私の1ページ_20
彼女の料理が美味しくない。
不味いわけではない。
美味しくないのだ。
味の好みが違うだけといえばそうなのかもしれないけれど、それとはちょっと違う気がする。
パスタを茹でるときに、水から入れてそのまま放置してしまいただの小麦の塊になるくらいのレベルならまだこちらも口出ししようがある。
そうではなくて、茹で終わったあとにオリーブオイルをかけずに少し経ってから冷めたものを食卓に出されたようなそんなかんじ。
休日に彼女の家に遊びに行くとご飯を振る舞ってくれる。
料理をしてくれること自体はありがたい。
ありがたいのだが。
美味しくない料理を食べることに少しだけストレスを感じてしまう。
これなら冷凍食品でもいいんだよ、とはさすがに言えない。
彼女が時間を使って、自分のために料理をしてくれたことにだけ感謝することにする。
「ありがとう。美味しいね」
だが今後には不安しかない。