表面上は年上と言うことをあまり感じさせないながらも頼れるお姉さんというような魅力の女性だ。


「んじゃ、場所が分かったって報告してきたときにはもう全部筒抜けだったのかよ?」


 助手席に座っていた清人は佳織を見る。


「もちろん。でもそれで試験当日に動揺しちゃったら困りますから黙ってました」


「さすがだな……。完敗だよ。片岡さんのことは帰ったら手を打とう。これでも少しは考えたんだから」


「い、いいですよぉ……。私は今のままでもぉ……」


 茜音の中では下手に騒がれて今よりも状況が悪くなってしまうことの方が心配だったから。


「さぁて、着いたわよ。ここが車で行ける一番北側かな。ここから先は写真で佳織ちゃんに送ったとおり」


 六人の乗った車は朝日に照らされた南小谷の駅を視界に入れた道路の路肩に停まった。


「すごい……」


 最初に声を上げたのは茜音ではなく由香利だった。既に北アルプスの分水嶺を越えており、川は日本海に向かって流れている。


「茜音がさぁ、由香利を連れていけないかって言い出したんだよ。きっと病院暮らしじゃいろいろと行けないってわかってたんだろうから」


 この日は現地撮影カメラを佳織に任せ、身軽な茜音は河原に向かった。


「凄いね……。普通女子一人でこんな山奥まで来ないよ……」


 河原にしゃがみ込んで何かを話している茜音と佳織を見て、清人は感心したように声を上げた。


「茜音と一緒にいたら、あの子のことを好き放題言っている奴らが許せなかったのよ佳織は。あれを見ちゃったらとてもからかう事なんて出来ないでしょ」


「自分だったらあそこまで出来ないなぁ……。お姉ちゃんはもし自分だったら出来る?」


 由香利もようやく列車内で言われていたことを実感した。実際に聞くのとその現場に立ち会うのとでは話が別だ。


「あたしじゃ無理だね。いくらなんでも10年間一度も会えないんじゃ厳しいよねぇ。しかも再会できるかどうかも分からないっていうんじゃさぁ」


 そこまで言ったときに、二人が戻ってくる。


「次の場所ってありますかぁ?」


「ええ。戻ることになるけどいい? 姫川のこの先は道路が沿っていないから」


「それでいいですぅ」


 車は元来た道を戻っていく。しかも今度は舗装道ではなく、横道にそれた砂利道に入っていく。


 標高の高いところにはもう紅葉がだいぶ進んでいる。このあたりが赤や黄色に染まる頃は山頂のあたりには雪が降り始める。


 そうなるとこのあたりも茜音たちがふらりと立ち寄れる場所ではなくなってしまう。


「うー、ここでもなかったですねぇ……」


 結局、この訪問は茜音本来の目的としては空振りに終わったようだ。


「そうかぁ。また1つ候補地が消えたわけか……」


「残念だったわね……。このあとどうする?」


 白馬の駅前まで戻ってきて、朝と昼御飯を一緒にしてしまうことにした。


「これでうちらの目的は果たしたわけだけど、かいちょーはまだでしょ?」


「まぁ、うちらはお邪魔虫ですから、今日中にさっさと消えちゃいますけど」


「おいおい」


 当然のことながら、本来主役であるはずの清人の用件はまだ終わっていない。


 そんなことは最初から分かっている佳織は、由香利の体調も考慮して、他の面子を短時間で引き上げるように調整済みだったから。


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