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「君は運命の相手じゃない」と捨てられました。  作者: 音無砂月
第三章

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「何を騒いでるの?」

「ルルーシュ」

私を見たルルーシュは優しく微笑む。

どうして邸にルルーシュがいるのだろう?

私の疑問が顔に出ていたのか、ルルーシュが質問する前に答えてくれた。

「連絡もなくごめんね。色々あったからちょっと気になって」

ルルーシュの傍には侍女長がいた。

相手がルルーシュだから連れてきてくれたのだろう。

「見つけた」

「え?」

私の横を通り過ぎてライラがルルーシュの前に来た。

ルルーシュは不快そうに彼女を一瞥してから私に説明を求めてくる。

「父が連れてきた私の義妹よ。再婚することになったの」

「へぇ。葬儀から間も空けずに」

今まで聞いたことがないぐらいルルーシュが冷たい声を出した。

「あなたは私の運命の相手よ」

ライラが歓喜の笑みを浮かべて言う。

また『運命』と私はうんざりをした。驚くよりも反射的にその言葉に嫌悪を抱いた。

ルルーシュは言われた本人だけあって目を丸くして驚いていた。

「あなたは私の番よ」

「ライラ、あなたは人間でしょ。獣人のように『番』なんて存在しないわ」

「いいえ、お姉様」

ライラはとても素敵な笑顔でとんでもない爆弾を投下した。

「私は精霊のクオーターなんです」

「・・・・・は?」

「私には精霊の血が四分の一流れているんです」

「あ、りえないわ。精霊と人の間に子供ができるなんて」

「確かにできにくいですけど、できないわけではないんですよ。確率はとても低いですけど」

精霊は普段、精霊界にいる。そこは所謂、異界だ。

その為、私たちが意図的に精霊に会うには精霊を召喚しなければならない。

難解な魔法陣や膨大な魔力がいる為、精霊を召喚できるものは現在、わが国には存在しない。

ただ精霊はとても好奇心旺盛で、気まぐれ。たまにこちら側に観光気分でやってくることもある。

異種族との間に子供はできにくいとされている。精霊と人間は不可能に近いとまで言われている。

他の種族なら結婚から妊娠するには平均で一〇年はかかるとされている。それぐらいかかるがそれでも妊娠は望めるのだ。

「精霊にも獣人と同じで『番』がいるんですよ。それで、彼は私の『番』なの」

そう言ってライラはルルーシュの腕に抱き着く。

嬉しそうにルルーシュに抱き着くライラを見るとどす黒い感情が湧き出てくる。まるでお気に入りのおもちゃを盗られて駄々をこねる子供のようだ。

感情のまま動けばルルーシュに嫌われるかもしれない。それに『番』・・・・・。

ディアモンとミアのことが頭に浮かぶ。

ミアがいなくなってからディアモンはかなり荒れているらしくあまりいい噂を聞かない。

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