漫才「アンケートを書かせてる隙に後ろからガバっと」
ツッコミ「詐欺師ってさ、色んな手口で騙すらしいよ。」
ボケ「唐突ですね。」
ツッコミ「唐突ですよ。例えば道中でさ、『アンケートして下さーい』って言われるときあるじゃん。」
ボケ「ああ…で、アンケートを書かせてる隙に後ろからガバッと…」
ツッコミ「何するんだよ。」
ボケ「風呂敷的なのをかける。」
ツッコミ「意味わかんねえよ。」
ボケ「あ、かけてあげる。」
ツッコミ「言い方じゃなくてさ。違うんだよ。『じゃあここではアレですからあそこの喫茶店にでも…』とか言って喫茶店に連れ込んで契約書にサインとか書かせてお金をふんだくろうとかそういうのだよ。」
ボケ「それって適当な言い訳すれば良いんじゃないの?じゃあ俺がアンケートの人やるからお前が答えて。」
ツッコミ「わかった。」
ボケ「すいません、アンケートお願いしたいんですが。」
ツッコミ「今急いでるんで。」
ボケ「あ、そうですか。引き留めてしまい申し訳ありません。ではそちらを優先してください。」
ツッコミ「いえいえ、では!」
ボケ「では!」
ボケ「完璧。」
ツッコミ「じゃないだろ。そんなあっさり引き下がる奴いねえよ。」
ボケ「爽やかで良いじゃん。」
ツッコミ「爽やかさ求めてねえよ。逆に粘るんだよ。そっちも『いや、すぐ終わりますから』とか言ってさ」
ボケ「ああなるほど。じゃあもう一回やらせて。」
ツッコミ「ちゃんとやれよ。」
ボケ「アンケートお願いしたいんですが。」
ツッコミ「今急いでるんで。」
ボケ「いや、すぐ終わりますから。」
ツッコミ「ちょっと彼女と待ち合わせしてるんですよ。」
ボケ「ホントすぐ終わりますから。2、3分位で。」
ツッコミ「こっちは後1、2分位しかないんですよ。」
ボケ「あ、すいません。2、30秒位の間違いでした。」
ツッコミ「言ってる間に残り10秒切りました。」
ボケ「さあ、あなたの命は残り5秒です。さあ、この契約者側に一方的に不利な契約書にサインを。この保証人の所に判を。誓いのキスを。アーメン。」
ツッコミ「ウェイトウェイト…強引過ぎ。何か最後のほう関係ないの混じってたし。」
ボケ「騙すんだから強引過ぎる位が丁度良いんだよ。」
ツッコミ「もっと手口巧妙だろ。じゃあ役変えてやってみようよ。」
ボケ「良いよ。」
ツッコミ「あの、アンケートお願いしたいんですが。」
ボケ「そ、そこを動くな!」
ツッコミ「は?」
ボケ「アンケートを書かせてる隙に後ろからガバッと風呂敷的な物を…!」
ツッコミ「かけねえよ。」
ボケ「う、動くなよ…今、アンケート書くからな…。」
ツッコミ「結局書くの?」
ボケ「ぐ!き、貴様…!」
ツッコミ「どうしたんだよ?」
ボケ「あ、アンケートに毒を塗りやがって…」
ツッコミ「塗ってません。」
ボケ「ぐわあああ溶けるぅぅぅぅジュワアアア…」
ツッコミ「…」
ボケ「…俺の負けだ!」
ツッコミ「は?」
ボケ「お前の手口の巧妙さに負けた!」
ツッコミ「いや、別に巧妙な所までいってないんだけど。」
ボケ「お前のマクドナルドで必ずスマイルを頼む親父っぽさに負けた!」
ツッコミ「頼んだことねえよ。」
ボケ「お前のいつの間にかメニューからスマイルが消えてるのに気づかないうっかりさに負けた!」
ツッコミ「もはやアンケート関係ないよね。」
ボケ「役変えない?俺、騙すほうが良い。」
ツッコミ「今んとこ騙せてないけど。」
ボケ「Yeah!レッツプレイアンケート!アンケート!」
ツッコミ「いきなりノリ間違えてるけど大丈夫か?」
ボケ「映画の割引券付けるからアンケートしない?」
ツッコミ「何か勧誘みたいになってるし…でも欲しいかも。」
ボケ「長さが3割引。」
ツッコミ「あ、入場券の部分切り取ってある。使用済みだよこれ。」
ボケ「じゃあ武〇士のティッシュあげるからさー。」
ツッコミ「ポケットティッシュ!ランク下がった!」
ボケ「じゃあプ〇ミスとかアイ〇ルとか。」
ツッコミ「全部金融関係じゃないですか。」
ボケ「…ううっ(泣」
ツッコミ「え?なんで泣いてんの?」
ボケ「実は俺の親父は多額の借金を背負っていて、俺が1人で家計を支え」
ツッコミ「く…(泣 みなまで言うな!アンケート書いてやる!!」
ボケ「ほ、本当ですか!?」
ツッコミ「ああ!」
ボケ「契約者側に一方的に不利な契約書にサインしてくれますか!?」
ツッコミ「ああ!」
ボケ「保証人の所に判を押してくれますか!?」
ツッコミ「ああ!」
ボケ「誓いのキスをしてくれますか!?」
ツッコミ「ああ!」
ボケ「アーメン…」
ツッコミ「騙された!でも何か爽快!!」
ボケ「二人に愛の祝福を!」
二人「有り難う御座いました」