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ネタバラシ

 

「魔族と人族のハーフですか。

 ミレーヌさんのお父様とお母さまの馴れ初めはどのようなものだったのでしょう?

 ……あっ、すみません!

 言いづらいことでしたら……」


「大丈夫大丈夫。

 エマちゃんが想像しているようなことはないよ。

 ちゃんと純愛だよー」


 エマさんはおそらくミレーヌの母親が性奴隷であった可能性を考えたのだろう。


 かくいう俺もそう考えていた。


 それ以外の可能性があるとは考えづらいのだ。


 この世界は違う種族間でコミュニケーションがとれない。


 なので戦争で敵兵を捕虜にしたところで情報を聞き出せることもなければ、こちら側の指示も理解できないため労働力にさえならないのだ。


 限られた使い道といえば過酷な地での単純肉体労働か魔法の実験体。


 もし捕虜が女性であれば、金持ちの慰みものとしての悲惨な未来が待っているだけである。


「パパとママは戦場で出会ったんだって。

 お互い将軍として剣を交えていくうちに両想いになっちゃったらしいよ。

 それから仲間に内緒でこっそり愛を育んであたしを産んだってわけ。

 言葉も通じないのによくやるよ。

 まったく脳筋だよねー」


「えー!

 すごく素敵じゃないですか!

 ロマンチックです!」


「ふぉっふぉっふぉ。

 一流の戦人であればひとたび剣を交えただけで互いの気持ちがわかるもの。

 ミレーヌ殿の父上だけでなく母上も大層立派な戦士であったようですな。

 お手合わせ願いたかったものです」


「ウチの怪力パパと正面からやりあえるってよっぽどだよねー。

 でも、病気には勝てなかったみたい。

 パパと出会ったときにはもう不治の病に侵されていたらしいよ。

 あたしを産んですぐに死んじゃって、それからママの忠実な部下だった人が命がけで戦場のパパにあたしを託しにきたんだって。

 なんでもママの最期のお願いだったみたい。

 その部下の人もその時の深手で死んじゃったらしいけど」


「なかなか壮絶な出生秘話だなあ」


「そそ。

 そんな生い立ちをしているものだからあたしはあんまり貴族らしくないのかもねー。

 パパが権力のある大貴族でよかったよ。

 貴族同士の付き合いとか気にしなくていいしね。

 ただでさえめんどくさい社交界もこんな肌しているとなおさらめんどーだし」


 ため息をつきながらミレーヌは自身の頬に触れる。


 母親の血が出たのであろう、ミレーヌの肌の色は魔族特有の暗い褐色だ。


「ま、あたしはパパの血もママの血も誇りに思っているよ。

 その血のおかげで無駄に強いのは可愛くないけどね。

 会ったことないけど魔族のことも好きだよ。

 たぶんコウタロウはもう会ったんでしょ?」


「……どうしてそう思う?」


「だってあの日そんな目をしてたもん。

 世界を知るぞーって強い意志がこもった目だった。

 あたしにはわかったよ」


「そうか」


「ねえ、そろそろ本当の自己紹介をしてよ。

 あんな目をして別れた男がシルバーランクの商人で落ち着いているわけないでしょ。

 エマちゃんもドラファルさんもあたしレベルじゃ計れない強さしてるっぽいし」


 えっ、そうなの?って感じでミレーヌとこちらを交互に見比べるアンスリアさんがちょっと面白い。


「お見通しってわけか。

 二人とも構わないかな?」


「ご随意に」


「かまいません」


「じゃあ、改めて自己紹介だ。

 そういえば家名はあの日に伝えてなかったな。

 俺の家名はシマダ。

 シマダ商会会長のシマダ・コウタロウだ。

 こちらが神域の魔女エマ・シーラッハ。

 そしてこちらが生ける伝説ことドラファル・グラニクス・ヴィルストームだ。

 よろしく」

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