表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

背後から近づいた少年は幼馴染に恋する

作者: カナン

 昼休み幼馴染の春香に放課後に生徒会室に来てと誘われる。春香はこの学校の生徒会長だ。だが性格は話すことが苦手で何かあるとすぐに俺に頼ってきた。


 内気なのにどうして生徒会長になれたのかというと周囲からの推薦のようだ。春香は見た目は可愛く、また性格も優しい為一定数のファンがいる。そのファンが春香を生徒会長にしたいと思い口説いて生徒会選挙に立候補させたのだ。

 本人はその気がさらさらなく『私なんて投票もされないだろうな』と思っていたらいつの間

にか結果当選となり生徒会長になってしまった。


 そんな春香から生徒会室に来てとお願いされたということは何か問題があったに違いない。授業終了の鐘が鳴りせかせかと生徒会室へ向かうと楽しそうに世間話をしながら下校をする生徒達がいた。彼らに道を開けてくれるよう懇願しどいてもらう。

 人が混雑しており道を通るのに時間がかかってしまったので急いで生徒会室に向かいドアをガラガラと勢いよく開ける。すると春香は報告書に目を通しているも目にはうっすらと涙を浮かべていた。

 

 俺は「おーい、きたぞー」と声をかけるも春香は生徒会の仕事に一生懸命のようでこちらのことには一切気づいていない。人に来てとお願いしたのに反応の一つもないのか。ならばいたずらをしてやろうか。背後に近づいていきなり触れてやろうか。


 ばれないように恐る恐るこっそり歩いていく。物音を立てないようにそーっと、そーっと。

それにしても急に近く俺がいたらどんな反応をするのだろうか。俺は春香が驚いてところを想像してみる。きっと顔を赤らめながら目つむりそうな表情をしてそうでさぞ可愛いだろう。


 手を伸ばせばいつでも春香の肩に触れられる距離まで近づいた。ここまで近づいてもまだ春香は俺のことに気づかないのか。存在感があまりないということなんかな。ここまでやって何なのだが気づいて欲しかったとつくづく思う。


 それにしてもこの距離だと春香の体から香りが漂い俺の鼻を刺激する。この匂いは例えるなら4月に咲く桜のようだ。このまま抱きしめることができたとしたらどんなに幸せなことだろうか。それをやったら不順異性交遊で退学になるのでやりはしないが。

 

 ちなみに、どんな報告書を見ているんだろう。遠くからみた様子だと部活動について記載されている内容だということが分かった。部活動の事で何か問題でもあったのかな。このまま眺めてるのもいいけど気づいてもらわないと用件が終わらないので頭をそっと撫でてみる。


 すると春香は突然びくっと体を震え遅る遅る背後を振り向く。そこで俺の姿を見たら、「ええええっ、いつのまにいたの!?」って赤らめて言いながら急いで後ろに後ずさりしていた。

 「声かけても反応しなかったのはそっちじゃんかよ。それにしてもお前、結構いい香りすんだな」

 彼女はますます顔を赤らめて小声でぼそぼそと呟いてた。何を言っているかは聞き取れない。

 「んー、何を言っているんだ?もうちょい大きくしゃべってくれ」


 「は・・・恥ずかしい。近づかないで。いい匂いと言われてよかった・・・・・・」


 真っ赤になりながらもじもじをしている仕草をみてて、今まで彼女のことは気にしていなかったのに急にかわいいなと思えてくる。あぁ、俺は今春香を好きになった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ