風邪
恋愛系が苦手な場合飛ばしてください
起きると僕は伊織の膝の上で寝ていた
「おはようございます。起きたのならどいてくれませんか?」
「頭が痛い。」
「うわ、すごい熱」
伊織は僕を布団へ運ぶとヒンヤリとした枕と飲み物を持ってきてくれた
「どうしましょうか。今日、懸魂の試験日なのですが。行けそうにありませんね」
僕は行けと指で指示する
「そんな訳にも行きません。42.3度、死んでもおかしくありません」
「酒呑童子。白。僕の看病してくれ」
『はっ』
『いいよー』
酒呑童子が伊織の前に立ち仁王立ちして言う
『安心して行くがよい』
しかし、伊織は式神の言葉がわからない
伊織は御構い無しにお粥を作り始める
あー、頭痛すぎて幻覚が見える
雫がいるように見える
「・・・」
「・・・」
え?なんでいるの?
ピロン
『大丈夫?』
『幻覚見えるほど頭が痛い』
『どういうのですか?雫が見える』
『それ多分幻覚じゃないです』
えーと?ここにいるのが本物?
僕が雫に手を伸ばすと握ってくれた
ヒンヤリしている
本物だ
意識が朦朧とする
なにを僕は考えたのか雫をベットへと引き込み抱きつく
ヒンヤリとした柔らかい感覚が僕の体に伝わる
顔の方は結構、熱い
「雫さん、病人になにしてるんですか?」
あたふたと雫が身振り手振りで状況を説明する
しかし、伊織にはそれが伝わらず
怒って出て行ってしまった
「そろそろ離してください(ボソッ」
「Zzzz.....」
僕の意識はそこで途絶えた
また、いつもの夢を見た
太陽を追いかける。その太陽は随分と大きくなった
暖かい
眠くなってしまうが我慢だ。寝ている間に太陽が沈んでしまう
起きろ、起きろ、起きるんだ
僕の意識は戻った
頭はもう痛くない
腕の方、柔らかいものを触っている感触がした
僕の腕の中には雫がいたのだ
高熱が出た時の意識がなく、なんで潜り込んでいるのかわからなかった。
まぁ、とりあえず看病に来てくれたことには変わりない為、メールでお礼を言おうとすると129件メールが来ていた。
伊織から『この女たらし』が1件
雫の『離してください』が128件あった
とりあえず、雫を離しこちらに方向を転換させようとするが両手で顔を隠し、こちらを見ようとしない
顔が熱い、風邪か?
とりあえず、布団をかぶせてあげる
大広間に行くと伊織がいた
「パートナーに手を出すってどういうつもりですか?幾兎?」
?
「許してあげなさい、伊織。幾兎は恋愛の話なんて通用しないわよ」
「でも」
なにかまずかったか?
「抱きしめるのは愛おしいって意味するの」
「そう、好きな人にしかやってはいけませんよ」
『なんで?』
「それは、まぁ」
「うーん。とりあえずダメです」
そういうことならと二人を抱きしめた
姉さんは「あらあら」と苦笑いをし、
伊織は壊れた