第04話 遊ぶ神様
玲愛が両親と再会してしばらくの時間が経った。俺は1人庭に座って、近くにある池を眺めていた。
「浩平君、ここにいたんだ」
そこに玲愛がやって来た。
「玲愛、もういいのか?」
「うん、パパもママもそろそろ行かないといけないって、それで」
「そうか」
「うん、それでね。私考えたんだけれど、私浩平君の陪神になろうと思うの。パパもママもそれがいいって言ってくれて、どうかな」
「おう、いいぞ。俺もそれを選んでくれるとありがたいし」
「そう、なんだ」
「あ、ああ」
なんとも言えない空気が流れてしまった。
「そ、それじゃ、さっそく陪神になるか?」
「う、うん、あっ、でもその前に聞きたいことがあるの、いいかな」
「ん、ああいいけどなんだ?」
突然玲愛が聞きたいことがあると言い出したが、陪神についてだろうか。
「ママから聞いて、その、私が行方不明になった後私を誘拐した犯人とか言われたって、どうしてそんなことに」
玲愛が聞いてきたのは、あの後のことだった。俺としてはわざわざ玲愛に知らせることではないとは思うが、どうやら母親からあらましを聞いたようだ。迷うところだが、ここまで知られている以上は話したほうがいいのかもしれないな。でも、玲愛の母親もなぜ俺が犯人にされたのかなどの経緯までは知らないらしい。
「ああ、聞いたのか?」
「うん、どうして浩平君が犯人にされたの? ごめんなさい浩平君、すごくつらい思いしているって聞いて、ちょっと聞くかどうか迷ったのだけれど、でも、聞きたくて」
玲愛はそう言って誤ってきた。
「いや、そこは気にしなくていいよ。つらいって言っても俺の人生で考えると一瞬みたいなものだしな。そうだなぁ。俺が犯人とされたのは未希、ええと、うちのクラスに谷中未希っているだろ」
「谷中さん、うんわかるけど、どうして谷中さん?」
なぜここで未希の名が出てくるのかと、玲愛は首をかしげている。
「その未希が元凶っていうかきっかけなんだよ」
「どういうこと、というか浩平君と谷中さんって」
「家が近所で、赤ん坊のころからの知り合いだよ」
「知り合い? 幼馴染ってこと」
「いや、幼馴染とは違うな。幼馴染ってことは一時でも仲がいい時期あるものだろ。でも、俺と未希の間には仲のいい時期なんてものは1ミリもなかったからなぁ。だから知り合いが正しいだろ。まぁ、母親同士は高校時代からの親友だけどな」
実は俺の家と未希の家が斜め向かいという立地になったのも、この母親同士が親友だったことが大きい、なにせ、一緒に買ったらしいからな。そのため母親たちも俺と未希を仲良くさせようと思っていたが、まさか未希が全力で俺を毛嫌いするとは思ってもみなかったのだろう。
「そうだったんだ。でもどうして谷中さんが」
ただの知り合いだという未希がなぜ俺が犯人扱いされた元凶となったのかと玲愛はかわいらしく首をかしげながら聞いてきたので、俺と未希の幼いころからのことから未希が壁新聞を書くところまでを話して聞かせたのだった。
「ひどい、そういえばこの間谷中さんに言われたのだけど、浩平君と付き合うのはやめた方がいいって、それってそういうことだったんだ」
未希の奴そんなこと言ってたのか、いや、まぁ、未希ならいいそうだけど。
「はははっ、未希は昔から俺の悪評を流すことが半ば趣味みたいだったらなぁ」
「それはひどい、でも浩平君、谷中さんが壁新聞を書いて張ったのは分かったけれど、それがそうどうしてあんなことになったの」
玲愛が言っているのは、全国的に俺が犯人だと広まったことだろう。
「それは簡単だよ。未希の父親がある週間雑誌の編集長だったからな。壁新聞を張った直後に俺が普通に学校に来たものだから、そのせいで未希が疑われたことで、父親に泣きついたんだ。あの父親は未希にめっちゃ甘いから、さっき話した流血事件、あの時だって俺たちに謝るんじゃなくて俺が未希に何かしたからだって最後まで言ってたからな。そんな人だったから部下まで使って俺のことを徹底的に調べたらしくてな。そこからとんでもない事実を見つけ出してな……」
それから俺はどうして全国的に噂が広がってしまったのかということを説明していった。それを聞いた玲愛は憤慨した。
「……どうして、そんなことに、でもだからといってみんなが信じるって、あり得ない」
「まぁ、普通はな。でも、俺自身と未希が原因なんだよ」
「えっと、どういうこと?」
「ほら、俺って人見知りがあっておとなしいというか、悪く言うと根暗だろ」
「う、うん」
ここら辺は玲愛も同じであり自身でも自覚症状があるために同意している。
「そんな俺の印象って、大体が何を考えているかわからない不気味な奴なんだよな」
「そ、そんな、不気味なんて、そんなことない!」
玲愛が憤慨してそう言ってきた。
「そう言ってくれるのはありがたいけど、それは玲愛が俺のことを知っているからだろ。でも俺のことを表面しか知らないやつはそう思うものなんだ」
そう思われる一番の原因はなんといってもこの面だろう俺の顔は、悪いわけではないがだからと言いていいわけでもない、つまりいたって平凡、まぁ、どちらかというと悪い方にごくわずかながら傾いているような気がする。顔がよくないただそれだけで人の印象ってのは変わるものだ。なにせ、中身が似ている玲愛の場合、顔がアイドル並みの美少女というだけで、文学系美少女という風になぜか人気すら出ていた。もし俺の顔がイケメンという奴だったら、おそらく玲愛と同じような評価を得ていたことだろう。
「それと、俺の場合未希が昔からせっせと広めていた悪評があったから余計にな」
「悪評?」
「ああ、未希は俺のことを毛嫌いしていたからなぁ。昔から俺の悪評を広めることを半ば趣味みたいに行っていたよ。もちろんそんなあちこちにってわけじゃなくてクラスの連中とかそのあたりだけだったけどな。でも、人間ってどこかでつながっているから、あの頃には街中で広まっていたみたいでな。ていうか玲愛だって聞いたことないか俺の悪評」
「え、ええと、その」
俺が言うと玲愛が少し目をそらした。ああ、やっぱり聞いたことあるようだな。なにせ隣町、噂として聞いたことぐらいはあるだろう。
「で、でも、私は浩平君と話して、それであれが嘘だったって知っているから」
「そうか、でも、1つ言っておくが未希が流した噂って、全くの嘘ってわけでもないんだよな。まぁ、かなり誇張はされているけど」
「そうなの」
「ああ、さっき言った通り俺たちの母親同士が親友だったこともあって、その母親たちの会話の中に俺のことなんかもあってな」
これはよくあることだろう、母親同士それぞれに話し合うこともあるだろう、その中には当然俺や未希という子供話も多くあった。それを世間話などの中で行われていた。そして、そんな話は未希の母親を通して未希へと伝わったわけだ。実際俺も母親から未希の情報を得ていた。まぁ、俺の場合は聞いたところで話す相手はいないからその情報がどこかに流れるようなことはないが、未希は俺と違い社交的なために友人も多くいた。その連中に俺の悪評を流せばそのうち街中に広まるというわけだ。
「それじゃぁ、そのせいで誰も浩平君のことを信じなかったってこと」
「そういうことだな。まぁ、俺が誰ともしゃべらないような人間だったから余計にな。玲愛みたいに俺のことを知っているやつはいなかったってことだ。まぁ、そこらへんは俺が悪いんだけど」
こればかりは未希だけのせいではなく、俺自身にも火があることは間違いないだろう。
「それでも、ひどいと思う。どうして谷中さん、そんなひどいことを」
玲愛はそれでも未希が俺の悪評を広めたことに憤りを感じている。そう持ってくれるのはありがたい。
「そうだなぁ。俺も生前は分からなかったんだけどな。死んで神になったことでようやくわかったんだよ」
俺がそう言うと玲愛は疑問符を頭に浮かべた。
「神様になるとな。生前だけじゃなくてその前、つまり前世、それもそれよりもさらに前のすべての生の記憶が戻るんだ」
「えっ!?」
これには俺も当時は驚いた。そして、そんな膨大な記憶の中に、未希の存在があった。
「俺と未希はどうやら、前前世で一緒だったらしくてな」
それから俺は玲愛に前前世について話をしていった。
前前世、俺は地球とはまた違う世界で傭兵として過ごしていた。未希もまたその傭兵であり同じ団に属する仲間だった。というか、当時の俺たちの両親もまたその傭兵団に属しており、俺たちはそこで育った。いわゆる幼馴染であった。そう、当時の俺たちは今と違い仲が良かった。成長して戦いに参加するようになった時には背中を預けあえるほどに、お互いを信頼しあっていた。
「そんな関係だったんだ。それじゃ、その……」
「いや、俺たちは別にそういった関係ではなかったな。ていうか当時の未希にはちゃんと旦那と子供がいたし」
「あっ、そうなんだ」
玲愛が少しほっとしているが、俺はまぁ気にせず話を続ける。
「んでだ。俺たちが属していた傭兵団は結構有名で力があったんだけどな。ある時敵に俺たちの戦略を含めたすべての情報が流れた」
これにより俺たちの団は壊滅、団長を含めた数多くの仲間が殺され俺たちも方々に逃げるしかなかった。俺は何とか逃げ延びることができたが、未希やその旦那、子供も敵の手に落ちてしまった。
「……」
「その時、俺と未希は傭兵団でもそれなりの立場になっていてな。未希は捕らえられた後、敵の拷問を受けたそうだ」
「そ、そんなっ」
聞いた話だが、未希が受けた拷問はかなりひどいものだったらしく、中には女として生まれたことを後悔するようなことも含まれており、また、ともに捕らえていた非戦闘員であった旦那や子供までもが責めを受け目の前で殺害され、最後には未希自身も殺された。
「……」
玲愛に未希の前前世の末路を話したところ絶句した。それはそうだろう、女子高生には少々刺激が強い話だからな。でも、言っておくが拷問の内容までは話していない、これはさすがに精神に害が出そうなほどに刺激が強すぎる。
「それでな、未希は最後まで俺が情報を敵に流した裏切り者だと思い込んだまま、俺を恨み憎んで死んだそうだ」
「えっ、どうして?」
「なんでも、捕まる前に俺が裏切り者だと吹き込まれたらしくてな。未希はそれを信じたってわけだ」
「で、でも、浩平君と谷中さんって」
「ああ、お互いに背中を預けあえるぐらいには信頼しあっていた」
「だったら、なんでそんなことを信じたの」
「そりゃぁ、吹き込んだ奴が未希にとって、俺よりも信じていた奴だからだ。そんで、そいつが本当の裏切り者だった」
「だ、誰なの、それ?」
「当時の未希の兄だった男だ」
兄という存在は大きい、俺も過去の記憶が戻ったことで分かったことなんだけど、弟妹にとって兄や姉という存在は幼いころは道しるべとなる。どういうことかというと、親というのは自分よりずっと先を歩いているが、兄や姉は少し前を歩く存在つまり自分がこれから歩く場所をすでに歩いているわけだから、あとをついて歩けば間違いないということだ。だからこそ、幼い弟妹というのは、兄や姉がうっとうしくなるほど後をついていく。かつての未希もまたそんな兄の後をいつもついて歩いていた。まぁ、俺も一緒に歩いていたけどねその兄だった男が俺たちを裏切り、奴にとっては妹たる未希をはじめ義理の弟や甥っ子すらもだまして殺したとんでもない野郎だ。
「お兄さん、そ、それって!」
「ああ、それは間違いない。本人から聞いたからな」
「えっ!?」
生き延びた俺は、色々あってついに裏切り者が奴であることが判明し追い詰めて問い詰めた。その結果奴はこともなげに未希に吹き込んだことを話したんだ。そういった経緯も玲愛に話して聞かせたのだった。
「……というわけなんだ」
「そ、そんな。ひどい」
「全くだな。俺もそう思うよ。未希からしたら最悪でしかないよな」
「う、うん、なんだか、かわいそう」
玲愛はそう言ってうつむきこの場にいない未希に対して同情したのだった。
「まぁ、そんなわけで未希自身は俺が裏切り者だということを信じていたからな。それが生まれ変わって忘れてても、恨みと憎しみだけは残った。だから俺をあそこまで毛嫌いしていたんだろうな。そう思うと、未希に対してはそこまで怒りを覚えないな。まぁ、生前も特に未希に対して思うところはなかったけどな」
「そうなの」
「ああ、それにだ。あの時未希がしたことって、幼いころから悪評を流して、あの記事を書いただけだしな。これは転生を繰り返したことでその恨みや憎しみが薄れていたってことなんだろと思う」
「そうなんだ。あれ、それじゃどうして浩平君がひどい目に」
「それは、さっきも言ったように未希の父親が暴走したのが原因だな」
結局俺が生前散々な目にあった理由は、未希の父親が娘可愛さに暴走し、週間雑誌の編集長としての暴走が重なったってことだ。迷惑な話だよほんと……
「そっか、谷中さんってなんだか身内に恵まれていないのかな」
「かもな。前前世で兄、今世で父親だからな」
身内の暴走で周囲の誰かが傷ついている。そして、未希自身はそれに巻き込まれている気がするな。今現在の未希がいい人生を歩んでいることを祈るばかりだ。未希にとっての俺は恨みや憎しみを抱く相手でも俺にとっては、やはり前前世においての幼馴染であり、戦友であり、仲間で相棒だ。たとえ生前散々な目に合わされたとしても俺には未希を憎む理由とはならない。どこまで言っても友人だからな。
「まっ、暗い話はこれぐらいにして、そろそろ玲愛を陪神にしようと思うけどいいか?」
「あっ、うん、お願いします」
いつまでも過去の話をしていてもしょうがないのでこれからの話をしようと思う。そのためにはまず玲愛を希望通り俺の陪神にしようと思う。
「それじゃ、そこに立ってくれる?」
「う、うん、こう?」
玲愛はそう言ってその場で立ち上がった。
「そうそう、そこでじっとしててくれ。まぁ、すぐ終わるよ」
「わかった」
素直にその場でじっとしている玲愛の正面に立つ俺、そのまま手を前に出して、玲愛の胸のあたりで止める。言っておくが別に触るわけじゃなく、玲愛の心臓に向かって手を伸ばしているだけだからな。とまぁ、そんな言い訳をしつつ、意識を集中させ今し方出した手に俺の神の力、神力を集めていく。
「すごい、光ってる」
黙って俺を見ていた玲愛の目にも映るほどの光が輝き始めた。
「今からこの神力を渡すから受け取ってくれ、といっても受け入れるだけでいいんだけど」
「う、うん、わかった」
玲愛が近いしたところで手にためていた神力を玲愛へ向けて解き放った。すると俺の手から放たれたそれは玲愛の胸にあたりそのまま体内へと入っていくそうして心臓に達すると一気に全身を巡り、あっという間に人間から神へと変化したのだった。この間まさに数秒、玲愛自身は特に何も感じなかっただろう。それは玲愛がちゃんと受け入れたからで、もし拒否する意思があると失敗し人間のままとなる。
「ええと、これで、終わり?」
「ああ、終わったぞ。これで玲愛も立派な神様ってわけだ」
あまりにあっけなく終わったことに玲愛は容姿抜けという感じとなっている。
「結構あっさりなんだね」
「まぁな、でも本来別の神が管理している世界の人間を陪神にすることはできないんだ」
「えっ! どういうこと。それって私は本来ならできないってことだよね」
実は陪神というものは本来、自分が管理している世界の人間から選び出し、神力を与えることで陪神とする。しかし、玲愛は俺の管理している世界ではなく、地球、より正確には%&$#X神様が管理している世界の人間となる。つまり別の神というわけだが、そうなると本来なら陪神とすることなどできるわけがない。というのも人間の魂というものは神が自らの力を使い、生み出しているために魂の波長というものがその神に近しいものとなるからだ。例えば臓器移植の際も誰の者でもいいわけじゃないだろう、何だったか忘れたが何かが一致しないと移植しても拒絶反応が起きて大変なことになる。それと同じで魂の波長が合わないと、いくら神力を注いでも拒絶されてしまうというわけだ。それではなぜ玲愛は俺の陪神とできたのかというと、これは俺が神となる前は%&$#X神様の世界の人間だったことがあげられる。そのため俺の魂の波長は%&$#X神様と親子関係となり、玲愛もまた%&$#X神様と親子関係となる。つまり俺たちは兄妹みたいなものなんだ。兄弟の遺伝子が似ているように魂の波長もほぼ同じ、だからこそ特別別の世界の人間であった玲愛を俺の陪神とすることができた言うわけだ。それを玲愛に説明すると玲愛はすぐに理解した。さすが頭がいいだけある。
「まっ、それはともかくとしてこれからなんだけど」
「あっ、うん私何をすればいいのかな」
陪神となったことで、玲愛は何をすればいいのかと尋ねてきたが、どうしようか今現在これといってやることがないんだよな。
「あぁ、それなんだけど、今はやることがないんだよなぁ」
「そうなの?」
「そっ、ていうか今神としてやることもないから地上に降りて遊ぼうと思っていたところでさ」
「遊ぶ? 何をして」
「冒険者をやっているんだ。この前も採取依頼を受けて、今はゴブリン討伐を受けているんだ」
「冒険者かぁ、楽しそうだね。ていうかゴブリンなんているの」
「いるぞ。といっても俺が作ったわけじゃなくてな……」
ゴブリンをはじめとした魔物が生まれる理由を玲愛に話すと玲愛は、なるほどと何度もうなずいていた。
「だから、俺がゴブリンを討伐したところで、別に問題ないってわけだ」
「そうなんだ。なんだか不思議だね」
「まぁな」
「それじゃ、浩平君はこの後また地上に降りるってこと」
「そのつもりだよ。そうだ、玲愛も一緒にどうだ」
一緒に遊ばないかと誘ってみた。さて、玲愛はどう返事するだろうか。
「一緒に、楽しそうだけど、でもちょっと怖いかな。私戦うことはできないし」
「まぁ、そうだろうな」
平和な日本で生きてきた玲愛にそれができるとは俺も思っていない。
「冒険者といっても、何も戦うだけじゃないからな。採取系の依頼もあるし、戦いでも直接戦う場合とサポート役がいるだろそれなら大丈夫じゃないか」
冒険やパーティーには戦闘職もいればそれをサポートする立場の人間もいる。それに
「玲愛も神の力を得てるから魔法を使えるようになってるし、それを使えば地上の魔物なら全く問題なく倒せると思う」
「魔法か、わたし魔法が使えるんだ。ねぇ、使ってみてもいいかな」
「もちろんいいぞ。そっちの方なら問題ないからな」
「う、うん、やってみる」
それから玲愛は実際に魔法を使って、本当に魔法が放てたことに喜び幾度となく魔法を放っている。うん、その気持ちよくわかる。俺も初めて魔法を使ったとき同じようにはしゃいだっけ、まぁ、俺の場合作ったばかりの家に当ててしまって半壊させて、もう一度建て直す羽目になったんだけど。
「すごい、すごいね。これが魔法なんだ」
それから玲愛も考えた末に俺とともに地上に降りて冒険者になることを決断、ゴブリン討伐を行ったのち、街へ向かい登録を済ませたのだった。そうして、数年俺たちは特に目立つこともなくそこそこの冒険者として過ごし適当なところで引退、神界へと戻ったのだった。その後は玲愛とともに世界を作ったり時々地上に降りたりして面白おかしく神様ライフを楽しんだのだった。
これにて、神様の遊びは終了となります。
お読みいただきありがとうございました。