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最強の自宅警備員を目指して  作者: 高橋 空
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第1章 4話 子作り。

「卯月さん、これどうですか?」


「なんか、地味すぎですよ?こっちの方がアリスになら似合います。」


「そうかな?卯月さんはどっちがいいです?」


「どっちも一緒だ。」


「「卯月さん(様)、酷い(ですよ。」」


 ウルと島村は声を揃えてそういった。


 さてさて、なぜここにウルがいるのか説明すると1時間前に遡ることになるが別に大切なことではないのでここでは割愛する。


 まぁ、2人で行かせるのはマズイとウルが考えギルドマスターに直接交渉して早退させてもらっただけなのだが。


 こうして付いて来たウルは島村にオススメの服屋さんを紹介してすっかり意気投合したらしい。でも俺が行きたいのは南側の武器屋がある工業地区なのだが。


「卯月さんこれ買ってもいいですか!?」


「やめとけ、まず先に装備を整えなきゃ戦えないだろ。」


「えぇー、でもお金はあるんだから少しくらいなら…。」


「アリス、冒険者にとってお金は装備は大事よ。実家の宿屋にいったら着なくなった洋服あげるからそれで我慢しなさい。」


「ぶぅ、ウルのじゃ胸入んないもん。」


「あら?それなら今ここで千切っていきましょうか?」


 ウルはそう言い島村の胸を揉み始めた…。揉むというより凄まじいレベルの力がそこに加えられ形が歪んでるが。


「アっ、やめて!んっ…もう!」


 確かにウルはまぁBカップぐらいだろうか?大きくはないがペタンコというわけでもない。島村が大きいのだ、Eカップぐらいあるだろうか?


「卯月様は私のお胸とこのデカくて主張の激しい胸どちらがお好みですか?」


 おっと…2人の争いが飛び火してきた。


「…。そうだな、俺は別に貧乳好きの趣味もないがデカイのも嫌だな。ちょうど2人の中間ぐらいかな?」


「「はぁ…。」」


 'なるほどご主人様はC〜Dカップが好きと。'


 呆れる2人と参考にする1つのスキル。お前が参考にしてどうするんだとは思ったが突っ込まないことにした。


 最後の卯月の一言が2人の終戦を告げたらしく。大人しく工業地区へと向かう。


 2人はお互いに慰め合うように歩いていく。1度も会話に入ろうとしたらとてつもない顔で睨まれた。


 仕方なくスキルと会話している。


(なぁ、ヨミ?ここ最近マールが出てこないけど、どうかしたのか?)


 'マールちゃんはね…なんか自分の限界に挑んでるらしいよ。'


(そういえば最後に話した時にそんなこと言ってた気がするな…。まぁ、終わったら知らせてくれ。)


 'わかった〜。'


 ポンポン


 肩を叩かれた。


「卯月さん着きましたよ?」


「おぉ、そうか悪いな。」


 どうやら、ヨミと会話していたら工業地区に着いていたようだ。さてまずは武器を買わなくてはいけない。


「ウルさん、オススメの武器屋あります?」


 こういうのはウルに任せておけば間違いないはずだ。


「そうですね、金に糸目をつけないなら飛びっきりの腕利きがいますけど…ちょっと性格に難がありまして。」


「まぁ、金貨1枚以内なら糸目はつけないから、そこに行ってみるか。」


(ヨミ?お前武器作れないのか?)


 'うーん、できないことはないけどそういうのはツーちゃんの方が得意だよ?'


(ツ、ツーちゃん?)


 'うん。創造者ツクリダスモノのことだよ。ご主人様が名前つけてくれないから拗ねてたよ。'


(なに?スキル同士も話し合ってるのか?ってか全部名前つけたら多すぎるだろ。)


 'うん、結構話してるよ!でも、みんなで名前付けあったから大丈夫!'


(それで?ツーちゃんは俺には話しかけられないのか?)


 'うん、ツーちゃんは念会話を習得できてないからね。私経由なら話せるよ?'


(それなら頼む。武器は作れそうか?)


 '…。うん、わかった。 大丈夫だって〜。でも今のままじゃ武器の仕組みがわからないから本とか見たらできるって。'


(じゃあ、1回職人の技を見たら盗めるか?)


 '…。たぶん大丈夫っぽいよ?エクストラ効果を使えばどうにかできるって'


(じゃあ、見れるか交渉してみるか。)


「あの卯月様?大丈夫ですか?」


「あぁ、悪いちょっとな。」


 スキルとの念会話は集中しちゃうから周りに反応できないな。


「さっきから、卯月様は集中してますけどなにしてるんですか?」


「あぁ、ちょっとスキルと会話をしててな。」


「スキルと会話!?スキルって話せるのですか!?」


「いや、スキルは話せないんだけど…念会話を使ってな。」


「スキルがスキルを使うなんて聞いたことありませんよ!!それよりまずスキルが自我をもつというのを聞いたことありません!ちょっと会話して見たいんですけど!」


「えっ、そうなのか?」


 'そうだよ〜、私たちの自我はツーちゃんに作ってもらったんだ。'


(おい。創造者ツクリダスモノは俺に対して役に立ったことないのにスキルに対しては随分と役に立ってるんだな。)


 'そんなことないよ〜、ご主人様さっきのウォービーストとの戦いの時、相手がスローになったでしょ?あれはツーちゃんがご主人様の世界を創造したからだよ!'


(ムッ、あのスローはツーちゃんとやらのスキルだったのか。役に立ってたんだな。それよりヨミ!ウルに念会話できないのか?あいつ信じてないぞ?)


 'できるけど〜…マールちゃんとご主人様以外と話さないって約束してるからやっぱ無理〜。'


「どうやら、ウルさんとは会話できないらしい。」


「えぇーなんでですか!?」


「なんでも俺以外とは話さないという約束らしい。」


「そうですか…。」


「卯月さん!私を仲間外れにしないでください。」


「あぁ、はいはい。着いたんじゃないか?」


 島村は流されたことにご立腹か頰を膨らませている。


 ガチャリ。


「…。」


「留守か?」


「いえ、そういう訳ではないですよ。」


 ウルがそういうと奥からガタイのいいおっさんが出てくると思いきや出てきたのは女の子だった。前髪が長く目を覆っている。肌は白く人形のような人だった。年はたぶん10歳くらいなのになぜか胸はウルより大きくCカップといったところだろうか。


「はぁ…客か…。また、ウルちゃんの紹介?わざわざ仕事を増やすなっていつも言ってるよね。」


「いやぁ、半年ぶりだねシュタ。」


「まったく、ウェーブの度に武器作れって…。めんどくさい…。」


 シュタという名の女の子は商売人とは思えない程のめんどくさがりだった。


「お腹減った…。よし、武器作る代わりに美味しいご飯を作ってよ。よろしく…。」


「はぁ、卯月さんちょっと今回のお題は厳しいかもしれません。」


「なんだお題って!」


「この子は腕はいいんですけど武器を作る代わりにお題を1つ出すんです。いつもなら部屋の掃除とかお買い物なんですけど。今回のご飯を作るというお題に関してはシュタちゃんは味にうるさくて前にシェフを呼んできて挑んだ人がいるんですけど敢え無く撃沈しました。」


「なるほど、料理か…。やってみる価値はありそうだな。」


「そうだね、卯月さんは足引っ張らないように気をつけてね。」


「ムッ、何を言う俺だってな。」


「はいはい、男の人はみんなそう言いますから。」


 そう言って卯月は女2人組とは別で作ることになった。とは言ってもキッチンの都合上交互に作るのだが。


「キッチンと食材はうちの使っていいからね〜。そうだなぁ今はオムライスが食べたい気分かな…。」


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「うぎゃぁ〜!!焦げてるよアリス!!!」


「焦げてる方が美味しいの!!」


「そんな料理ありません!!」


 先に作り出したのは女2人組だったがめちゃくちゃだ。


「できましたよ!シュタちゃん食べて!」


「ねぇ、これなに?真っ黒なんだけど…。」


「なにって、オムライスだよ?」


「オムライスは黒くないから…。」


 パクっ。


「…。」


 シュタはそのオムライスを食べて硬直した。そしてそのまま3分が経過した。


「なぁ、誰か回復魔法をかけてみないか?」


 卯月が提案するとウルが回復魔法をかけた。


「ハイレン。」


「………。ハッ!!ここは誰?私はドコ?」


 まずい、シュタの目の焦点があってないし可笑しな事を口走っている。


「味どうだった?」


 よく島村は味の感想を聞けるな…。ってかあのオムライス毒付与がかかってんじゃねぇか。


「殺す気か!!」


「「えぇ、自信作だったのに…。」」


 どうやら女2人組は失敗に終わったようだ。


「はぁ、じゃあ次俺な。」


「毒入れるなよ!?」


「入れねーよ、そこの2人と一緒にすんな。」


 まぁ、現実世界でも料理はやってたし一応スキルの料理人もあるしどうにかなるだろ…。


 キッチンに立ち食材を用意すると。


 ピコンッ!


 スキルの料理人が使用可能と光った。


(んじゃ、よろしく頼むぜ。)


 そう言うと意識がなくなった。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 ギュム!


 意識が戻るとなぜか、柔らかい感触が体を包んでいた。


「…。!?」


 目を開けたが状況が理解できない。なぜかシュタが抱きついているのだった。


「えぇーとこれはどういう状況なのかな?」


 そういうとシュタは目を輝かせながら卯月を見つめた。


「卯月!お前、シュタのお父さんになれ!」


「えっ!?ちょっと、どういうこと?」


 卯月は島村とウルに説明を求めたが2人揃って部屋の隅っこに体育座りをしている。


「あのぉ〜ちょっと?」


「どうせ、私たちは料理もできない。ダメ女よ…。」


「ふふ、アリス甘いわ、私たちはダメ以下ゴミ女よ。」


「「あぁ、ミジンコになりたい。」」


「誰か状況を説明してくれ!!!」


 〜30分後〜


 ようやく、立ち直った2人に事情を説明してもらった。ちなみにシュタは今も卯月に抱きつき「パパァ」と言っている。


 どうやら、料理人に体を貸していた卯月は神業レベルの包丁使いと手捌きを女2人組に見せつけ。金色に光るオムライスを作り上げたらしい。それを食べたシュタが卯月を気に入り今に至ると。


「シュタは小さい頃に両親がウェーブで死んじゃって。今まで1人で生きてきたんだよ。だからお父さんの代わりになる人を探してたの。」


「おい、俺がいつお父さんになるって言った。」


「えっ、ダメなの?もう1人で料理作りたくない…。」


 シュタはキラキラとした目で上目遣いをしてきた。くっ…それは反則だろ。


「まさか、卯月様がそんなに料理が上手いとは思いませんけど。」


「まぁ、俺が作ったというよりスキルなんだけどな。俺、意識なかったし。」


「そんな…スキル。あぁ、ユニークスキルで料理人を持っていましたね。なるほど、それなら納得です。」


「うーづーきーくーん?」


 あら、なにやら島村が起こっている。背中に鬼が見えている。


「ステータスシートにそんなこと書いてあったっけ?君スキルはゲーマーと睡眠家しか持ってなかったよね?あれれ?料理人はどっから出てきたのかなぁ?」


「いや、あの…誤魔化してましたすんません!!!」


 卯月は素直にステータスシートを誤魔化していたことを報告した。そして格好は自然と正座となり本当のステータスシートを島村に見せた。


「………。これはなに?」


「えーと、ステータスシートです。」


「うん。それは知ってるよ中身よ中身!!なんなの?トータル550オーバー!?しかもレベル5って!?」


「いや、島村さんが怪我してる時に僕もウォービーストに襲われちゃって倒したらレベルもグインって。ハハハ〜…。」


「ウルも知ってたんだよね?さっきの口調だと。」


「いやぁ〜なんのことやら…。」


「へぇ〜嘘、ついちゃう?」


 島村の手からボキッバギボギと音がなる。


「わ、私はプレートで嘘ついてもいいことないって言ったんですよ!」


「あっ、ウルてめぇ仲間売る気か!!」


「ふーん。ど、う、ざ、いよね?」


「「すんませんでしたぁぁ!!!!」」


 この場は2人で本気の土下座をして事無きを得た。


「まったく、パーティなんだから…嘘は…なしにしようよ…。」


「そうだな、悪かった。」


「おねーちゃん、パパいじめちゃダメ!」


 シュタが島村にそう言った。パパになった覚えはないけど。


「パパはね、嘘ついたんですよ?いじめて当然です。嘘つきは女の敵ですよ?」


「ムゥ〜パパ、嘘はメッ!」


 どうやらシュタは反論したが島村に丸め込まれたらしい。


「それより、武器は誰が作るんだ?」


「はーい、シュタだよ?」



「ちっちゃいのに作れるのか!?」


「もっちろーん。ちっちゃいのは関係ないもん。」


「シュタは鍛治士歴10年のベテランさんよ?」


「10年って10年なんだろ!?」


「そう!シュタね生後3ヶ月で槌持ってたんだって。あと初めて話した言葉が『火炉に火が足りん』だったってママが言ってたよ?」


「そりゃ、ママはドン引きだろうな。」


「いやぁ、飛んで喜んだらしいよ。」


 親あってこの子ありか…。


「それでパパはどんな武器使うの?」


「特に決めてないけどやっぱり最初だから剣かな。」


「それなら専用の剣つくるけど要望はある?」


「そうだな、出来ればスピード重視よりはパワー型で片手で使えるくらいがいいな。」


「わかった。ストレンジ要求が高めな武器ね。」


「あ、あとシュタ作るとこ見ててもいいか?」


「いいけど、暑いよ?」


「大丈夫だ。」


 シュタの手捌きは見事だった。流れるような作業で一振りの剣を作り上げた。

(どうだ、できそうか?)


 '…覚えたって!'


 よし。これで自分で武器を作ることが出来る。


「はい、かんせーい。ちょっと振ってみて。」


 渡された剣を少し振ってみる。


 スァン!


「どう?いい感じ?」


「驚いた…要望通りだ。」


「でしょ。シュタは腕は確かなこの村1番の鍛治士だからね。ただ、気に入った人にしか作らないんだけど。」


「だって、嫌な人に私の分身は渡さないもん。」


 シュタから渡された剣は柄から刀身まで真っ黒でまさしく漆黒とでというような美しい剣だった。固有名がオルクスと表示されている。


「あの〜シュタちゃん、私の剣も作ってくれない?」


「おねーちゃんは料理下手だったからイヤ。だけど、おねーちゃんに渡さなかったらパパを守れないからしょうがない作ってあげよう。どんなのがいい?」


「私はスピード重視のレイピアがいいです!」


「りょうかーい。」


 島村の武器はレイピアに決まった。島村のレイピアは卯月のオルクスとは真逆の純白の刀身だった。


「んじゃ、ありがとなシュタ!お代は幾らだ?」


「お金なんていらないよ〜。その代わり私を養ってください。」


「あっ!?何言ってんだ?」


「だって、パパだもん。お父さんお母さんシュタは遂にパパを見つけましたよ。」


「ダメに決まってんだろ!」


「どうしてですか!?」


「どうしてとなにも…。」


「こんなにかわいい少女を1人にして置いていくのですね。お父さんお母さんシュタは今イジメにあっています。」


 そう言ってシュタは目をキラキラさせて見つめる。


「…。あぁ、クソッ、しょうがねぇな付いて来い。」


「なんだかんだで卯月様って優しいですよね?」


「なんだかんだでしなくても卯月さんは優しいですよ?」


「うん、パパはやさし〜。」


 こうして卯月一行には仲間が増えた。


また、なにも考えず行き当たりバッタリで新キャラをだしてしまいました。

一応3人目のヒロイン候補ですね笑


次からは0時に更新です。

5話は少しエロ要素が入るので楽しみにしといてください。そこまで過激ではありません。

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