所詮人間。
別働隊で、ミソラとキャリーが行方不明になった。
俺の方は、その倍以上の頭数を、あの犬頭の餌食にさせてしまっている。
したがって統計、両手の指で数える必要のある人員を失ったことになる。
それは単純な意味で重要かつ重大なことだが、間接的な意味においても重大で重要な意味をもつ。
誠一という男は有能だ。
何らかの能力に特化したのが大多数を占める爪弾き者集団の中でも頭抜けて頭がキレるし、指揮能力もそれなり。なにより常識人だ。
戦闘技能も含め総合的に見れば、部隊内どころか騎士団最高峰といって差し支えない人材。
不足の事態、数で大きく勝る軍勢を相手に、明確な死者をゼロに抑え、撤退に成功していることからも、それが窺えるだろう。
そんな奴が何故、十三隊という爪弾き者集団に属しているのかと云えば、有能故のやっかみと、東方生まれであるからと、あとは経歴か。
長年に渡り戦争を続けている東西の二大国。
奴の親は、ここ西方の敵側である東方から亡命、てか脱走してきた元兵士だ。両方。
両親が元敵国の人間で、その上母親が早くに過労死。父親も強盗殺人の罪で処刑台送りにされ、地位も後ろ盾も身よりもないというアンラッキーな履歴をもつ誠一は、当時相当荒んでいたらしい。
そんな誠一が始めて心を開いた他人が、とある事件をきっかけに知り合ったキャリー=ケントルム。そう、キャリーである。
当時はそれなりに権力があった、貴族。
そのケントルム家という貴族のコネを使い、当時から腕っ節の強かった誠一を軍学校に誘ったそうだ。
そこから友人期間十余年を経て、つい最近恋人関係になったという、面倒クセェ男女。
その片割れが、戦場で行方不明になったということ。
精神面に懸念要素が多い誠一でなくとも、ヤバいと即断できる状態。
だとはまあ、思ってはいたが……
「……想像以上だな」
樹海を抜け、小さな山の中腹に位置する合流地点、野営地。
人が屈めばようやく身を隠せるものから、何十人と楽に隠蔽できそうなサイズまで、不規則に埋まったり転がったりしてる岩の山に囲まれるその空気は、ある種異様な重圧をもっていた。
敗残兵、とまではいかんが、方向的な雰囲気が似ている。
物理的損害というより、精神的な要因のほうからきていると判断できるムード。さんさんと無駄に照りつく太陽に当たっている中、陰気な何かで覆われているみたいなのが、より一層際立つ。
ぐったりとしたハゲやら、苦痛の中意識を手放したような負傷者やら、武器を持ったまま力無い敬礼を返す奴やら……
居るだけでうんざりしたくなる。
みろ、空気に当てられてガタガタ怯えるアリューシャなんざ、俺にしがみついてまったく離れやしない。
おかげで不快指数はさらにうなぎ登りだ。
指揮者の動揺は、部下に色濃く反映されるってね。やれやれ……
「……よう」
「…………副長」
控え目に云って半分屍人みたいな誠一が、アリューシャやら変態仮面やらとは異なる陰気さを含んだ三点リーダーを挟み、隈をこしらえた目で俺を一瞥。
すぐ力尽きたように頭を垂れ、手頃な岩の上で肩をおとす。
アスカやら双子やらを、疲弊しきっていた見張りと入れ替え警戒にあたらせた事をこっそりと後悔。
巻き添えか人身御供か生贄にはなったろうに。
「……指揮権は、お返し……します」
自分でも重症と分かっているのか、誠一は役割の返還を自ら口にした。
確かに、合流した以上は指揮権は統一すべきだが……それだと、当初の予定から大幅にズレる。
十三部隊の中で、まともな作戦・戦闘指揮が執れるのは、俺と誠一、ヴァルカ。大分劣って、キャリーくらいしかいない。
しかしキャリーは不在。その煽りで誠一はこのザマ。ヴァルカに至っては死んでやがるし……んで俺は、
「……俺は、指揮をとれんぞ」
「……っ!?」
合流までの道中、アスカや変態仮面の朔に聞かせた事を、面を強ばらせた誠一に語る。
概要はこうだ。
俺が合流したのは状況確認から、部隊再編に方針相談のため。俺はといえば、どう転んでも長居するつもりはなかった。部隊運営は、誠一たちに任すつもりだった、と。
確かに、俺は部隊の指揮がとれる。
だが、俺の本分はそれじゃない。暗殺や撹乱、騙し討ちを含めた諜報活動こそ、俺の本分。
その本分をまっとうする為に、集団から離れた単独行動……は薄桃色の金魚糞が付属するから無理だとしても、それに近い規模で動きたい。
「……俺たちを見捨てるんですか?」
「違ぇよ。お前に連中を任すっつーてんだ」
底から響く、煮えたぎるナニカを押し殺したような声に、単調な声を返す。
「何が違うというんです? 俺が指揮を継続しても、全滅は見えている」
「俺が指揮しても、いや。誰がやっても同じだよ、それは」
国と一万の軍勢、極めつけは異能力者に囲まれてるんだ。
どれだけ優秀な指揮官が、どれだけ最適な指揮を執っても、だ。
この状況じゃ、遅いか速いかの違いだけだよ、壊滅は。
「アンタはっ……アンタがそれを言うのか!」
しかし少々、冷静さと正気を欠いているらしい誠一には、言葉が足りなかったらしい。
どうやら額面通りの諦めととったらしく、元は童顔なくせに幽鬼じみた形相と殺意で、胸倉を掴まれた。
ぎしりと軋む噛み締められた歯の音が、間近で聞こえ。
「アンタを慕って、アンタを信じてここまで、みんな、キャリーも俺も、ここまでついて来たんだぞ!?」
暑っ苦しい。叫ぶな、つばが飛ぶ。息も苦しい、この馬鹿力。
「それを、見捨てるのか?! 俺は、俺じゃ無理だって言ってるのに!」
やれやれ、このザマじゃほんと無理かね?
チンピラのように俺を掴み上げてはいるが、俺をつく視線はその実、狂乱と依存。
しかし残念ながら、真綿で首を絞められてるこの現状をなんとかする為には、この馬鹿をなんとか使えるようにしなけりゃならん。こいつは、本当はできる奴なんだ。
まずは酸欠手前でどうしたもんかと、頭を捻ろうとしていたら、
「…………うーっ……!」
唐突に、頭突きを振り下ろすのに都合が良い間合いが、間に入ってきた小柄な物体によって割って入られ、不意を突かれたからだけとは思えんほどすんなり離される。
解放された反動でたたらを踏み、軽く咳き込んでいる中。視界のかなり下の方に、日光を反射させる薄桃色の後頭部が見えた。
……帽子をどこで落としたか、アリューシャよ。
「……らでぃるを……いじめちゃだめっ…………!」
…………ああっ、止めてくれなんかそういうの、虫酸が走る!?
さながら飼い主を庇う小動物のような、必死こいて踏ん張ってますあなたのために、とでも言いたげ背中を眼におさめ、全身にさぶいぼ粟立つ感覚に、頬を引きつらせた。
「――……っうく……っ!」
しかしその姿は、俺のような嫌悪感だか不快感だか拒絶反応だかとはまるで逆の方向性だろうが、俺以上に誠一へ効果抜群だったらしく。
息を呑み表情を強ばらせ、体を硬直させる。
弱者や目下にとことん甘い、良くいうならば誠実なこいつならではの反応と云えるだろう。
だが、
「余計なことをすんな」
俺は違う。
すぱぁん、と。微妙にガキが傾く程度の強さで、後ろから頭をはたいた。
打って変わった空気に相応しい、奇特な沈黙が場に満ちる。
「……ふっ、ふくちょう?」
動揺に目をしばたかせる誠一をシカトし、チンチクリンを鋭く見下ろす。
「いいか。そういうのはな、てめぇより立場やらなんやらが弱い奴にやるもんだ」
テメェが俺を庇うなんぞと、五十年は早い。くそガキ。
「…………ぅ゛ぅぅぅー……」
半泣きよりも半歩踏み込んだくらい潤んだ目が、俺を見上げる。
ほれ、ちっと後ろからはたかれたくらいでそうなる奴が、慣れねーことしてんじゃねぇよ。
「……らでぃるううううっ……!」
ああ、泣くな鬱陶しい。何も行為それ自体がダメと言ってるわけじゃねーだろ? ただな、時と場合と相手を考えろ。
俺はな。誰かを盾にするのはまだしも、盾になられるのだけは我慢できねーんだよ。わかったか?
「……なんかえらく最低ーなことを吹き込んでるなー、ふくちょー」
理解してないながらも首を振るアリューシャを見届け、子供っぽいのを装った口調に振り向く。
無駄に気配を消した双子の片割れが、崩落させれば人間を一ダースほど潰すのに便利そうな岩山に背中を預けていた。
「見張りはどした」
「犬に頼んだンだー」
犬。影でこっそりこの双子にそう称されてるのは、双子、というより女児全体にヤバい目を向ける真性変態。
その性質故、野郎は女児にいいカッコ見せたいため、女児に絶対服従している。だから犬。
しかし、奴も野営地の端の方でぐったりしていたような気がしたが。
まあ、かつては三日三晩どころか一週間ほど飲まず食わずで七才児をストーキングしていた犯罪者だ。疲労の心配などするだけで阿呆らしい。ついでに思考するのも阿呆らしい。
「んでなになにー、修羅場? 誠一とシュラバー?」
お前、何しに来たんだ。
得体の知れない愉悦で濁った、太陽下の異物を無視し、足元に転がっていたアリューシャの帽子を回収。
軽くはたいて汚れを落とし……そこにへばり付いていた擬蠍――通常の蠍よりも一回り小さく、また擬態もできる蠍に似た魔虫――も叩き落とし、踏み潰す。
未だにぐずるアリューシャに、帽子をかぶせてやる。鬱陶しいほどに長い髪を多少ましにするため購入した物。何でも、無断で心無い者が女の子の髪と描いてイノチを伐採したならば、代償として首を伐採される、とか。
要約すれば、切ったらコロス。という。
ぶっちゃけ脅し以外の何物でもないコトを口にしたのは、俺にゃ理解不可能な概念を信望するキャリー。
リクエストに応える為の対策、その上を、蚊は殺せないだろう強さで軽くはたく。
二度、三度。
ぐずりが止んできたのを見計らって、イレギュラー二人の存在でフリーズしたままの誠一を見る。
「頭は冷えたか?」
「…………はい」
頷くその表情からは、少なくとも先程の鬼気は感じられない。
だから続ける。これからの計画を。
状況を整理すれば、まず俺らは王国軍と帝国の軍勢に挟まれている。地形の都合もあり、脱出は極めて困難。
さらには両軍共、不確定ではあるが異能力者――俺らを単体で壊滅さすことのできる駒を所持している。隊長は五分五分だが、ここはマズい方向性に転がっている前提で進めるぞ。
帝国軍と王国。共に友好とは程遠い関係だが、異能力者使って人民や国ごとぶっ飛ばすという、条約シカトな所にはいってないらしい。
その辺は外交的問題だから置いとくが。
王国側は帝国の侵攻に気付き、浮き足立ってる所だろうか。
俺らが作っちまった騒動に重ねて鑑みれば、指揮系統の混乱も予想できる。まあそれで混乱してようといまいと、王国軍とも遭遇すれば交戦は避けられないだろう。
とどのつまり、両軍ともが一度接触すれば交戦必至の敵。
「帝国に白旗あげるってーのはー?」
そりゃ最終手段だ、双子片割れ。敵地に奇襲紛いの侵攻かけてきた軍勢相手に白旗揚げてのこのこ近寄るなんぞと、まず問答無用で撃ち殺される映像が浮かぶわ。
よしんばそこをクリアしても、不確定要素に懸念要素が多すぎる。ひとまず置いとけ。
んでその帝国だが、動きを見てればおのずと解る。
いや報告を聞いただけだが、聞いた限り帝国の戦略、電撃戦で概ね間違いない。
呼んで字の如く雷のような速さで進撃し、可能な限り迅速に目標を撃破する。
この場合、雷は一万の軍勢と一つの規格外。んな規模の電撃戦なんぞ聞いたこともないが、概要はまんまだ。
「増援や体勢を整えるよりも速く、敵の首をとる構え……侵攻速度は最速というわけですね」
神妙に影をおとす誠一の補足に、頷きを返す。御名答。
んでこの場合、帝国側が――あの月城が想定している頭は、只の傀儡である国王ではなく、実質上王国の実権を握っている傀儡の主、俺らにとっても忌々しい腹黒宰相、オズワルテ=ツェペシュの糞爺だろう。
「帝国の目的がそれで、その侵攻上に俺達が居る。なら、退避すれば?」
首を振る。今度は横だ。
「無駄だ。そう考えて帝国の侵攻ルートから微妙にそれたこの岩山に逃げ込んだんだろうが、読まれてる」
「……え?」
「元々、王国軍はそれなりに力を揚げて俺らの始末にかかっていた。だから周りは、追ってきた連中で囲まれてる」
その囲いもまた補強されるだろう。俺らが突破できないように、帝国の軍勢への時間稼ぎをさせるため、棄て駒として。
元々反乱していた俺らだ、始末もできて一石二鳥だろう。あの糞爺も、アリューシャに未練はないらしいしな。気兼ねない生け贄になる。
んで、それを単純にどうにかする為には、点で突撃してくる帝国より、囲いという面で広範囲展開してる王国だが……
「その囲いを突破しようにも、こっちは疲労に補給不足、負傷者やらでボロボロ。今も直ぐには動けないし、どう考えたって無理だね」
今度は双子の片割れが補強する。残念ながら真面目モードらしく、その指摘は事実だ。
最初は気力も物資も有ったろうが、そういうのは目減りしてくもの。
弾薬は遭遇戦や不足の事態で減少し、その補給もままならない。人員もしかり。反乱の結果孤立無援で、士気が維持できるはずもない。
隊長を出だしで欠いてるこっちの戦力は、その当初からの半分以下に成り下がっている。
「退路は断たれ、大軍が迫る。援軍も補給も無い……」
どこぞの妖怪のようにのっぺらした声で、誠一は俯いていた頭を上げ、俺を見た。
切迫した状況に影響されたか、睨みに近い眼光。
「それで、策はあるんでしょう」
挑発のような確認に、肯く――には微妙としか云えん方策だが、現状これくらいしか手がなかった。
絶対的な劣勢を覆すには、奇策が有用。だが、見通されてるだろう奇策など、奇策と呼ぶに値しない。只の分が悪い賭だ。
「お前らが囲いの中で粘ってる間に、俺が単独かそれに近い規模で王国へ潜入――んで、俺がオズワルテ=ツェペシュの首を刈る」
沈黙。僅かばかり、完全に狂人を見るような視線と沈黙を受ける。
「……問題点を挙げてもいいですか?」
「なんだ」
出来の悪い教え子の質問に答える教師のような鷹揚さで返答すると、誠一は眉間のあたりを指先でこねつつ、問題点を口にする。
「副長が、どうやって包囲から出るんですか?」
「俺一人ならどうとでもなる」
と、首に回されたアリューシャの腕やらをシカトしつつ答える。
……拗ねるな、力を入れるな。俺の首はそんなに頑丈じゃねぇんだ。
「それと、どうやって我々に持ちこたえろと?」
「気張れ。三日以内には済む」
まあ、短期決戦に持ち込めにゃあ勝負にすらならんが。
「……どうやって、あの怪物宰相を殺すんです?」
「首とか心臓とか刺せば死ぬだろ」
口にしながら、しわくちゃで陰険そのものな面の癖に、その辺の暗殺者より余程強い糞爺を思い返す。
関係の無い話だが、名の知れた暗殺者を自らの手で八つ裂きにした逸話は、それなりに有名だ。
「…………最後に、それ、どれだけ勝算の低い賭けなるんですか?」
俺と暗殺対象、双方の戦力をある程度知っている誠一は、尋常でない顔色であった。
自分も含めた全員の命を賭けるに値する勝算を期待してるんだろうが、現実的に、総合して考えたら。
「一パーセントは上回らんな」
んで、他はそれ以下。
これは、そういう分が悪い賭けなんだよ。
「………………できるん、ですか?」
意外だ。その問い掛けは、どちらかと云えば腹黒であり、扇動者である双子が口にしそうだったのだが。
……一皮剥けたか?
日に照らされた正面は、相変わらず顔色悪く自信は無さそうに見える。が、それでも一応"らしい"灯がある目つきだ。多分。
勝率が僅かに上がった気配に対し、ニヤリと笑って見せる。
「こういう場面で、俺が、絶対にできん事を口にした事があったか? 絶対にできんことを、させた事があったか?」
「……いえ、」
今までの有言実行を思い返させる口振りをすると、憑き物がオチたような顔で、誠一は軽くおどけたように首を振るう。
「信じてますから、副長」
「……そうかい」
相変わらず、青臭い事を平気で口にする奴だ。
逆にこっちが苦く引きつる……おいこら、双子の姉の方。きゃーきゃー喚きながら身を捻るな。鬱陶しい。てか本当に何しに来たん……
――……ッ?!!
おぞけを感じた。
赤黒が主成分の現場で、隊長と始めて対峙した時。竜に殺されかけた時。身内と殺し合った時。戦争に身を置いた時。暗殺者と対峙した時――今まで体験し心身に刻んできた、あらゆる死地の経験。
そのどれもに当てはまらぬ感覚。
存在しない六つ目の感覚へ、ダイレクトに冷や水ぶっかけられたような寒気に、体中に鳥肌がたち、汗腺が壊れたみたく汗が吹き出る。
「――ラディル=アッシュ……いや、アウレカにいさん」
背後。
そう、いつの間にか背後に。あった筈の鬱陶しさが消え、全く異質なモノと入れ代わっていた。
「ひどいよ、」
とっさに身を捻りつつ背後の成り代わりをうつ伏せに押し倒すと、非難がましく濁った目が返される。
男。
俺よりやや小柄な男だ。
これといった特徴は無いが、精々死人みたく濁った目と、誰かさんの面影があるくらいの。
いや、それよりこいつは、俺のコトを――
「なんで、」
よく見れば僅かに血の気がない唇が非難と悲哀を主張するように開く。
思考に空白が広がり、反動つけたみたく増大。
何故、いつの間に、アリューシャは?
何故、テメェはきっちり、まだ手応えが遺ってんのに。普通の人間の姿なのは月が出てないからか?
いや待て、上半身をきっちり両断したハズだぞ?
テメェは、
「なんで俺をコロしたの? ……"アウレカにいさん"」
なんで、テメェが生きてる……イルド?
渇いた声は、自分のそれととっさに把握できない。
混乱した脳裏が自動的に再生したのは、孤児や部下の血にまみれた人狼の姿ではなく、かつての俺の記号を呼び泣き叫ぶ、少年の姿だった。