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神様の遊び  作者: 夢限
1/4

第01話 出鼻をくじかれた神様

試験的に書いてみた作品です。

全部で4話と短いですがどうぞお楽しみください。

 俺は神だ。


 いきなり何を言い出すんだこいつと思うかもしれないが、これは事実だから仕方ない。ある世界に存在していた地球という星の日本、そこが神となる前に住んでいた場所となる。そこで、秋野浩平(あきのこうへい)という名で普通の人生を送っていた。いや、78歳で死ぬまで友達も彼女も結婚すらしておらず、最後も家のリビングのソファーで座りながら、”ああ、これで終わりか、俺の人生、くそつまらなかったなぁ”という最後の言葉を残した人生が普通かどうかはわからない。それでも俺としては普通につまらない人生だった。それは間違いないだろう。ちなみに俺の最後は孤独死だったわけだが、その後俺が発見されるのはずいぶん後になったことと思う、なにせ、俺は誰ともかかわっていなかったからな。俺がいなくなって気になる奴なんていないだろうし、家の場所も周囲に誰も住んでいないような場所だったしな。まぁ、それは俺にとってはどうでもいいし、むしろ人嫌いだった俺としては誰にも発見されないほうがありがたい。

 そんで、死んだと思ったら真っ白な空間にたたずんでいたってわけだ。最初あまりにも真っ白だったからてっきりあの世界的に有名な修行場所かと思った。しかしよく見てみるとそこには地面がなかった。ていうか上下も左右も何もなかった。ほんとに真っ白な空間だった。もう、パニックだよ。意味が分からなかったからな。でも、持ち前の冷静さで何とか持ち直してみると、徐々に自分の状況が理解できた。そう、そこで俺は神となったのだと理解できた。人間が神になる、これは様々な条件がそろって初めてなれるきわめてまれなことらしく、俺はどうやらそれにあたってしまったようだ。それから、一体どれだけの時間が経ったのか、兆とか慶とかは優に超えていたと思う。そんな長い時間をかけて、その真っ白な空間を生活しやすいように作り変え、いくつかの世界を作ってきた。そうして、今俺は最近(といっても1万年ぐらい前の話だが)作った世界に降り立っている。実は長年神をやって来て今回が自分で作った世界に降り立ったのは今回が初めてだった理数。もちろんこれまで降臨という形で降り立ったことはあったが、今回はこの世界を楽しむために人間の姿で降り立っている。名前は生前の名前はおかしいので、オクワルドという名にした。意味は以前作った世界の言葉で秋野を言い換えたものだ。この世界では特に使われている言葉ではないので問題ないだろう。というわけで、昨日さっそく近くの街へ赴き冒険者登録をしたというわけだ。そう、この世界には冒険者ギルドがあるんだよ。だからこそ、遊びたくなって降り立ったというわけだ。いやぁ、ワクワクしてきやがった。生前の若いころはラノベとかネット小説とか好きで読み漁っていたからなぁ。というかこの世界自体それらをもとにして作った世界だしな。

「今日は、採取依頼だったな」

 昨日登録をして今日が初めての依頼となる。その最初の依頼として受けたのが採取依頼、街の近くの森で薬草を採取するという簡単なお仕事だ。まぁ、でも初心者だと難しいんだけどな。例えばどれがその薬草化の半田が分からないから、でも俺は神、神の目を使えば植物がこの世界でどのような名で呼ばれているのかもすべて丸わかりってわけだ。というわけで、サクッと薬草を次々に採取していく、これってあれだよな。異世界転生とか転移した奴が鑑定を使ってサクッと終わらせるアレ。いやぁ、思い出すなぁ。まさに今俺がそれやっているよ。

 そんなことを思いながらのんきに薬草を採取していった。そうしていくつか取りすぎない程度に薬草を取っていると、ふいに気配がした。

「んっ? おっ、おお、おお、おー、まじかっ、来たよ。おい、ここでか!」

 気配に振り返ってみて、俺は感動していた。

「グギッ、グギギ、ギ」

 そんな声を出しつつ現れたのは、緑の体表と頭には角、獰猛(どうもう)な顔をして、ボロボロの腰布を身にまとった。そう、ゴブリンだった。ファンタジーもののド定番にして最弱の魔物と言われるあのゴブリンが今まさに目の前にいる。これに感動しない日本人がいるだろうか。そんなことを考えてしまうほどに感動している俺がいた。

「グギャァ」

 俺の感動をよそにゴブリンが手に持った棍棒で殴り掛かってきたが、俺はまだ感動の最中だ。迫りくる棍棒、しかしそれが俺にあたることはなかった。というのも、俺は感動しつつも素早く腰の剣を抜き放ちすでにゴブリンを斬り捨てていたからだった。生前の俺は運動がほとんどできず、むしろ運動不足だった俺がこんな簡単にゴブリンを斬り捨てられる理由は、単純に俺が神だからだ。といっても神として特別な力というわけではなく、神となってから途方もない時間の中で趣味のように地上にいる達人たちの動きをまねしつつ、剣などを振り回していたことで身についた技術だ。そのため俺の技はもはやどんな達人よりも剣などを扱える自信がある。まぁ、それはともかく初めての魔物討伐、まさに冒険者って感じがして今最高に楽しんだけど……。

 ここで1つ、この世界は俺が1から作ったわけで、人間はおろか小さな虫に至るまで俺が創造した。そんな俺が魔物とはいえゴブリンというこの世界の生物を討伐していいのかとなるわけだが、これは全く問題ない。そもそも魔物は俺が作ったわけじゃなく、世界に魔力を満たすと勝手に発生する存在だ。だから、魔物という存在はゴブリンのようにどの世界も共通するものが多いらしい。まぁ、俺もほかの世界を知っているわけじゃないから、わからないし多分この世界にもオリジナルな魔物がいたりするのだろうと思う。

「さてと、薬草も大体取ったし、そろそろ街に戻るか」

 最初の依頼である薬草採取は無事に終わったので、街へ帰ることにした。おっと、ゴブリン討伐したからその討伐証明部位である耳の採取を忘れないようにしないと、ああ、あとは魔石か。魔石というのは魔物なら持っているもので、核みたいなものとなる。というのも魔物が発生する過程は、まず魔力が集まって結晶化して魔石ができる。その魔石が周囲からいろいろ集めて魔物として発生するというものだからだ。このできた魔石によってどんな魔物となるかが決まるために魔石を見るとどんな魔物を討伐したのかがわかるようになっている。

 とまぁ、そんなことを考えているとどうやら街についた。初心者が薬草を採取する場所なんてものは街から近いものだからな。でも、そんなところでもゴブリンが出る。これは異常事態というわけではなくごく当たり前のこととなる。魔物に街なんて関係ないからな。そうなってくると1つ疑問が出るだろう、なぜ街中に魔物が発生しないのかというものだ。これは普通に結界を張っているからとなる。んで、その結界を張っているのは誰かというと、便宜上は教会が張っていることになっているが、ぶっちゃけ教会から申請を受けた俺が張ったものだ。

「おう、お前は、薬草は取れたのか、早かったな」

 門番が気安く声をかけてくる。俺みたいな新人冒険者のことまで覚えているなんて、実にいいやつだと感心してしまった。

「ああ、この通り結構とれたよ」

「そりゃぁよかった。そういえば、魔物は出なかったか? 最近はたまにゴブリンが迷い込んでくるって聞いたが」

「いたよ。ゴブリン、問題なく討伐できたけどな」

「ほぉ、それはよかった。見た目と違い、ちゃんと戦闘ができるのだな」

「まぁ、それなりにね」

「そいつはよかった」

 それから、少ししゃべったところでようやく街の中へと入ることにした。門番とこんなに話して大丈夫かというと、俺が降り立ったこの街は小さく人も少ないから門番も暇なのだそうだ。のどかだぁ。

 そう思いつつ街を歩き冒険者ギルドへとやって来た。

「あらっ、オクワルドさんおかえりなさい。早かったですね」

「まぁね。でも結構見つけたよ。これ」

 そう言って俺はカバンから先ほどとった薬草を取り出してカウンターの上へ並べた。

「まぁ、これは大量ですね。助かります。でも、よくこんなに見つけましたね」

「こういうのは得意だからね」

「そうですか。あっ、では報酬ですね」

 その後、受付の女性から報酬をもらったところでゴブリンの話となった。

「ありがと、それからこれゴブリンが出たから討伐したんだけど、右耳でいいんだっけ」

「はい、大丈夫です。ですが、オクワルドさんは大丈夫でしたか確か、戦闘訓練はされていなかったかと思いますが」

「ああ、それなら大丈夫だ。戦闘訓練はしなくてもそれなりに戦えるのは確かだからな。ゴブリン程度なら問題ないさ」

「そうでしたか、ですが無茶はしないでくださいね」

「そのつもり、俺だって死にたくないし」

 神である俺が死ぬことはないが、今は人間として活動しているので一応死ぬときは死ぬようになっている。まぁ、死んだとしても俺には何の影響もないんだけどな。

「それもそうですね」

 そうしてから受付に別れを告げたのち再び依頼を受けるために掲示板へと向かった。

「さて、今度は何を受けっかなぁ。また薬草ってのもなぁ。おっ、これやっとくか、やはり新人冒険者と言えば、これもやっておきたいところだよな」

 そう言って手に取ったのは’街の清掃依頼’これもやはり新人冒険者の基本だろう。まぁ、ほとんどが嫌がる仕事なのだけどな。でも俺としてはやっておきたいと思っていた。神様である俺が人間の街の清掃、こんなこと教会の連中に知られたらどんなことになることやら。まぁ、そもそも俺がこんなところで冒険者なんてやっていること自体知らないだろうからいいけどね。さて、それはともかく依頼書をはぎ取り先ほどの受付のところへ行く。

「次はこれを受けたいんだけど」

「はい、清掃依頼ですね。ありがとうございます。こちらはあまり受けて頂ける方がいなくて困っているのですよ」

 まぁそうだよな、誰だって好き好んでやりたいことじゃないよな。俺がおかしいだけだ。実際俺が取った依頼書もずいぶんと永いこと張られていた形跡があったし。

 それから、さっそくと言わんばかりに街へ繰り出し掃除をしていく、掃除場所は主に街路、こうしているとなんだか生前の中学時代、学校周辺の掃除をさせられた時のことを思い出すな。まぁ、昔過ぎてかなりおぼろげだけど、あの時はなんでこんなことをと思ったが、今はなんだか楽しさを覚えるな。それはやはり冒険者になったという楽しみからくるものだろうか、それとも神として地上の人々の暮らしを見ているということの楽しさだろうか。まぁ、それはともかく今は掃除だな。おっと、今目の前の野郎が俺の前でごみを投げ捨てやがった。しかも明らかに俺に対してホラ拾え、ってニヤついてみていやがるぜ。なに、神である俺はそんなことでは怒ったりはしない。笑顔で拾ってやった。こうして街の掃除を堪能したのちギルドに戻り報酬をもらって今日は宿へと向かったのだった。ちなみに宿代と飯代で今日の稼ぎはすべて飛んで行ってしまった。明日は今日より難易度の高そうなやつでも受けてみるか、例えば討伐系とかおもしそうだ。といっても俺のランクだとそれほどの依頼は受けられないのだが。それはそれで楽しむとするさ。

 そんなわけで翌日である。

「今日はどんな依頼を受けっかなぁ。まぁ、討伐系がいいと言えばいいんだが、こればかりはあるかどうかわからないからなぁ」

 そう思いながらギルドへと向かったのだった。そして、掲示板を見てみると、おっ、あった。ゴブリン討伐か、これにするか。

「これを受けたいんだけど」

「はい、ゴブリン討伐ですね。これは一週間以内に5匹討伐し、討伐証明部位である耳を提出してください」

「ああ、わかった」

 というわけで、さぁゴブリン討伐だ。意気揚々と街の外へと繰り出していった。

「さぁて、どこかな。探知かけるか、いや、ここは普通に探してみよう」

 魔法に探知というものがある。これは自身の周囲に魔力を放ち、レーダーのようにぶつかった魔力物体を表示してくれるという魔法で魔物を探すのに重宝する魔法となる。俺はもちろんこれが使えるが、この魔法実は使える人間はそれほど多くない。それにせっかく冒険者となったからには一般冒険者のごとく苦労してゴブリンを探索してみよう。そういうわけでさっそくゴブリン探索と行きますか。さてさて、どこにいるのかな。ゴブリン探索は、やはり周囲を観察し痕跡を探すしかない。ゴブリンの痕跡と言えば、まずは足跡、ゴブリンの足は一見すると人間と同じだが、実は指が1本多く6本となる。そして何より体が小さいだけあって足も小さく子供ぐらいの大きさしかない。それを見つけるわけだが……うん、無理だな。こんな広い森の中でそんな小さい足跡なんて見つかるわけないだろ。っと、そんな咆哮を上げたくなる気持ちを抑えつつ、今度は適当に歩き回ってみる。実はこうしているだけでゴブリンが釣れることがある。それというのもゴブリンは常に森の中などをさまよい目についた生き物を推そうという習性があるからだ。まぁ、通常はこのように行き当たりばったりの討伐が多いそうだ。実際昨日もその方法でゴブリンがやって来たので討伐している。そうしてうろうろすることしばし、遠くの方からゴブリンの鳴き声がわずかに聞こえてきた。

「聞こえてきたな。行ってみるか」

 さっそく行ってみると、そこには鹿っぽい動物を囲んでいるゴブリン2匹を発見、どうやら連中あの動物を食うつもりのようだな。チャンスか。狙うのは獲物を狙っているときというしね。そうと決まればと茂みから一気に出てゴブリンに切りかかる。ほっと、よっ。

「ギャァ」

 そんな声を出しながら両断されるゴブリン2匹である。

「よしっ、2匹、この調子であと3匹討伐しちまおう」

 それからまたしばらく歩いてゴブリンとエンカウントするのを待ってみる。

「んっ? 警報?」

 その時神界の方から警報が響いてきた、神界というのは俺が神として普段過ごしている場所で、元はただの真っ白空間だった場所である。んで、問題の警報が何かというと、俺は現在ここ以外にも多くの世界を管理している。そんな中でこの世界に降りて遊んでいるというわけだから、もし何かあった場合に備えてこうした警報をつけている。でもおかしい、俺だって何も考えずに遊びに来ているわけだはない。一応すべての世界を見て、この先数千年は特に何も起きる予定はないんだよな。だからこそ遊びに来たんだよな。にもかかわらず警報って、一体何があったんだ。まぁ、幸いここは森の中で周囲に誰もいないし、ちょっと行って確認してくるか。というわけで神界へと一旦戻ることにした。

 神界、けたたましく警報が鳴り響いている。初めて聞いたけど思ったよりもうるせぇな。もう少し音量下げるか、いやでもこのぐらいじゃないといざって時に気が付かないって事態になっても困るんだよな。悩ましいところだ。って、そんなこと考えている暇があったらさっさと警報の原因を探っておくか。そういうことで、神界に設置してある自宅(日本家屋)のリビングへと向かうここは居間と言いたいが、それは別にあるのでリビングである。そこにある巨大モニタの前に立ち管理画面を表示させる。これは俺が管理している世界をわかりやすくパソコンのように表示させているだけだ。とまぁ、その表示から警報を選び表示させるわけだ。

「って、おいおい、ここかよ、おいっ」

 ここと表現したがこれは神界というわけではなく俺がさっきまで遊んでいた世界のことだ。そんで何があったのかとさらに見てみると……あぁ、まじか、あれ、やっちまったのか。表示されていたものを見て嘆息し頭を抱えたくなった。

「はぁ、ほんと勘弁してくれよな。なんでまた、あれをやっちまうかなぁ。ていうかあれって、確か封印させたから、使えないはずなんだけどなぁ」

 どういうことかというと、今から数百年ぐらい前だったか俺が遊んでいた国から遠く離れた場所にあったコルアイス王国という国に天才魔導士がいた。その魔導士が様々な偶然が重なって’勇者召喚’という魔法を編み出してしまった。この魔法は名前の通り異なる世界から人を勇者として召喚するというテンプレ魔法なんだが、実はこれどの世界の誰を呼ぶとか、そういうのはすべてランダム設定されていて使われると後々面倒ごとがあるんだよな。例えば最初に召喚された人は偶然にも俺が管理している別の世界の人間だったこともあり、特になにも問題が起きず、しばし様子を見たのちに元の世界に返してやった。これは同じく俺が管理していたからこそできたことで、ほかの神が管理している世界となるとちょっと面倒なことになる。というか、それよりなにより、ほかの神の世界から人を呼んでしまうと、世界の壁を超える際の負荷が魂にかかるからそれで消滅なんてことになりかねない。そうなるとより一層面倒なんだよな。だから、この魔法を封印するようにと教会を通して、コルアイス王国に命じたわけだ。結構しっかり封印していたから安心していたんだけど、まさかそのあとにできた国がそれを発見し使うとは夢にも思わなかった。しかもあの国って俺を信仰してないから俺の言葉も基本聞いてくれないし。いや、まぁそれはいい、俺は別に俺を信仰しろとか、俺以外の神を認めないとかいう心の狭いことは言わない。なにせ元八百万の神々を信仰している日本人、そんな俺がどうして俺だけを信仰しろと言えよう。誰が誰を信仰しようとそれは自由だと思う。教会にもそれは徹底しており、異端審問や他宗教弾圧などといった行為は禁止としている。と、今はどうでもいいとして何よりまずその勇者召喚が行使されたという事実が問題となる。

「とりあえず、被害者を確認しないといけない。すでに召喚されちまっているし、願わくは俺の世界であってくれ」

 そんな願いをこめつつ被害者に対して神の目を使った鑑定を行った。これにより被害者がどの神が管理している世界から来たのかなど事細かな情報を得ることが可能となる。まずは神の名だがええと、’%&$#X神’とあった。はぁよかったぁ。神の名前は俺の名ではなかったが知り合いの名だった。ていうか俺にとっては親みたいな神様なんだよな。つまり、俺の出身世界、地球が世界を管理している神で、俺の魂を生み出した神というわけだ。その神様は優しい神様で俺が神となったばかりのころいろいろと世話になった。あの方ならちゃんと謝罪すれば許してくれるだろう。ほっとしたところで次は世界、これらを知らないと’%&$#X神様’に謝罪できないからな。さて問題の世界はというと、’!&#$%’とあった。んっ? 疑問に思いながらも次に書かれている物を見てみると、そこにはなんと’地球’、’日本’と書かれているじゃないか。これには本気で驚いた。なぜかって、それはそうだろう、それは俺の出身世界であり出身国であったからだ。まさかのことにしばし時が止まったかと思ったよ。でも、どうゆうことだ。あの世界はすでに滅んでいるはずだ。それはそうだろう、俺が神となって一体どれだけの時が経ったかもわからない。実際俺が最初に作った世界などはすでに滅んでいるし。となると……ちょっと勇者召喚の魔法陣をじっくりと見てみると、ああ、そうか時間軸もランダムなのかよ。これにより過去から未来まですべての時間から召喚ができるということだ。ランダムが過ぎる。っと、いまはそんなことはどうでもいい被害者が同郷とわかったからには、さらに詳しい情報を見ていくことにした。ええと、XX県YY市ZZ町って隣じゃねぇかっ! またまた驚いた。被害者の住所を見たらそこは俺が高校まで過ごしていた街の隣だったからだ。なんだよ、この偶然は……。いや、それより問題はその下、年は16歳高校生で学校名がこれまた同じだった。つまり俺の後輩は先輩というわけだろうか。そうなると途端に親近感がわくな。まぁ、高校にいい思い出はあまりないけど。それじゃ次は生年月日となる。さて、どっちだろうか。……えっ! はっ! うそだろっ!!!  思わずそう叫んでしまった。なぜならその生年月日はまさに生前の俺と全く同じ、200X年6月14日と表示されていたからだ。つまり、この被害者は俺と全くの同い年で、隣町に住んでおり同じ学校に通っていた。そんな人物を1人だけ思い出す。しかしあまりにも過去過ぎるためにはっきりとは思いだせない。そこで、モニタのウィンドウを分割してこれまでの物を右に置き、左側にパソコン画面を表示させる。

「えっと、あれは……ああ、あそこかっ」

 そんなことをつぶやきつつ秋野浩平と書かれたフォルダを開きそこから高校のファイルを開く。すると画面いっぱいに俺の高校時代の記憶がすべて表示されそれが一気に俺へとフィードバックされた。これは簡単いえば俺の生前の帰国のバックアップ、開くことによってその記憶をはっきりとさせるというものだ。しばらく使ってなかったから、一瞬どう使うか忘れていたが、何とかうまくいったようだ。それをもとに右側を見てみる。

「……やっぱり、玲愛(れあ)

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