眠れなくて死んでしまう病がある
この病を誰人もまだ治せない
私は時々目覚める朝焼けの中に苦しみを逃す
朝日のあたる木々の若さに寂しさを与える
車窓から見えるビルの影に悔しさを投げる
夕焼け空に足を突き出し怒りを跳ばす
暗闇の向こう側に哀しみを放置したりもする
そうやって生かされている
あなたには置場所がなかった
すべてを背負って考え続けるしかなかった
考えても考えても考えても考えても考えても考えても考えても考えても考えても考えても考え抜いても辿り着けない果ては残酷過ぎた
眠れない人の現実像
あなたが今どこで何を考えているのか私は知らない
ただあなたは自ら死を選んだりはしないだろう
あなたは生き地獄でもこの世界が好きだった
私がとなりで目覚めた朝にあなたは必ず笑顔で言った
おはよう
あなたが生きていることを私は信じている
この病が解明されて治療が出来るようになることを切に願う