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孤高のハンター ~チートだけれどコミュ障にハンターの生活は厳しいです~  作者: フェフオウフコポォ


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45/100

45 辛い選択

※下ネタが入ってきてしまいました……すみませぬ。

 見逃して……見逃してクレ……


 ヒドイ話だが……これがワイ……ワイのなんや! もう書きたくなってしもうたんや……許してクレ……




 下ネタ嫌いな人は『あとがき』まで飛んでください。

 そこに今回の話を3行でまとめてあります。







 自分がまるでパーリーピーポーが如く女の人達に囲まれ、ハーレム状態で二泊三日の旅に出るなど一体誰が考えただろうか。

 しかもその同行する3人の女の人は、みな気になる人ばかり。しかも内二人とはキスまで済ませているというとんでもない状況。


 ここにきてようやく気づいた。


「これは……俗に言うヤリチンも目前な状況なのではなかろうか……」


 思わずぶるっと武者震いする。


 テオは気安く抱きついてきたり、その豊満な乳力を持って誘惑をしてくる。

 アリサは酔った拍子とは言え、ファーストベロチューを奪ってきた。

 フリーシアはNOタッチ要員であるけれど、その積極的な態度は、いかに鈍い自分にも好意と理解できる。

 ぶっちゃけ、お金目的でも顔目的でも好意を向けられるというのはやっぱり嬉しいもので、もうすでに正直どっちが目的にしろ別にいいかな? とかは思い始めていたりもするのだ。

 だがNOタッチだ。これは紳士として破ってはいけない鉄の掟。


「もも、もも、も、もしかすると、これは野外で初体験……的なイベントになったりもしたり……」


 馬鹿な妄想であることは自分自身でも分かっている。

 だが、想像せずにはいられない。


 脳内では裸体のテオが「うふーん」であり「あはーん」といった色気のある言葉を口走りながら谷間を強調しながら女豹のようなポーズを取ったりする。そして際どい恰好をしたアリサが見下すような目で「足をお舐め」と組んだ足を差しだす。フリーシアがメイド服のスカートを持ち上げながら「私からのタッチは……いいんですよね?」と頬を赤らめながら上目使いで見てくるのだ。


「んふ~……」


 そこまでを想像すると鼻から盛大に息が漏れる。




 正直溜まっているのだ――



 これが森であれば脳内の引き出しと妄想をフルに活用し発散する事ができた。だけれど、今いるのは高級宿。しかもティッシュなどという便利アイテムは存在しない。そう。ティッシュが無いのだ。似た様な使い捨ての紙すら存在しない。こんな高級な所で便利な道具もないとなれば、そんな気持ちもどう発散していいのか分からずに萎縮してしまう。


 だが男という生き物は、その身体の構造上自分の意識に関係なく欲望を溜めこむ。そしてその欲望は際限なく生み続けられる。だからこそ倉庫に欲望が溢れかえらないように定期便が如く発送作業を行わなければならないのだ。これは生物として仕方のない事なのだ。


 そしてすでに倉庫の空きが無くなり余剰が発生し始めている身にとっては、少し妄想が過っただけでも『発送作業を行いますか?』と、身体が勝手に準備を始めてしまうのも必然だった。


「これは……マズイでござるな……」


 自分の下半身を眺めギリっと歯を鳴らす。


 身体が発送作業準備に入ると非常に歩きにくい状態になってしまう。そしてなにより目立つ。敢えて目立たせて堂々とする胆力などない。

 一度こうなってしまうと身体が準備を諦め、そのほとぼりが冷めるまで大人しくするか、そのまま発送させてしまうかしか道は残されていなかった。


 厄介な事に脳内は既に『いいから発送しちまえよ』という囁きが大半を占めている。

 だがその囁きに対して『数時間後には迎えにくるって言ってたんだぞ? その時どうなるか分かってるのか?』という理性の声。


 この理性の声はテオ達女人が部屋に訪れた時のリアルな反応を考えさせる。


「女人はニオイで分かってしまうというのは……本当でござろうか……くぅ……」


 もし迎えに来たのがテオで、扉を開けると同時にスンと鼻を動かして『あ。』的な反応でもしようものなら、この部屋の窓を突き破って飛び出して逃げだすことすら吝かではない。


「くぅ……鎮まれ……鎮まりたまえ!」


 今、悶々大戦が始まろうとしていた。



--*--*--



「もう……いっそ楽になりたい……」


 リンリーン!


「ホゥっ!?」


 パンツを脱ごうと思ったその時、部屋の呼び鈴が鳴った。


「えっ!? えっ!?! えぇっ!?」


 戸惑いながら既に脱いでいたズボンを慌てて履く。

 履きながらも混乱する頭がヒントを求めて扉の方へと移動して行く。


「ど、どちら様で?」


 ポジションを動かし、なんとかズボンがパンッパンだぜ状態に押し込むことに成功し、社会の窓を確認しながら扉に向けて声を放つ。


「マコトくん。テオよ。迎えに来たわ。」

「なんですと……」


 いつの間にタイムスリップの能力に目覚めていた。

 その事実に驚愕する。


 もちろん、悶々大戦が3時間程の時間を過ごさせていたのだが、その事実を信じたくなかった。

 なぜなら無駄な時間の過ごし方以外の何物でもないからだ。


 悶々大戦の決着はついた。つけられた。

 もうその結論から逃げようがない。

 発送作業は終了。閉店だ。


「い、今……あ、けまーす……」


 息を吐き、急速冷凍が如く精神を働かせ気持ちと身体を鎮めてゆく。

 発送準備を整えていた身体も、事態を理解しているのかその精神を静かに受け入れようとしている。


 身体的な発送準備がなんとか半分ほどに収まり、これ以上待たせるのは怪しいというギリギリまで扉を開かないように粘る。

 顔に布を巻いているかも、きちんと確認してからゆっくりと扉を開く。


「お……またせ…しました。」


 腰は半分引けている。

 やはり気になる女性に発送準備が微妙にできている状態がバレるのは恥ずかしいのだ。


「ううん。待ってないわよ。

 マコトくんも準備はいい?」

「あ……はい。」


 準備は何もしていない。

 何もできなかった。


 が、元々何も持っていないので準備の必要はなかった。


「そう。じゃあ行きましょうか。

 フリーシアとアリサは、先に街の外に出てもらっているわ。一緒に行きましょ。」



 今、腕を組んじゃらめぇぇ!



 腰はさらに引けるのだった。



--*--*--



 テオに手を引かれ「街には慣れてきた?」などの主に質問に応える形の雑談をしながら街を進む。

 入ってきた時の小さな城壁の門から外へと出ると、すでにそこにアリサとフリーシアが待っていた。


 アリサは初めて見た時と同じハンター仕様の服装。やはりポニーテールがよく似合っている。

 フリーシアはメイド服ではなく、着古きふるした感のあるアリサと似た様なパンツスタイルの服を着ていた。いつもと違う姿に新鮮な気持ちになる。だけれどその顔は少しだけ落ち込んでいるようにも見えた。


 そんなフリーシアを見て口を開くテオ。


「あら。アリサのお古もまだまだ使えるじゃない。似合ってるわよフリーシア。」

「似合ってるとかやめてください! 私はこの女みたいな筋肉が服を着ているような身体にはなりたくないんです! もっと女らしい身体に成長したいんですから!」

「ちょ……筋肉とか言わないでよ……」

「私は将来、腹筋が割れた女になんかなりたくないのに! テオみたいに女らしい身体になりたいのに、なんで筋肉の方の服が私に合うのよ……」

「……地味に傷つくから止めてくれない?」


 フリーシアの言葉に『アリサさんは腹筋が割れてるんだぁ……』と、裸の女人パレード妄想が復活しかかるが、すぐにモリモリマッチョメンへと変換し妄想する気持ちを堪える。


 なんとか耐えて、再度目を向けると、隣にいたはずのテオは、フリーシアの着ている服の確認をしており、なんだか3人がキャピキャピとした雰囲気を醸し出していた。


 それを見ていると、もしかすると妄想していたように、パーリーピーポーが如くハーレムチック初体験という妄想が実現するかもしれないと期待してしまう。



 もちろん実現しないことなど分かっている。理解している。


 だが二泊三日!

 二泊三日も共に過ごすのだ。


 当然食事も共にし、寝るのも共にする。行動だってずっと一緒だ。

 寝食を共にしていれば自然と仲良くなれるチャンスだってあるはずだ。ウフフな初体験までとはいかなくとも。

 万が一、もしかすると、あわよくば、頑張れば、誰かのオッパイを揉めるかもしれない。


 知らない間に初キスだってできたんだから、知らない内に初揉みだってできるかもしれない! そんな希望を抱く自由はあるはずだ!


 だからこそ、せめてそのチャンスが巡ってくるように、皆に『カッコイイ』と思ってもらえるように頑張ろうと気持ちを引き締め、気合いを入れる。


 『カッコよくあろう』


 そう意識し、自分の中でこの二泊三日の内にできるかもしれない『カッコイイ』と思える行動リストをピックアップする。


 それと同時に『カッコ悪い』と感じる行動リストもピックアップする。

 基本的に女性受けの悪いであろう行動を考えるだけだからピックアップも早い。


 食事マナーの悪さ。ゲップや影口、気遣いの無さ、横柄な態度。次から次へと思い付き、やらないでおこうと意識する。

 下ネタを振ったりするのもアウトだろう。オナラなんかも思い切りぶっ放さないように気を付けなくてはならない。


 ……オナラ?


 それを思いつくと同時に、ふと頭を過るネガティブリストの項目。

 そして二泊三日という日程。


 肝が冷える感覚。

 目が泳ぐという感覚が自分でもわかる。


 『ウンコはどうしたらいいんだろう……』


 この神様に与えられた身体は非常に健康的で、どうしても日に2~3回の排便をしたくなってしまうのだ。


 だが『カッコ悪いからしない方がいい事』をまとめたネガティブリストに『ウンコ』は入っている。


 むしろ、考えていればいる程、どんどんしたくなってきてしまって、すでに少しヤバイ気すらする。なぜ準備の時にトイレをしておかなかったのか後悔しかない。


「どうしたのマコトくん?」


 首を傾げるテオの姿。そしてこちらを見ているアリサとフリーシア。

 3人の顔を見て、精一杯カッコつけることを決めた。


「なんでも……ないです。」


 我慢することにした。


 もうすでに、少しだけお腹が痛い気がしているのだった。



マコトムラムラしてしまう。

悶々としてたら約束の時間になっててビックリ。

お外に出て森に向かったけど、うんこしたい。どうしよう。

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