蛇の姉さん
僕はめぐみのことを忘れることにした
そっちの方が幸せだ。うん
僕は隠し地下から出て、鎌を取り出す
そして、黒い姿になり、ジャンプしてみる。
身体能力が上がったおかげか、海が見えるくらいまで跳べた
そのまま、翼を動かしてみると
前まで全く風圧を受けなかった翼が風圧を受けているが
制御が難しく、落ちる
練習を繰り返し
結局、飛ぶことを諦めた
この翼のおかげで、体を軽やかに動かせるから必要ないかなと判断したからだ
翼でのガードも可能になり万々歳だ
霧状に戻してみたが使い道はなさそうだ
「おー使えこなしてるじゃん」
姉さんが隠れてみていたそうだ
「私とやらない?一対一で」
コクリ
僕は軽くなった体を使い、普通の人では見えないくらいのスピードで走る
「うわっ」
一瞬焦りが見えたが流された
僕は勢いを使って、クルリと一回りして、翼で攻撃した
その攻撃を待ってましたと言わんばかりに翼を断ち切ろうとするが、一度霧状に戻してそれを躱す
そして、姉さんは勢いあまり霧に顔を突っ込んだので翼へと戻し、拘束した
僕の勝ちだなと判断した瞬間
僕は信じられないものを見た
姉さんが翼を抜け出したのだ。
蛇のように
姉さんの爪は毒々しい紫色になり、顔や腕には鱗のようなものが見える
「懸魂って、懸れる時間が決まってるの知ってる?。もうすぐじゃない?」
いつのまにか僕の翼が霧状に戻っていた
霧状に戻すのは本来、ラグを稼ぐための仕様でしかなかったのだ
僕は諦めずに突っ込むが、いつのまにか僕は姉さんに腕で拘束されていた
僕の負けだ
僕たちは元の姿に戻り、縁側に座った
「幾兎の黒い姿はラグがないの?」
コクリ
「でも、何かしら消費してると思うよ。脱力感とか他に感じるものはない?」
僕は少し考え、思いついた
そして、携帯を取り出し姉さんに送る
『なんか、スッキリする』
「なるほど、多分ストレスとかが消費されてるのかな?気になるね。これは運ちゃんに調べてもらうとして、そろそろ伊織が帰ってくるはずだから、ご飯の準備しよっか!」
コクリッ
晩御飯は赤飯だった
まぁ、めでたくはあるよねと伊織は頷き、めぐみは酒呑童子にご飯を食べさせてもらっている




