姫の秘密
進藤舞を好きになって三日目。俺は彼女のことを知りたくて、周りのクラスメートに真相を聞きに回った。
クラスメートA君。
『進藤さん。あぁ、あの人ね。進藤さんって頭いいんだよね。成績も常に三位以内をキープしてるし、葉介よりも頭いいっぽいかな。』
クラスメートBさんとCさん。
『進藤さんって、なんか暗いっていうかいつも一人でいるって感じかな。』
『そうそう。いつも一人で凛としていて、めったに話とかしないんだ。』
担任のD先生。
『進藤か。あいつは確かに成績はいいし、授業態度も悪くない。ただ、あいつ入学してから学校に来る日が少ないんだ。あいつ、中学から一人暮らししているみたいだし。まぁ、先生が知ってるのはそれぐらいかな。』
量は少ないが、けっこういい収穫だった。
「へぇ。進藤さんって一人暮らししてるんだ。」
俺は収穫した情報を手帳に書き込んでいて、それをジーッと見ていた。その時、教室に誰か入ってきた。進藤さんだった。進藤さんは俺の隣の席に座り、鞄から文庫本を取り出す。
俺は隣でものすごく心臓バクバクだった。手から冷や汗は出るし、呼吸も荒くなる。俺はなんとか彼女に声をかけようとするが、緊張しすぎてなかなか喋ることができない。
「ねぇ、鈴木君?」
進藤さんがか細い声で俺に話しかけてきた。俺は、心臓が口から出てきそうになる程びっくりした。
「な・・・何?」
俺は緊張していて声が震える。
「大丈夫?顔色悪いよ。」
進藤さんは顔をこちらに向けて、心配そうに言う。俺は一気に心拍数が上がった。
「だ、大丈夫だよ。心配しないで。」
そういうと俺は、ぎこちない小走りで教室を出る。教室の扉を閉めると、俺はその場で崩れ落ちる。
「やっべー。まじでいいよ、進藤さん。」
俺は顔を真っ赤に染めて彼女の顔を思い出す。絶対、進藤さんを彼女にする。俺はそう決めた。でも、どうしたら彼女に近づけるかな・・・。




