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第三話 勇者、魔王城潜入中

――ほんの1時間ほど前


ドサッっと倒れ気絶した魔王の兵士を、見つからないような所に隠し衣服をすべて奪う。

(んー、サイズが少し小さい気がする……まあいいか♪)

自分が見える範囲をざっと見て特に問題ないことを確認すると強盗は――

「強盗ではないのです!」

こいつ、次元の壁を!?

「今何か失礼な説明がされそうな気がしたので!私の勇者としての直感が!なのでここで説明しまいましょう!」

コホンと、咳をして誰もいない場所で何もない空間に自信の満ちた表情を向ける。

「そう、この私が勇者です!筆頭勇者リース・エクレアー!……って声が大きかったですね。少し落ち着かないと。……ふぅ。じい様やばあ様が魔王城から新たな力の波動を感じるとかなんとか聞いて潜入したまではいいのですが……。」

そこには幾度となく見てきた魔王城の姿があった。特に力の波動というものも感じない。

「……ついにボケましたかね?じっ様もばっ様も。」

だが、勇者的直感は魔王城に潜入しろといっている。中に入ってみればなるほど。確かに妙な魔力の流れがある。これはつまり……

「……まったく何が起こっているのかわからないのでさっさと調べてみましょう。なぁにいざとなったら私の勘はよく当たるのです!」

それに、だ。なんだか今回はとっても大物の予感がするのだ。


――そして時は進み


今現在、わたくし勇者のリースは……ん?勇者リースは私だけのはず。ともかく!とんでもない事を知ってしまった。私の勇者的直感が告げるのだ。これが、この場所が現魔王が進めている一番の計画だと!計画内容はわからないけど!!

「先ほどいた小さい少女がきっとここの責任者なのでしょう。議会がどうとか言っていたし、ずっと研究していたいんだ!議会に出たくないほど!!とかそういう感じの熱心な研究者に違いないですね!」

しかし。と周りをよく調べる。なにやらみなれないものがいくばか置かれているし、よくわからない言語で書かれた本が多数置かれてはいるがどうにも研究用という感じではなくさらに研究室としては狭いような。それに、だ。

(あの空に浮かんでいる明かりは何でしょうかねー?)

あれが現魔王の研究だというならそれはそれで確かに頷ける。だがそのためにこの妙な街を作る?何かつじつまが合わない。


それがまた私がここは私が住んでいる世界ではないということをとても印象付けて――っは


「そうかここは異世界なのか!!」

……だめだこの人あたまおか(スパン)

    

        しい?

「全くダメですよ!女の子に頭おかしいとか使っちゃ。」

ぎゃぁぁぁ!地の文Aがぁぁ!!手刀で真っ二つに!!

「ともかく!ここが異世界ということであればいったい何を目的として」

その時であった。


「ただいまー。リースいるか……」


……勇者としてこれほど腑抜けた時間はここ以上に無かったと勇者リースは後に思ったという。この時はそう感じなかったが、冷静になって考えれば魔王の計画というものに触れた私は今この時とても舞い上がっていたのだと。

「え、お前誰」

「勇者的非殺傷パンチィ!」

「ごっふぅ!?」

ガクリ、と腹に拳を入れられて力なく項垂れる私の知らない言葉を発する男性。ひと時の危機は去ったが勇者リースは焦っていた。

(ま、まずいです!つい反射的にやってしまいましたがこの世界の原住民だとかそういったそういうことを考えてませんでした!どうしましょう!?今の行いはとても勇者的ではなかった気がして……ああいやでももしかした魔王の……ああいやでもそういう希望的観測で動くのは……よし、ええっととりあえず!)

「とにかく、この人を拘束して事故だったと説明しましょう!話はそれからです!!」


有田「あの突然俺さらわれたのですけどなぜです?」


(魔王)リース「すべからくタイミングが悪かったんじゃないですかね?ってなんかわざわざ名前を変えるのめんどいな。よし、表記上勇者はこれからエクレアだ!」


エクレア「そんなひどい!」


有田「遠くのほうから何か聞こえた気がする……」


リース「気にすんなアニィ。さてと、まーなんだアニィよ。なんだかんだ言っても勇者だ。話さえ通じればちゃんと命は助けてくれるだろう。」


有田「っていうか俺の中の勇者っていう概念が次回あたりから崩れていきそうなんだが。」


リース「だってよく考えろ。」


有田「あん?」


リース「勇者っていうのはあれだぞ?自分の国の王様から支援を受けられてもどう考えてもそこら辺の一般家庭の月給か年収程度の支援しかもらえず、代わりに訪れた町やダンジョンからの現地調達、見知らぬ家宅への侵入及び徴収権を持ちその自治体の長に無許可で会いに行けて馬車を率いて大体8人の少人数で魔王の拠点を襲撃し解放していくゲリラだぞ!」


有田「その、りくつは、おかしい。」


リース「極まった勇者は各地での情報収集もおこなわず予感めいた直感で最短で魔王まで進めていく他の奴から見たら、え、何それ怖い。みたいなそういうやつらだぞ!」


有田「お気の毒ですがぼうけんのしょは何回も消えました!?」


リース「特にTAS神の加護なんぞ受けた日には追ってくるモンスターを逃走しながら突然その拠点のボスの前にいきなり表れてイヤーッ!グワーッ!で倒していくタツジン=ユウシャに大変身だ!」


アリタ「アイェェェ!?」


リース「だからほら、あの勇者だってそこまで間違った存在ではないだろう_」


有田「……ああうん、そうだな。俺の勇者概念が、間違っていたようだ……。」


エクレア「待ってください!違うんですこれにはわけ」


リース「はいそういうわけで次回をお楽しみに!」


エクレア「ちょっとー!!」

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