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「君は運命の相手じゃない」と捨てられました。  作者: 音無砂月
第一章

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4

「セイレーン、校門での騒ぎなんだけど」

金色の髪に紫の瞳をした女子が躊躇いがちに私の元へ来た。

マリン・ルイス伯爵令嬢。私の友人だ。

もう噂は広まっているようだ。

教室にいた生徒たちも自分たちの話に興じながら耳だけはこちらに傾けている。

相変わらず貴族は噂が広まるのが早いと私は苦笑する。

私を気遣ってかマリンが場所の提案をして来たけど私は必要ないと答えた。

嫌でも分かってしまうことだ。なら早い段階に正確な情報を与えた方がいいだろう。

誰かに醜く歪められた情報は簡単に人を貶めることができるから。

私は校門で話しかけて来たミアを思い出す。

彼女はきっと何かしてくる。

「本当よ。ジュノン様は番に出会われたそうよ」

私の言葉に周囲は騒然とする。

「番って、そんなお伽噺を信じたの?」

マリンは呆れた顔をしている。

立場が逆だったら私もそうしただろう。

でも周りに視線を向けると私たち人族は信じられないという顔をしている。

獣人は・・・・・・。

「凄い」

「奇跡だ」

「まさか番の誕生を見られるなんて」

と、感激している。

この反応を見る限り番というのは存在するのだろう。

巡り会うことは不可能に近い。それこそ〇.一パーセントの確率なのだろう。

そうでないとお伽噺だけだと思われることもなかったかもしれない。

確率が高ければディアモンだって婚約する前に話してくれたはずだ。

獣人の反応を見て、番がお伽噺だけではないことが教室にいる生徒たちも理解し始めた。

その中には獣人を婚約者に持つ者もいる。

私と同じように婚約破棄されるのではないかと不安そうな顔をしていた。

「だからって婚約破棄だなんて酷すぎるわ」

マリンは今にも泣きそうな顔をしていた。

私の気持ちを想ってくれたのだろう。でも平気だ。

別に愛し合っていたわけではないから。

それをマリンに伝えたが、強がっていると思われてしまい、彼女は泣いてしまった。

本当に平気なのに。

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