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最強の自宅警備員を目指して  作者: 高橋 空
9/11

第1章 9話 軍資金集め

久しぶりの一万字です。

ラストーーのしたエロ要素入りますので苦手な方は飛ばしても大丈夫です。

「それでどうしてそうなったんですか?」


今、島村とウル、シュタの3人は玄関で卯月の血を拭いていた。


「あの…それで妹の為にって…。」


「はぁ〜アリスって馬鹿なの?いいえ馬鹿ですね。」


「馬鹿って!?」


「困ってるなら相談ぐらいしてくださいよ。短い間ですけど私たちは家族でしょ?」


「う、ウル〜。」


アリスは今にも泣きそうな顔をしている。


「罰として1ヶ月間卯月様にアタック禁止ですから!」


「きんし!!」


「なっ!?それはダメ!!やっと心からアタック出来るのに!ウルだって卯月のこと好きじゃないんでしょ!」


「それは昨日までよ。女は強い男に惹かれるの。」


「卯月は渡さないから!!」


「パパはシュタのだよー!!」


女3人が卯月の取り合いをしているころ。当の本人は祝勝会の料理を作る卯月を見ていた。えっ、なんか可笑しいって?本当にそうなんだから仕方がない。


先程、龍の消し炭を捕食したら固有スキル『分身』を獲得した。そのスキルは自らの精神に身を与えるというもので物は試しだと思いリオに身体を分け与えてみると卯月と全く姿が一緒の分身が出てきて人間の体を貰ったことでリオも言葉を発することが出来るようになり。今は鼻歌交じりに大量の料理を凄まじい速度で作っている。


「卯月ー、あとどれくらい作ればいい?」


中身はリオだが声帯などは卯月なので卯月と全く同じ声で話しかけてくる。


「そうだな…。まぁ、多いに越したことはないだろう。もうちょいだ。」


「りよーかい。」


'ぶー、リオだけずるいよ!ヨミもご主人様の分身欲しい!'


(ずるいってな、あいつは料理を作れるからな。悔しかったらヨミも作ってみな。)


'あー、そんなこと言う〜。じゃあやっちゃうから!'


ヨミはそう言うと急に黙り込んだ。暫くすると卯月の目の前にシュタと同じぐらいの背丈や歳の金髪の少女が現れた。


「なっ!?だれ?」


「ひどいー!ヨミだよ!!」


ヨミと名乗る少女はとても可愛くて活発そうな顔をしている。綺麗なブランドヘアで長さは肩くらい。少し長めのショートカットという感じだ。声は年相応の可愛らしい声だ。


「ヨミって!?あの読書家の!?」


「そーだよ?ヨミとマールはご主人様の使える固有スキルは使えるな忘れてない?」


「あぁ、そういえばそういう設定だったな。」


ヨミとマールは念会話が使えるのだから他の固有スキルが使えても不思議ではないのだ。


「設定じゃないもん!!本当だもん!」


「それでその体は?」


「あぁ、これはねツーちゃんに造って貰ったの。かわいいでしょ〜。」


どうやら創造者のエクストラ効果での創造らしい。


「ヨミが分身してない時はその体はどこに行くんだ?」


「ツーちゃんの倉庫!ご主人様のサタンと一緒だよ!」


「あぁ、念じると出てくるやつか。それって他のスキルの奴等も体があるのか?」


「一応造ってたよ!リオのもあるから念じてみたら?」


「ちょっとやってみるか。」


いつもサタンを左手に出現させるのと同じ要領で念じる。すると卯月の姿でキッチンに立っていたリオの姿が急に変わった。


「あらら、ヨミちゃんこれがツーちゃんの造った体?」


「うん、そーだよ!」


リオは髪が黒くお尻の辺りまで綺麗にまっすぐ伸びたロングヘアで顔は京都美人のような顔をしている。背は何故か卯月と同じぐらいで170cmぐらいありそうだ。声は落ち着いた感じでいつまでも聞いてられるような声をしている。


「なぁ…。ヨミ、これってみんなヨミみたいに自由に出てこれるのか?」


「うーん。多分ヨミとマールだけだよー。あとのスキルの分身は一応、ご主人様がスキルを発動してるから。リオみたいにご主人様が分身を使わなきゃいけないの。」


そこにアリスたち3人組が入ってきた。


「う、卯月様?どちら様ですか?」


「こいつらは俺のスキルの読書家と料理人。今は訳あって分身してるけどまぁ、ヨミとリオって呼んでくれ。」


「ヨミだよよろしく〜!」


「リオです。よろしくお願いします。」


「もう、驚くのも無駄な気がしてきた。」


「卯月に常識は通用しないね…。」


「流石、パパだ。」


リオが料理を作り終えたのでとりあえず分身を解除する。しかしヨミはヨミ自身が分身を解除しなくてはいけないので卯月にはどうしようもなく。5人で祝勝会をすることになった。


「え〜、次のウェーブまであと6ヶ月あるから魔王の1人か2人倒して待ちましょう。とりあえずウェーブお疲れ様でした!かんぱーい!」


卯月が音頭を取り乾杯をする。この世界にはビールは無くビールっぽい色のラガーという飲み物がある。一応こっちの世界では15歳から成人という扱いらしく飲酒も許されているのでアリスとウルは呑みまくった。卯月は口に合わず呑まなかったが。そこにリオの作った絶品料理も加わり祝勝会は大いに盛り上がった。


「卯月は優しすぎるのよ!!私なんか一回殺したのよ!!」


「そうですよ!優しすぎます!何か罰を与えなくてはダメです!」


「いや、そう言っても生きてるし…。」


酔っ払いのダル絡みが始まった。


「罰として、私のおっ○い揉んでください!卯月の好きにしていいですから!」


「そうだ、そうだ!煮るなり焼くなり好きにしなさい。」


「いや、大丈夫です…。」


「私のおっ○いじゃダメなの!?私の事好きなんでしょ!!さっき告白してきたじゃない!!」


「そうだ!ってそうなんですか!?何やってんですか!私たちが戦ってる最中に!!私にもなにかご褒美をください!!いや、貰いますから卯月様のは・じ・め・て。今夜は寝かせませんよぉ!」


「ダメです!!はじめては私ですから!ウルには譲りません!」


「いいじゃないの!減るもんじゃないし。」


「減るから!はじめては消費するからね?」


卯月はその場を退場する。


「「あぁ、待って〜。」」


卯月は酔っ払い2人をどうにか跳ね除け1人で温泉に向かう。この1ヶ月間で初めて1人で温泉に入ることに成功した。今までは当たり前のように混浴させられていたから、伸び伸びと入らなかったのだ。


「ふいぃぃー。全く、アリスにあんなこと言うべきじゃなかったな…。直接言ってないとはいえ『俺もだ。』なんて告白みたいなもんか…。」


卯月は少しあの発言に後悔していた。アリスが大切な人ということは事実だが、もっと言うべきタイミングがあったのではないか。あんなさらっと言って…。はぁ〜。


30分程1人で温泉に浸かり食堂に戻るとそこには熟睡するウルとアリスの姿がある。シュタとヨミは酔っ払いのダル絡みに耐えきれずさっさと部屋に戻って2人で寝ていた。2人とも子供っぽいので直ぐに仲良しになっていた。


とりあえず毛布を持ってきて寝ている2人にかけてやる。卯月はその後、祝勝会の後片付けを始めた。


大方終わった頃にウルが起きた。


「悪い、起こしちゃったか?」


「いえ、大丈夫です。」


どうやら寝たことで酔いが覚めたらしい。


「卯月様はこの後どちらに行かれるんですか?」


「そうだな…。特にないかな。」


「それでしたら、王都がオススメです。卯月様程の実力があれば直ぐに王族直下の部隊に入れるでしょう。」


「そうか?でも別に興味ないしな。」


「でしたら、今度王都で武道大会が行われるらしいのでそちらに参加してみてはどうでしょう?」


「それは楽しそうだな。行ってみてもいいな。」


「…。卯月様…1ヶ月間本当に楽しかったです。冒険を再開してもたまにはこの町にも立ち寄ってください。私、今度は本気で卯月様のこと好きになりましたから…。」


「ん?ウル?一つ勘違いしてないか?」


「なんでしょうか?卯月様がアリスのことを好きなのは重々承知です。でもそれでも!!」


「違う違う、そこじゃない。俺どこにも行かないぞ?」


「はい?ですから、王都の武道大会に…。」


「それは行くかもしれないがウルも一緒だろ?」


「はい?いや、同行することは可能でしょうがどうしてです?」


「いや、どうしても何も俺ら家族じゃん。」


「えぇ、1ヶ月間楽しかったです。」


「1ヶ月間って訳じゃなくて。この先もずっとだろ?」


「はい?」


「ウルは変な勘違いをしてるけど俺の家帰る場所はこの世界どこを探してもこの家だけだぞ?だから、武道大会に出てもこの家に帰ってくる。ただそれだけのことだろ?」


「でも、ここは始まりの町ですよ?経験値も美味しくないですし…。」


「でもじゃねぇよ。言うならこの町が好きになったんだ。この町がこの町で働くウルが。この町の全てがな。」


「卯月様…。」


「それに誓ったからなお前ら家族を守るって。もう泣かせないって。」


卯月がそう言うとウルは卯月の胸元に抱きついてきた。


「よかった…もう、お別れかと思ってました…。」


卯月の胸で泣きながらそう言う。


「もう、泣かせないって誓ったのにな…。」


「これは嬉し涙ですぅ…。」


ウルは暫くそのまま泣き続けた。


「卯月様、これからもよろしくお願いします。」


「あぁ、よろしくなウル。」


そして泣き止むと少し辺りを見渡しすぐに寝ると言って寝室へ行った。


「全く、変な気を遣いやがって…。」


卯月はいまだにテーブルにうつ伏せで寝ているアリスの横に座り少し頭を撫でる。


「お前も、もう泣かせないからな…。」


そう呟いたが寝ているアリスが答えるわけもなく独り言となって宙に消えた。卯月はアリスの頭を撫でるのをやめそっとアリスの右手を左の掌で包んだ。


アリスは気がつくと食堂で寝ていた。そして肩には毛布がかけられていて横には同じくテーブルで寝ている卯月がいた。その左手はアリスの右手に重ねられていた。


「ふふ、可愛いとこあるじゃないですか。」


アリスはそう言い卯月の頭を撫でる。


「ありがとう、卯月。これからもよろしくね。」


そう呟き卯月の頬に口をつける。その後毛布を卯月に半分かけてもう半分を自分にかける。今度はテーブルではなく卯月に体重を預ける形で眠りにつく。なんの不安もなく眠りにつけるのは久しぶりだ。


この人ならなんとかしてくれる。だって一回死んでも蘇って来てくれるんだから。2人は"仕組まれた運命で出会った"筈だったがこの2人が会うように"仕組まれることすら運命で決まっていた"のかもしれない。出会うべくして産まれたそんな2人なのかもしれない。


次の日1番に目を覚ましたのは卯月だった。


やばい…。寝ちまったか。ん?肩になんか乗ってる?


卯月の肩にはアリスの頭があった。そこでアリスにかけたはずの毛布が卯月にも半分かかっていることに気付く。


「全く、罰を与えて欲しいんじゃなかったのかよ。アリス、起きろ朝だぞ。」


卯月はアリスを揺すって起こす。


「んー。おはよう卯月…。」


「おはよう。とりあえず、朝ごはん作るからちょっといい?」


卯月がそういうとアリスは自分の今の体勢に気づき慌てて起き上がる。


「ご、ごめん。重かったよね…。」


「ん、大丈夫。」


卯月は短く返事をしてキッチンへと向かう。この頃、朝ごはんはリオに頼らず卯月が自分で作っている。


「なにか手伝おうか?」


背後でアリスがそう言う。


「いや、大丈夫だよ。」


「そ、そう…。あの…卯月。」


「なんだ?」


卯月は手を止めることなく返事する。


「いや、ごめん…なんでもない。」


アリスはそう言って黙り込んだ。少し間が空いて卯月の背中に鈍い衝撃が走る。アリスが急に抱きついて来たのだ。


「なっ!?」


卯月は驚きアリスを跳ね除けて後退りしてしまった。


「っ!!ごめんね!」


アリスは卯月のその反応を見て走って何処かに行ってしまった。


「なんだったんだ…。」


朝ごはんを作り終え食卓に並べるとみんな起きて来て一緒に朝食をとる。


「……。」


「…。」


「ねぇ、ヨミ何かあったの?」


「うーん、わかんないー。」


他人から見ても2人は会話がなく。明らかに気まずそうな雰囲気が流れていた。


アリスが最初に食べ終えキッチンへと食器を洗いにいく。食器洗いは当番制で今日はアリスの番だった。


卯月は1番最後に食べ終え食器をキッチンに持っていく。すると1人で黙々と食器を洗っているアリスがいた。そこで卯月は食器を置きアリスにやられたように背後から抱きついた。


「なっ!?う、卯月?」


「うん。さっきはごめんね…ちょっと驚いて…。」


「いや、私が急にやったのがいけないの…。ごめんね勘違いしちゃって。別に卯月は私のこと好きでもないのに…。」


どうやらアリスはさっきの卯月の反応を見てそう思ったらしい。


「ち、違う!俺はアリスのこと…好きだよ。一緒にいたい。ずっとこうしていたい。」


アリスは食器を洗っていた手を止め卯月の方に向きなおる。


「ほんと?私…卯月に嫌われちゃったかと思って…。だから何も言えなくて…。」


涙を流しそうになりながら必死に伝えようとするアリスの姿が愛しく思えた。


「あぁ、俺もこうしたかった。」


卯月はそう行ってアリスを正面からしっかりと抱きしめた。とても甘い香りがする。


「私も…大好きだよ卯月。」


アリスはそう言うと少し背伸びをして卯月の口にキスをした。卯月はまた驚きで後退りしそうになったがそこは堪える。永遠にも感じた数秒間を終えると卯月とアリスはもう一度しっかりと抱きしめる。卯月のファーストキスは朝食のハムの味だった。


「ふふ、初めてキスしちゃった。」


「俺もだよ…。」


お互いは見つめ合いもう一度キスをした。今度は長くお互いの存在を確かめ合うように。


「うぅー。卯月様あんなに長く!!」


「ウル、覗きはもうやめようよ。パパはもうおねーちゃんのものだよ。」


「ぶー、ご主人様嬉しそう!!」


3人はそんな2人を扉のところから覗いていた。ふたりの長い長い口づけが終わるのを見計らってウルが飛び出す。


「卯月様、私ともキスして!」


「げっ、ウル…。まさか見てたのか…。」


覗かれていたことを知り卯月とアリスは頬を真っ赤に染めた。


「それでこの後はどうするんですか!」


ウルは卯月に怒りながら聞く。


「えぇーと、とりあえず武道大会に出よかと…。」


「武道大会まで、まだ1ヶ月あります!王都への移動を考えても1週間は暇です!!」


「じゃあ、それまで少し休憩するか。」


「あの、卯月様そうしたいのは山々なんですが。王都への滞在費などの経費などを考えると全くお金が足りないんです。」


「えっ?ウェーブの報酬とかないのか?」


「はい。そもそもウェーブは参加自体がボランティア的な所がありますので…。せめてあの龍の死体があれば素材として高く売れたんですけど。消し炭にしてしまいましたしね…。」


「そうか…。さてどうしたものか。」


「クエストを地道にこなしていくしかありませんね。」


「だよな。でも俺とアリスのランクじゃそんないいクエストは受けられないんじゃ…。」


「私を誰だと思ってるんですか!ギルド嬢ですよ!!大丈夫です!少し難易度の高い稼ぎのいいクエスト紹介します。」


それだけ言い残し、ウルは嬉しそうにギルドへと走って行った。


「全く、じゃあ俺らもいくか。」


卯月はそう言って左手を差し出す。そしてアリスがその手を取る。


「そうですね。シュタちゃんヨミちゃんお留守番よろしく。」


「「はーい。」」


そう言って2人は仲睦まじく手を繋いでギルドへと向かった。ギルドへ着くと中の酒場で卯月は手荒い歓迎を受ける。


「あんちゃんが龍をやっつけたんだって?やるじゃねぇか。俺とパーティ組まないか?」


「いやいや、私のパーティ入らない?」


「抜け駆けすんな!俺らのとこに。」


卯月を取り合い酒場が騒がしくなる。卯月はカウンターにいるウルの影へと影渡りを発動する。


「!?卯月様?なぜいきなり背後に?」


「だから、スキルだって。」


「スキルはそんなに便利なものじゃありません。」


卯月に続いてアリスが混雑をすり抜けどうにかカウンターまでやってくる。卯月もそれをみてカウンターの正面へと回り込む。


「卯月、ずるい!1人だけ。」


「悪い悪い、後でなんか買ってやるから。」


「物では釣られませんよ!もぉ!!」


「それでウル、どんなクエストなんだ?」


「はい、受けていただくのはこちらの討伐クエストです。」


「盗賊の討伐?」


「はい。この盗賊団はだいぶ大人数で本来なら10人程度募集して行くのですが今回はギルドマスターへ無理言って卯月様専用にしてもらいました。」


ウルがそう言うとギルドの奥からガタイのいい男が出てきた。この前ウェーブ後にギルドにウル達を迎えにきた時に見た男だ。


「ガハハ!あの見事な魔法が撃てるんだ。それだけで100人が束になっても敵わんだろう!それにしても本当にランクアップしなくていいのか!!そろそろレベルの限界に近い筈だろ?」


「あぁ、それな…ちょっと色々あって。限界突破したんだ。」


「なに!?それは誠か!?なにをしたんだ!」


「スキルがちょちょいとやってくれた。とか言いますよこのお方は。」


ウルが卯月の言おうとしていたことを言ってくれた。


「それは気になるスキルだな…。どれステータスシートを見せてくれないか?」


「んー。まぁいいけど…誰にも言うんじゃねぇぞ。」


それだけ釘を刺しヨミによるカモフラージュ無しの原本を渡す。


「「Lv.153!?」」


ギルドマスターとウルは声を揃えて叫ぶ。


「声がデケェし他の人に聞かれる。」


卯月のレベルに隣にいるアリスも驚いている。


「いや、無茶苦茶なのは知ってましたけどこれは流石にやり過ぎです…。いいですか?限界突破の儀というのは10レベル毎に行わなくては行けないんです。それに言うならば歴代最高レベルは150ですからね?」


「そうなのか?龍燃やしたら50ぐらい上がったから普通なのかと思ったけど…。」


「それより!ゴットスキルを2つ持つなど前代未聞だぞ!!」


「それは進化したのと龍から勝手に渡されたやつで。」


「なに?龍からじゃと!?あの龍は観察者ゼウス様とヘラ様の使いだったのか!?ということはまさかとは思うが観察者に選ばれたというのか!!」


「えぇーと、よくわからんけどそうだな。なんか上から目線で『我等と共に観察するか?』とか聞かれたから断って焼き払った。」


「なっ!!卯月様!?それ凄く重要なことなんですよ!!いいですかその観察者というのは初代国王が2匹の龍と契約したものなんです。いつか、人間の中から龍と同等の力を持つ者が出た時に観察者として世界のバランスを保つ仕事を与えられるんです!」


「そうなのか?でも面倒くさいし。俺どちらかというとバランスとるの苦手だからよ。」


「ガハハ!噂通り型にはまらぬ男だ。気に入った!ウチのウルをお嫁にもらってくれないか!」


「マスター!?」


「悪いな、もう俺には先約がいるんで。」


卯月はそう言ってアリスと手を繋ぎギルドマスターに見せる。


「ぐぅ、それなら側室としてどうだ?」


「第二夫人かそれならいいぜ。」


「卯月、なに堂々と浮気宣言してるの?」


「なんで、私フラれたんですの…。」


「ガハハ、愉快愉快。卯月殿今後もよろしく頼むぞ。」


「あぁ、この町は俺の家があるからな。俺の仕事は自宅警備員だぜ?家のついでにこの町も守ってやるよ。」


「卯月殿にそう言って頂けると安心ですな。」


こうして、やっとギルドでのクエスト受注が終わった。どうやら盗賊団のアジトはアルファングから少し離れており泊まりになるようだった。


卯月はオルクスとサタンを背中に背負い準備万端だ。アリスは純白のレイピア、確か名前はポリアフだったっけ。可愛い名前だと思う。あとアリスは出発前に薬屋で何かを買っていた。大体の傷なら俺の魔法で治せるのだからいらないだろうと言ったら。


「い、一応です!間違ったら大変なことになるので!」


なぜか、顔を真っ赤にして反論された。ともあれ、2人は盗賊団のアジトへと出発することにした。道はアリスのスキル案内人ミチビクモノで最短ルートがわかるので安心だ。


道中は特に新しいモンスターも出ずアリスが前衛に立ち経験を積む。アリスはまだそこまでレベルが上がっていない。今ちょうど30だ。


暫く進むと草原に入った。その後、辺りが暗くなってきたので今日はここで泊まる事にした、もちろん野宿だ。


「野宿って…テントは?」


「ない!」


「えっ、本当にここで寝るってこと?」


「いや、ちょっと待ってて。」


そう言うと卯月は目を閉じ集中しだした。次の瞬間目の前にはコテージのような木造の家が出てきた。


「こんなこともあろうかとスキルで造っておいたんだ。」


「卯月のスキルってほんと便利ね…。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


中は外見より凄かった。内装や家具にも以外と凝っていて普通に2人では少し広いくらいの大きさがある。しっかりとお風呂までつけられているのだ。しかし電力などないのでお湯はどうするのだろうかと考えたがそこは卯月が器用に魔法を使いお湯を沸かす。


「アリス先に入るか?」


いつもの家なら広いので混浴が当たり前になっているがこの家のお風呂はそこまで大きくないので交互に入るものだと卯月は思っていた。しかし。


「い、一緒に入ろ…。」


思わぬ誘いがあった。まぁ、断る理由もないので一緒に入る事にした。シャワーは1つしかないので先に卯月が入り体などを洗い終え浴槽に浸かる。その後アリスが入ってきた。もちろん水着を持ってきている訳がないのでタオルを巻いて入ってくるのだと思っていたが…。


「あんまり…見ないで。」


アリスは一糸纏わぬ姿でお風呂に入ってきた。


「なっ、そんなこと言っても…。困るよ…。」


一か月前に最初にお風呂に入った時に見た以来のアリスの胸はもちろん先端が陥没していて。それでいて大きい。


「卯月…。体洗って…。」


今日のアリスは随分と積極的だ。まぁ、家に帰ったらシュタやヨミ、ウルもいるしこういうことは出来ないのだけども。


「体洗って、そう言われてもだな…。とりあえず石鹸を持って背中を洗う。」


初めて触る女の背中は想像以上に柔らかく、そして熱かった。


「ほら、背中流したぞ。」


卯月は平然を装っているがもちろん息子は元気いっぱいだ。


「次は…前。」


「前!?それは色々とまずいんじゃないか?」


「いいの、卯月なら…。それにこんなこと家じゃできないし…。」


「そ、そうか。」


卯月はアリスの前に行く。もはや下を隠す気もない。


「洗うぞ…。」


「うん。」


アリスは意図的に卯月の下半身は見ないで卯月の顔を見ていた。卯月はもう理性を保っているので精一杯だった。


「んっ…。あっ。」


まずは肩からだ。ここが1番やりやすい。その後右手左手と洗って行く。


「次は胸だよ…。」


さて問題の場所だ…。これは体を洗ってるだけ。大丈夫。ススッーと手を移動していき胸に触れる。柔らかい…。アリスの体のどの部分より柔らかかった。まずは周りを洗って行く。掌で撫でるように…。


「あぁ。んっ…声…でちゃう。」


そして問題の先端部分だ。もう陥没はしておらず逆にビンビンに尖っている。最初は周りと変わらず掌で撫でる。


「ひゃっ、あんっ…待って。気持ちよくなっちゃう。」


待ってた言われて待てるほど卯月は理性を保ってはいなかった。次は指と指の間でつまむようにする。


「…ねぇ。だめっ…あっ。だ、めんっ。待って。」


アリスの息が荒くなっていく。しかしもう卯月は止まらなかった。そのまま手を下へと伸ばす。指を挿れるのは流石に躊躇い擦ることにした。


「!?ふ…あっ。今そこっ、さわっ…るととんんー。だ、ダメェー。」


アリスがそういうとアリスの体が急に痙攣を始めた。


「…。もしかしてイッた?」


「うぅ、止めたのにぃ〜。卯月の変態、バカ!」


どうやら、やり過ぎたようだ。


「卯月、ツラそう。こうするんだっけ?」


そういうとアリスは卯月の息子に手を伸ばし上下に擦り始める。


「いいよ…そんな、やらなくて。」


「ふふふ、私はイかされたんだから卯月も一回イかないとダメでしょ?」


そう言いアリスはさらにスピードを上げる。やばいやばい、他人にやってもらうと気持ち良さが全然違う。


「待って、そんなに頑張ると!!」


「卯月も感じてるの?先端から汁が出てきたよ…。」


そしてあろうことかアリスはその汁ごと舐め始めたのだ。


「待て待て待て。それは不味い!口に出すぞ。」


「いいの、早くちょうだい。」


そう言ってアリスは先端だけではなく奥までしっかりと咥える。


「やっばい、それ…でるっ!ごめん!!」


アリスの口の中だけで収まりきらず顔にまでかけてしまった。


「ごめん…。大丈夫?」


「ふふふ、大丈夫。なんか恋人になったんだって実感して嬉しい。」


アリスは今までで1番の笑顔を浮かべそう言った。その姿が愛おしく卯月はアリスに抱きついた。


「もう、離さないからな。幸せにしてやるから…。」


「うん!私も離さない!!」


そう言ってアリスも卯月に抱きつく。


「あと…続きはベットでしようね…。」


「あぁ、後でな…。」


こうして2人は一線を超えた。ただ、アリスが薬屋で買っていたのはゴム状のものだったと言っておこう。



この話を全2〜3話で終わらせてその後に新章突入です。


明日も0時更新です

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