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君に捧げる鎮魂歌(レクイエム)  作者: 秋元智也
11/14

襲撃

過激です。レイプダメな人はちょっと・・・。

ここに着てから7日がたとうとしていた。

その日はあいにくの雨で外には出られない為山菜採りも危ないからとあるものでなんとかしようということになり洗濯を終えると二階の一部屋を物干しに使っていた。

「干し終わったよー」

二階から早希の声がした。

「そろそろご飯にしようか?」

「やったー。お腹すいたんだよね~」

階段をリズミカルに降りてくる音がした。

「どうだ!今日は煮魚にしてみた。最近刺身が多かったからな!」

そう、悠人は趣味で料理もたまに作っていたので味はなかなかのものだった。

早希は料理のりの字も出来ないが兄は違った。

引きこもっている間に暇を潰すために母と色々と作っていたのだ。

なのでたまに兄の手料理を食べていた早希はいつも美味しそうに平らげていた。

悠人自身もこんなところで役に立つなど思っても見なかった。

「いただきまーす」

「どうぞ、じゃー僕も」

そう言って箸を取ったときチャイムがなった。

ピンポーン。

「また、宅配便?」

「そんな事聞いてないけどなぁ?見てくるから早希は食べてなっ。」

そう言いおいて入り口に向かった。

チェーンをかけたままドアを開けるとがらの悪い男の人達が立っていた。

「すいませーん。雨に降られちゃって、雨宿りに中に入れてもらえませんかね?」

ニヤニヤしながらいう割りに困ってはいなさそうであった。

嫌な予感しかしない。頭の中はお金の事で一杯の人と女性を暴行しているビジョンが見える人もいた。

「わざわざこんなとこまで車で来ていて?」

悠人の言葉に一瞬言葉が詰まった。車はもっと下の方で停めて来たからだった。

それに怪しまれている。何か心の中を覗かれているような錯覚さえもしてくる。

「俺達ハイキングで来てるんだ。車なんてのって来てないぞ?」

慌てて取り繕うが遅いかも知れなかった。2人の男達は少しでいいからというが一向に開けてくれる気はないらしい。

「2人でハイキングでですか?それとも残りの3人はどこへいったんですか?」

もう、言い逃れは出来そうになかった。なぜわかったのかは知らないが薄気味悪い少年だと思った。

殺すなと言われたが、このまま生かしておくことが怖くなるくらいに気味が悪い。

「もういい。突入だ!」

大声で叫ぶと奥で窓ガラスが割れる音がして早希の悲鳴が聞こえた。

扉を抑えられている為閉めれなかったがチェーンがかかっているのでそのままにして奥に戻った。

そこには早希の首もとにナイフを当てている男の姿があった。

「早希を放せよ」

キィッと睨むとイヤらしい笑いを浮かべてロープで早希を椅子に固定した。

「助けてほしけりゃいうことを聞くんだな!」

辺りを見回して武器になりそうなものはと探していると後ろから痛みを感じた。

ゴツン。と音がしたかと思うとその場に倒れていた。

気が付くと頭の痛みを感じ殴られたのだと知った。

手を動かそうとしても動かないことに違和感を感じ目を開いた。

するとそこには両手をベッドにくくりつけられて身動きが取れない状況であった。

「最悪だっ。」

愚痴っても仕方がない。いくらもがいてもしっかり縛ってあってほどけてこない。

唯一自由になる足ではほどくこともできない。

暫くもがいていると起きたのがわかったのか男が戻ってきた。

「あんまり暴れると傷ができるぜ?おとなしくしてればすぐに済むんだからよ」

「?・・・っっっっ!!なっ。ナニ考えてやがる?」

「まるで心でも読んでるみてーな奴だな?いや、ホントにそうだったりしてな?だったら話が早い。手っ取り早く済ませるか!おい、入ってこい」

一人の男が促すと残りの四人が早希を椅子にくくりつけたまま連れてきた。

「おい、健二。お前好きだろう?楽しませてやれよ!」

一番奥にいた男が無精髭を触りながら悠人の方に近づいてくる。

顎を抑えると左右にゆっくりと眺め舌を這わせる。

「顔はそっちの女よりいいじゃねーか?」

「あぁ、顔はな。しかし、男なのが勿体ないな。このまま売りさばいたらどうだ?高く売れそうだろ?」

上着のボタンを順々にはずしていく。途中でめんどくさくなったのか引きちぎった。すると、ほとんど日焼けしていない白い肌が露になった。

「男の癖に白い肌してんだな?柔らかいし、滑らかな感じが新鮮でいいなぁ~」

「変態ヤローが、その薄汚い手で触るなっ」

「まだ、そんな事を言うのか?自分の状況が分かっていないようだな?」

「ぐふっ・・・」

腹を思いっきり蹴られ息が詰まる。

「きゃーーー」

早希の悲鳴が聞こえる。まだ、暴走はしていないが早く逃げないと早希の中にいるもう一人が出てきてしまう。焦ってはいても逃げるすべがなかった。

健二と言われた男は悠人の股間を握ると思いっきり握った。

「ああああああああーーーーー」

痛みで頭が真っ白になり目の前でチカチカと火花が散ったようになる。

意識は段々と奥へと沈もうとしていた。

何度も緩めては強く握り込まれ、繰り返されるうちに感覚もほとんど感じなくなってきていた。

ぐったりと力なくその場に身を委せるしかなかった。

周りで薄ら笑いが聞こえる。一人が早希の服に手を入れているのに気づいて。

「汚い手で早希に触るな。けだものが!」

「おいおい、まだ、威勢がいいぞ?」

健二と言われた男は悠人の首筋に噛みついた。

「いっ・・・いてぇ・・っ・」

いくつか跡を残してゆく。

見ているだけだったがもう一人が足元へ回るとズボンを脱がせ始めた。

「女には手を出すなって話だったか?」

「仕方ねーな。コイツで我慢するか?」

さっきの早希に触れていた男は早希から離れて悠人の足元に来ていた。

「こいつさっきので感じてたのかよ?ヤラシイ体してんじゃねーか?」

言葉を聞くのも嫌な位に下品な言葉で辱しめられ、彼らの頭の中では自分を犯している画像がそのまま流れ込んできた。

これからされるであろう行為がそのままにして見せられているようで耐えられなかった。

その間もしつこく全身を這いずり回る気持ち悪い感覚が続いている。

口のなかに布を無理矢理押し込むと好き勝手にいたぶり始めた。

「んんっっ・・・んっ・・・んんっ・・」

上半身には執拗に撫でられながら、ざらついた舌が這いずり回る。

下半身の方には無理矢理触れられたり強く握られると敏感になった部分は嫌でも反応してしまう。

意識を手放せたらどんなに楽か・・・それをも許してくれない。

早希がいなかったら舌を噛みきってしまいたかったがそれも今は出来ない。

「おいおい、こいつ震えてるぜ?」

「涙まで浮かべて、誰も助けになんてこねーのによ?」

「ちげーねー」

後ろに指が侵入するのを感じると必死で拒んだ。

「んんっ・・・んんんっ・・・」

「待ち遠しいのか?今、感じさせてやるからなぁ~。おい、足を持ってろ!」

抵抗を試みるが、それも虚しくあっという間に足を捕まれて強引に左右に引っ張られた。

開かされ涙が頬を伝いシーツ落ちる。

ずっと見ていただけの早希が突然笑い出した。

「ふっふっふっふっ、、、はっはっはっ。いいねーいいわー」

男達は一瞬気が触れたのかと思った。

兄のこんな姿を目の当たりにして、正常でいられる筈はなかった。

「混ざりたくなったか?それとも見たくねーか?肉親が姦される姿なんて嫌だったか?」

「あはははははっ。私の悠人。それは私のものよ。気安く触らないで、触れていいのは私だけよ」

大声で笑うと周りの男達を睨み付けた。

早希を縛っていたロープは床にポトリと落ちた。少女はゆっくりと立ち上がった。

すると悠人の足を抑えていた二人の男からいきなり悲鳴が聞こえてきた。

「うわあああああーーーー」

「俺の、俺の腕があああああーー」

悠人には見えていた。二人の男の腕を見えない靄が包み込むと、もぎ取ったのだ。

無理矢理引きちぎられたように床に転がったのを見ると恐怖で顔がひきつり外に逃げ出そうとしたが、その時には両足も千切られた後だった。

そのまま床に転がった二つの遺体。

悠人の側で弄んでいた健二と飛ばれた男はさっきまでの体温もどこへやら、その場に座り込んだまま動かなくなっていた。

体にはぽっかりと空いた空洞から血が滴り落ちていた。

早希を止めなきゃと思いながらも、思い通りに動かない体。

次第に混濁した意識のなかへと落ちていった。

「冗談だろ?化け物じゃねーか!」

「逃げるぞ?おいっ」

リーダーらしき男が振り返るとそこには宙に浮いた仲間が体をミシミシと軋ませ、あらぬ方向へと体が捻れていく姿があった。

「嘘だろ?おい、ボウズ。こいつを止める方法はねーのか?」

悠人の方を見るが意識が朦朧としているのか何も返さない。

「おい、起きろ!」

腕のロープを切り、揺するが反応が薄い。悠人を盾にして早希に向けた。

「お前の大事なお兄様だぜ?手出しできねーだろうが?」

そう言うと外に出るために悠人を抱えて駆け出そうとすると背中を横一文字に切り付けられた感覚に襲われた。

振り返ってみると背中のシャツは真っ赤に染まり痛みを伴い始めた。

横を見ると悠人も同じように切りつけられていた。

「おい、お嬢ちゃん。大事なお兄様なんだろ。殺していいのかよ?」

「私の悠人を返して。返さないと一緒に殺すわ」

「おかしいだろ?大事な奴だろ?」

痛みを圧し殺しながら悠人を連れて外に出た。

あらかじめ呼んでおいたもう一人の運転手が家の前に車を回す。

「どうしたんですか?いきなり呼ぶなんて。他の人は?」

「早く出せ。皆、殺られた。あの女は化け物だ。」

意識のない悠人を横に転がすと背中の傷が消えていくのが見えた。

「嘘だろ?こいつもなのか?しかし、こいつに力はない。別の買い手が付きそうだ!」

嫌らしく笑うと逃げ切ったことへの安堵と少年の使い道に笑いが止まらなかった。

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