元魔王なちび令嬢、プレゼントの追加を貰う
読みに来て下さって、ありがとうございます。
久しぶりの更新です。次回は、叔父のアルジャーノンのバージョンになります。
嵐が、やって来た。モチロン、本物の嵐では、ないけど。
やって来た嵐は、お母様の弟で、名前は、アルジャーノン・マクリスター。魔術師団に勤めている。叔父上は、お偉いさんらしい。
自分で、
「ふふん。俺は、お偉いさんだからな。ちょっとくらい遅刻しても、大丈夫だ。今日は、暇だしな」
とか言ってるくらいだから、お偉いさんなんだろう。きっと。
さて、そんなお偉いさんが、私の部屋にやって来た。
「おう!ラディッシュありがとうな。食べたら、生き返るくらい旨かったぞ」
叔父上ったら、大袈裟だな~クスクス。
叔父上は、わたしの頭をちょっと乱暴にグリグリ撫でた。
ちょっと、嬉しい。最近は、叔父上は忙しかったのか、中々、来てくれなかったのだ。
今日は、先日、私から叔父上へ、出来たばかりのラディッシュマンドラゴラを幾つか、小さな植木鉢に入れたままプレゼントしたので、そのお礼に来たらしい。
それにしても、あの手足と顔が付いて……ラディッシュマンドラゴラがお気に召したとは、これ如何に。
「いやー、あれかじった途端に、一発で、元気になった。本当にありがとな~」
あれ、かじって食べたのか。勇気あるな。
私は、叔父上に持ち上げられ、抱き締められて頬擦りされた。
髭~ザリザリ~いや~。
お兄様の柔らかい頬と違って、夕方のおっさんの髭は、ちょっとザリザリなのだ。しかも、いつもより、ちょっと不精髭になってないか?
ぐっすん。痛い~痛い~。髭くらい、剃ってから来てよ~。
叔父上は、まだ20代後半。オレンジの髪に金の瞳。国のイケメン10指に数えられる位の、自他共に、いい男らしい。髭を剃ってる日は。
普段から身だしなみをちゃんとしないから、嫁の来てがないんだよ。多分、きっと。うん。
「これ、お礼な」
叔父上が、私に小さい布袋を手渡した。可愛いウサギさんの絵が描いてある小さな布袋である。
わーい。叔父上、ありがとう!
「ベビーキャロットの種だ。植えてくれ」
にょにょ?いや、まあ、嬉しいけど。更に、これも植えろと?
ちょっと違うものを期待してしまった。小さなウサギさんの人形とか?お菓子とか?
先日4歳になったばかりのチビッ子の誕生日プレゼントに野菜の種、そして、更にまた野菜の種をくれるとは、これ如何に?
「まあ、今日の所は、これで勘弁な。出張の帰りだから、城の購買で、こんなもんしか買えなかったんだよ。さすがに、格好が何だったんで、シャワーと着替えだけは、済ませてきたんだぞ」
肝心の叔父上は、実に嬉しそうで、ガハガハ笑ってた。いつも通りの、大きな声だ。
ベビーキャロットの種は、浅く植えるんだって。ガイが教えてくれた。
土にお指で、チョンとした跡に種を入れて、ちょいちょいと土のお布団をちょびっと掛けてやる。
フンフフフンと、鼻歌交じりに霧吹きで水をやって振り向いてたら、ムクッピョイっと、ヒョコヒョコ次々に葉っぱが出てきた。
せっかちな奴らである。
水を全部吸ってしまったのか、もう葉っぱを揺らして水を催促している。サッと今度は如雨露で水をやると、風に揺られて、ラディッシュと共に歌を催促してきた。
歌を歌ってやる。国家だ。前世で、私の大好きな人から初めて教えて貰った歌だ。
かつて、荒野だった、この国に、草木が育ち、豊かな緑が育つように歌われたその歌は、この子達に相応しい。
元気に育って、美味しくなぁれ。
桃の木とリンゴの木が、たわわに実をならせて、私を誘う。私には大きくて重い、その実を木が枝をしならせて私に手渡す。
今日のおやつは、桃のタルトも良いよね。ふんふん。
次の朝にしっかり実をつけたベビーキャロットは、やっぱり手足と顔が付いたマンドラゴラで、抜くと小さく『ヒイィィィ~』と鳴いた。
そして、私の可愛くなる筈だった庭は、マンドラゴラ畑と化した。
全部、叔父上のせいにしておこう。
「ねえ、ガイ。私の作った野菜は、どうして食卓に出ないの?」
「あー、あれは、全て、お嬢様のお祖父様の元へ出荷されます」
「そうなの?お祖父様は、孫ばかなのかな?」
「あー、まあ、あながち間違っては、いやせんけどね……」
ガイ、毎日、出荷ご苦労様です。
ふと、さつまいもがマンドラゴラっぽくなったら、怖いなと、思いました。どうなんでしょうか?




