48話 ちょっと強引な神の頼みに巻き込まれれば
見知らぬ町に転移させられてしまったケータ。
送ったのは神。
その意図とは……
私はこの世界アルフォニアの主神アルーダ。
アルファニア世界で唯一魔法文化を持つこのランゾルテという星にはいつも注目している。
それは魔法文化が危機的状況を迎えつつあるからだ。
その解決に尽力しているコモン世界の人間がいる。
そのうちの1人、ケータに頼み事をすることにした。
正しくはケータに付き従っているリレイアという妖精に頼んだ。
リレイアはケータに相談することなく、その頼み事を受けた。
それは、ケータを送ってくれたコモン世界の主神ルルカの許可があってのことだった。
◇
時はケータに頼み事をする二週間前に遡る。
私は天界にてコモンの主神ルルカと会っていた。
「ルルカよ。実は約束とは別の仕事をケータに頼みたいのだが」
「アルーダ。其方の治める世界アルファニアに送った以上、どうしようとワシには口を出す権利などないが、まだケータはそちらに渡って日も浅い。あまり、無茶はさせたくないというのがワシの思いじゃ」
「いや、いくらアルファニアにきた転生者といえども、私の思うままにしていいという訳ではない。特にケータについては、其方から直々に頼まれた者でもあるし…………」
「だが、わざわざワシに断る以上、楽な仕事というわけではあるまい」
そう言われると困る。
だが、背に腹は変えられない。
「確かにそうだ。だがこの仕事もアルファニアにとって大きな問題なのだ。ケータには魔法文明の危機的状況を何とかして欲しいという要望であったのだが、今回は例外として彼とリレイアの力を貸して欲しい」
「ほう。してその仕事とは?」
「神の救出だ」
「なんじゃと!?」
ルルカは怪訝な顔をするのも無理はない。
神が窮地に立つならば、人間の力で救えるようなものではないはずだからだ。
「その者の名はグラムゼア。アルファニアにおいてただ一人の現神だ」
「現神とな?」
「そうだ。現神とは人の世に現れる神。人の目の前にて現実に存在することを公にする神のことだ。グラムゼアは長い間、人との交わりを大事にしたいと望んでおり止める我々の言うことも聞かず、惑星ランゾルテの上に降りてしまった。人前に姿を現し、人を導く仕事を始めた」
「そんなことをすれば……」
「ああ、報いがある。神としての力は大きく制限され、また神とは思えぬほど弱体化する。心も体も」
人の世では必ず何かが起こる。
神が人の世界に降りて力が制限されれば、窮地に陥る可能性もあり得る。
「……そこまで弱さを受け入れてしまったのか」
「ああ、それでも1人の人間に負けることなどない。だが、多くの人間が絡む問題に巻き込まれれば」
「……なるほどの」
私は続けた。
「グラムゼアは心を病んでしまい、山の中に封印された状態になったまま早数十年だ」
そう言ってため息をついた。
「……それをケータにやらせようと言うのか? 明らかに魔法文明の状況とは関係がないが」
「ああ、だから今回の件で其方に許可を得たいと思ったのだ」
「そうか。危険はあるのか?」
その問いに答えるのは躊躇われた。
「………………ある」
ごまかすことはできない。
断られるのを覚悟でそう答えた。
「よかろう。だが、リレイアが首を縦に振れば……じゃ」
「ケータではなく?」
「ああ、ケータのことを本人よりよく解っているのものはあの者だからの。じゃが、ケータもリレイアも決して突出した才能があるわけではないぞ」
「それは分かっている。私も単純な力以外の面でケータやリレイアがもたらしているものに期待している」
「そうか。それなら、その仕事にはケータたちがうってつけかも知れん。まあ、頼むのならリレイアじゃがの」
そう言ってルルカとは別れた。
ルルカの最後の言葉が気になり、現状について考えてみることにした。
まずはこの世界の現状。
アルフォニアは、まだ生まれてから100億年ぐらいしか経っておらず、文明を持った星も数十といったところである。
その中で1万年以上継続して文明を持ち続ける可能性がある星は7つしかない。
この星ランゾルテの文明が健在のままであれば、最悪文明が2〜3個滅びたとしても、アルフォニアは保つことができるがこの星の文明が滅んだ場合は、おそらく20億年以内にアルフォニアという世界は閉じられ、何もないカオスだけが漂うことになるだろう。
神にとってもそれは死に等しい。
そんなわけで、神がアルフォニアの世界で困ったこととは、この星ランゾルテが長い戦乱のため文明を失う危機であることである。
なぜ、たった一つの星ランゾルテの文明が、そこまでアルフォニアという世界全体に対する影響が大きいか。
それは魔法というこの文明の特異属性のせいである。魔法は物質文明・精神文明の両方に置いて存在意義を拡張させる。
それが、異世界全体の存在の安定をもたらすのである。
最初は、ルルカに頼んで21世紀の地球の日本と呼ばれる国から若者を何百人か召喚し、人間世界のテコ入れをしていた。
この日本という国から人材を選んでもらったのは、魔法がない世界であるにも関わらず魔法について理解があるから。
この時代から人材を選んでもらったのは、21世紀を境に人類は文明は進化するが、イマジネーションは低下の一途を辿るからである。
しかし、結果は思わしくなかった。
召喚された日本の若者は、当初はよく働いていた。
魔法の習得も早かったし戦乱の世で役立つものもいた。
だが、目的を次第に失うものも多く、目的があっても魔法世界の拡張に寄与しなくなってしまうものがほとんどなのであった。
それが、悠々自適であるだけならともかく、その持てる力の優位性で既存の社会を荒らすものも多く、人々の間に厭世観が芽生えると、世界全体が衰退しだしたのである。
そんな時に、ケータについてコモンの神ルルカから初めて話を聞いた。
この状況にケータという青年を送ると言ってきた。
まあ、送る前までは中年であったらしいがそのことは気にしていなかったが。
だが、送られてきたケータは魂に傷を負っており、その治療が必要であった。
そして、遥か未来のAIリレイアという仮想生命まで供につけてきた。
私はそんな脆弱な人間が魔法世界の窮地を救うことができるのか懐疑的だった。
それ以上に世界の主神たるルルカが人間1人にそこまで気を使っているのが不思議でもあった。
普通は人間1人が幸せになろうが不幸になろうが神は気にはしない。
それがルルカの奴はなぜかケータに気を使い、あまつさえ異世界の神であるワシによろしくと言付けまでしてきた。
だが、私にもだんだんわかってきた。
まず、ケータについて他の転生者と違う点は、裏切らないことだ。
ケータの持つ力はまだまだであるし、心にも弱点を抱えている。
それでも、彼が裏切ることだけはないとわかる。
そして、もう一つは彼の言動だ。
彼の行動はまわりの者たちを動かすのだ。
だが、今までの転生者とは何かが違う。
今までの転生者の中にも人々の役に立ち感謝された者はたくさんいた。
だが、ケータほど人の協力を得て大きな仕事をしたものはいない。
王都の事件解決の際にも王宮や町や村の多くの人間がケータのために自発的に働いていた。
となると彼の行動や言動が人々にもたらすものは、私が思っているよりも大きいと言える。
となれば、この神の救出。
ルルカは許可どころか、うってつけとまで言っていたのもうなづける。
それならば、ケータとリレイアに任せよう。
そして、成功した暁には、もっと積極的にルルカの希望に応えることにしよう。
とは言っても特に具体的な方法をどうするか?
まずは、ケータの成長に手を貸せばよさそうだ。
◇
気持ちは固まった。
ケータ達にひと働きしてもらうが、頼む相手はリレイアだ。
時は深夜、ケータが既に就寝した後のことだった。
ケータのアパートのリレイアのいる周りにだけ一時的な神域を作成する。
リレイアはその神域の意味を正しく理解したようだ。
「アルーダ様。お久しぶりです」
「ああ、リレイア。ケータも其方も随分と経験を積んだようだな」
「いえ、まだ十分ではありません。最もどれだけの力があれば十分なのかもまだわからないのですが……それより、こうしてアルーダ様がいらっしゃったと言うことは何かお話があるのですね」
察しがいい。
私はケータとリレイアに現神グラムゼアを救って欲しいと依頼した。
ただし、ケータにはストレートに『神様を助ける仕事』だとは言わないでもらうことにした。
報酬として前渡しである魔法を授けることなどを話したのだが、リレイアはもう一つ条件を出してきた。
それは、近いまたは遠い未来に起こるかも知れないし起こらないかも知れない出来事についてだった。
随分曖昧な頼み事だとは思ったが、ひとしきり考えその条件を飲むことにした。
それともう一つ、神が過去に起こったことについて全てを話すわけにはいかなかったので、この仕事は調査から始めなければいけないといったのだが。
「わかりました。いいです。お受けします」
意外に軽い答えに驚いた。
何せ、かつて私の右腕だった神グレムゼアの救出だ。
今までのクルゼ王国でのギルド仕事とは規模が違う。
てっきり詳しい内容を教えろと言われると思ったのだ。
まあいい、何か掴んでいるのかもしれない。
お手並み拝見と行こうか。
◇
「ケータ、大丈夫ですか」
リレイアに聞かれて僕は周りを見渡す。
誰もいない草原のようだ。
「ああ、一応大丈夫だけど……どこだ? ここ」
いきなり目の前の景色が変わり、見知らぬ風景にポカンとしていた。
ったく、いきなりだもんなあ。
頼み事があると聞かされて返事をする間もなくその頼み主である主神アルーダ様が現れた。
そして、詳細はリレイアに話してあると聞かされたと思ったら、この知らないどこかに神の転移の術で運ばれてきてしまった。
そこまでは覚えている。
だが、本当にどこなのだろう?
降り立ったところは知らない場所だ。
周りを見回してみると平地だ。
どうやらここは山奥や砂漠とかじゃないらしい。
まだ見えはしないが、感覚とどこかの町の近くであると解ったのでホッとする。
それが即座にわかるのが成長した証拠なのだろうが、特に具体的な魔法を唱えたわけではない。
このように周囲の状況について最低限わかるのはパッシブな魔力の使い方ができているからだろう。
まあ、人里離れた山奥であろうとリレイアの機能や装備があるから、どこに放り出されても野宿の心配はいらないのだが。
「一応、町が近いので念話でやりとりしましょう」
リレイアはそう言って姿を消した。
こちらも、念話に切り替えて尋ねてみる。
——ところで、神さまの依頼ってのは何?
——「サジトワ山の悪霊を取り払ってくれ」とのことです。
なるほど。わからん。
……ってか、サジトワ山ってどこ? と思ったが、今はまず現状が知りたい。
——ところで、ここどこ? 人里が近いようだけど、どこかの町か何かか?
——ホン・ワリャン連邦のミファですね。クルゼ王国との国境の町です。
はぇー、そんなところまで飛ばされたのか。
ミファの町か。
名前だけは知ってる。
——神様の用件はこの町で何かするのか?
——いえ、この町では若干の情報収集だけです。その後は、ワートコートの町を経由してサジトワ山ですね。まあ、サジトワ山がどこにあるかがわからないのですが。
また、サジトワ山か。
どこなんだろう?
でも、経由するのはワートコート? その名前は聞いたことがあるぞ。
——そこ、ホン・ワリャン連邦の相当奥地にある町じゃないか? 移動も大変になりそうだ。それなら神様も初めからワートコートに連れてってくれればよかったのに。
——サジトワ山を知らないのは仕方ありませんね。廃村の先にある忘れられた土地です。ワートコートは大きな町ですが、冒険者に向くような装備はあまり充実していません。ミファでは、最低限の装備を揃えることも必要です。
その会話にクリスクロスも入ってきた。
——ワートコートかあ。昔はだーれもいないとこだったけど、今はそこそこ栄えてるらしいぞ。だけどそんな大きな町じゃなさそうだから、ケータが何かするなら必要なもんはどっか途中で買って行った方がいいかもな。
——クリスクロスの言う通りですわ。まず、このミファの町で情報を集めます。その内容次第では、ワートコートに向かうか首都ソンに行くかを検討する必要がありますわ。今回は、神様からの直々の依頼ですのでケータが行く先を決めて下さい。
なるほどね。
情報を集めて行き先が変わる可能性があるわけだ。
けれど、どの道ワートコートに行くとなると長い距離を移動しなくちゃならなくなるのは、ありがたくないけど。
愚痴を言っても始まらない。
まず、町に入る前にリレイアから事前情報を教えてもらう。
ミファの町。
人口15,000人の町なのだが、国境の町なので他国との流通があり規模の割に栄えている。
クルゼ王国と接していて入国許可が必要なのだが、冒険者証があればとりあえず入国はできる。
だが、見せればいいわけではなく、ちょっとした手続きが必要であるらい。
そのほかにも雑多な情報をリレイアは教えてくれたけど、観光に来たわけじゃないからその先は割愛。
町の中に入らないとそれ以上は何もわからない。
特にこの依頼について調べることもできないので、神様の転移で放り出された野っ原から4kmほど歩いてミファの町についた。
国境門というには、あまりに粗末な鉄錆の浮いたボロい門にだらっとした衛兵が二人。
僕が受付に行きたいと言ったら「ああ、いいぜ」と言っただけで何の確認もしてこなかった。
受付では、冒険者ギルドで行くように言われただけで特に何も手続きはなかった。
もう夕方になっていたので、先に宿を取りたいと言ったら、それならギルドに行くのは明日で良いらしい。
——受付の奥に座っている男がケータの顔を確認してました。腑抜けて見えますけど、入ってくる他国の人間に対しては一応の警戒はしているようですわ。
なるほど、リイレアはよく見ている。
怪しまれてるのかあ。
こっちはまだ目的も行く先に何があるのかも知らないんだけど。
とりあえず、メインの通りよりも雑然としたテントが連なる怪しい店が立ち並ぶ露天の商店街の側に宿を取った。
元々まともな宿はなく、少しマシな程度の宿を取ろうと思ったら物凄い高額な宿代だった。
ただでさえ怪しまれているのに、冒険者がそんな高額な宿を取ったら完全にマークされてしまう。
取った宿はまあ普通。
料理は可もなく不可もなく、量もそれなりだったので文句はなかった。
薄い壁で隣の声もまる聞こえだったが、それは見た時から予想していたこと。
いつも通りリレイアが遮音してくれたので問題なかった。
良かったのは外観の汚さに比べ、部屋の床も綺麗に掃除してありシーツも清潔だったので安心して眠れた。
リレイアが言うには、こういう国境の町はサービスはそれほど悪くないとのこと。
宿などは古いものが多いため、外観は汚いのは仕方がない。
料理については、このミファという町の特徴により食材の流通に問題があるらしい。
交通の要所であるため食材の種類は豊富なのだが、町が狭いため備蓄するための倉庫などが充実しておらず、料理を作るとなると何かしら品不足になるため、それが値段を釣り上げてしまい、それほど上等なものが出せないとのこと。
それでも、健啖家の旅人や冒険者を満足させるためにある程度の量は確保しているらしい。
すなわち『メシはうまくはないが量が多い』ということだ。
翌朝、僕たちは冒険者ギルドに行きクルゼ王国の冒険者として登録した。
これで、このホン・ワリャン連邦という国でも冒険者としての地位で行動ができるようになる。
この町で登録作業を怠った場合でも、後から手続きを行うためにがその町の冒険者ギルドに行けばなんとかなる。
ただ、その時はぶちぶちと文句を言われるらしいが。
この国境の町で、クルゼ王国の冒険者がこうやってギルドに一度顔を出して登録しておくと、ギルド仕事の斡旋や危険手当、宿や武器屋などの割引などの特典がある。
その代わりに、この登録情報は連携されるためクルゼ王国の人間がホン・ワリャンで活動していることが認識される。
一応、登録時に情報を秘匿するか否かを決められるが、秘匿はしないことにした。
この国では秘匿するとしても、それは対冒険者の話であり、ホン・ワリャン国の上層機関には全部情報開示されてしまう。
もう一つ、有力な冒険者が秘匿しない場合、指名依頼がくることもあるので旅の資金を調達するには有利だ。
僕の場合は関係ない。
では、なぜ秘匿しなかったのか。
それは、この名前に反応する奴がいるかどうかワザと広めて様子を伺うためだ。
窓口で秘匿しないとなると、ギルド職員がその場にいる僕らを冒険者に紹介した。
要するに「仲良くするように」と言うことなのだが、このルーズな街では当然逆な状況になる。
僕は一礼して、歩き出すところで目の前で出された足に引っかかり転びそうになる。
片膝をつき、埃が舞う。
よくあるギルド内で新入りいじめだ。
「おおっと、危ないっすよー。観光で来たんで、邪険にしないで下さい。シャバ荒らしじゃないのでよろしく頼みますよー」
僕は弱気を装い、足を引っ掛けた連中に愛想笑いで答える。
「なんでー。ちょっとはやる奴かと思ったんだが、腰抜けか。話にならん。まあ、いい。行け。俺らの仕事を邪魔しないことだな」
どうやら興味を失ったらしい。
しかし、この機会を見逃すリレイアではない。
実は片膝をついて埃が舞った時に、リレイアがナノマシンを散布したのだ。
それには二つの機能がある。
一つ目は、その場にいた冒険者とギルド職員の耳に散布したナノマシンは張り付き、いくつかのキーワードが出たときに、ほんのちょっとだけ意識に上り、消えるように魔法で意識下に細工をする。
二つ目は、その意識に上った瞬間を捉え、ナノマシンの通信機能で僕の情報が送られてくるのだ。
僕は結局、ミファの町では何もしなかった。
ただただ、冒険者ギルドに撒いたナノマシンが伝えてくる情報をリレイアが収集しているだけだったので、お上りさんよろしく町の観光などをして回っていた。
町の中のギルド仕事を一つ二つこなし、3日間を過ごす。
その間にリレイアがばら撒いたナノマシンが収集した冒険者の会話や脳裏に浮かんだキーワードのうち、今回の依頼に関するものを集計する。
・サジトワ山 0回。
・ラングレー山脈6回。
・ダーバンシャイ山脈0回。
・ソン 122回。
・ワートコート 8回。
・グラーム教 19回
・グラムゼア神 3回
この結果に僕はちょっと驚く。
流石に首都ソンについては関心があるにしても、すでに滅びたグラーム教についてこれだけ関心があるのはなぜだ。
それにサジトワ山とダーバンシャイ山脈については誰も話してはいない。
そこで、キーワードのand検索をしてみる。
すると、グラーム教とソンは全てかぶる。
グラムゼア神も2回かぶっている。
逆にワートコートとは、一つもand検索で引っかかってこない。
ワートコートはグラーム教が滅びた後に、栄えた新興の町である。
今回のサジトワ山の話とグラーム教の繋がりは見えてこないが、ダーバンシャイ山脈に近いワートコートの町の話題は出ている。
タリオトルテ大帝国についての関心は常にあるのだから、ラングレー山脈が話に上るのは当たり前だが、ダーバンシャイ山脈の話が一切出てこないのは怪しい。
国や大きな組織によって意図的に伏せられているとするとまずは資料を当たって調査してみないとわからないだろう。
これは、ワートコートに直接行っても十分な情報は得られないかもしれない。
気が進まないが、大きな官庁や図書館のある首都ソンに行くしかなさそうだ。
僕は、ワートコートに向かう予定を取りやめ、ホン・ワリャンの首都ソン行きに変更した。
神アルーダの頼み事とは、配下の神を助け出すこと。
但し、リレイアにはその事を伝えているが、ケータにはぼやかしての説明しかしていない。
ケータはまず依頼内容の調査から始めることになります。
次回から『現神グラムゼア編』です。
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